テラーノベル
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私
私
私
私
音楽室が、燃えている
私
私
茜
後ろから茜さんの声がした
私
私
茜
私
茜
茜
私
茜
茜
私
茜
茜
私
同時刻、保健室
私
私
刺された傷が痛む
刺されたと言うより切られたの方が正しい気がする
私
今更震える手を無理矢理押し殺す
私
私
「ああ愛してるわ彩花!!」
私
私は6歳の時からピアノをやっている
ママ
パパ
死ぬ程努力して何回も挫けそうになったけど
ずっとママとパパが褒めてくれるから頑張った
「最優秀賞は渡辺彩花さんです!」
沢山の賞や歓声や注目を浴びた
ママもパパも泣いて喜んでくれる
優希も自分の事のように本当に喜んでくれる
なんなら優希が1番泣いてるし
ずっとこんな幸せが続くと思っていた
私
…1週間前までは
私は手を酷く痛めてしまった
私
絶望という感情より先に両親の顔色を伺った
パパ
ママ
私
酷く絶望している
私はその日から前みたくピアノを弾けなくなった
ママ
パパ
私には5個下の妹がいる
あの日から、私がピアノを弾けなくなった日から
パパ
両親は私を見てくれなくなった
パパ
ママ
今まで私に言われてきた言葉は全部妹に取られた
私
私
私
パパ
ママ
パパ
ママ
私
私
ママ
パパ
ねえ
ママ、パパ
私知ってるよ パパとママが愛してたのは
私じゃなくて才能でしょ?
私
私
ねえ私はもういらないの?
もう私は愛してくれないの?
別に賞や歓声なんていらなかったよ
私はママとパパの為に頑張ったんだよ
私
ピアノを弾けないわたしはもういらないんだ
ならもういっそ居なくなった方がいい?
そこから覚えていない
寝落ちたのかななんて最初は思っていた
気付いたら知らない場所で
優希が安心した顔で私を見ていたのを覚えている
私
自分の震える手を見る
私
私
私
私
私
私
初めて子供みたいに大声で泣いた
私
「〜〜♪〜♪〜〜♪♪♪」
私
ピアノが聞こえる
私
私
お世辞にも上手とは言えない音色は
意外にも私を慰めてくれた
私
私
私
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