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#死ネタ、流血表現、暴力表現
穏霞 乃矢
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今日は、外で遊ぶ子供達の声も遠く、やけに静かな日だった
いつもの炭鉱跡には、珍しく二人しかいなかった
都築慎一
夕焼けの赤い光が照らす中、慎一は学帽を片手で整えながら、小さく呟く
慎一の横には木の棒で「シネ」と砂に書いている勲がいた
慎一がいるのに気づくと、勲は足で文字を踏みながら、消した
古賀勲
古賀勲
都築慎一
慎一は冷徹に言い放つ
都築慎一
慎一の言葉に、勲は分かりやすく反応する
本心を完全に読まれたため、勲は焦りを感じているが、その焦りでさえ、慎一にはお見通しだった
しかし、勲は帰ろうとするどころか、その場で座り込む
古賀勲
都築慎一
慎一は勲の横に座り込む
古賀勲
古賀勲
都築慎一
古賀勲
古賀勲
勲は自身の頬にある、傷痕を触る
少し前にできた傷だが、今でも時々、古傷が痛むようだ
都築慎一
古賀勲
古賀勲
勲は、他のどの児童にも話したことのない「自分の本音」「自分の弱音」を漏らした
都築慎一
都築慎一
古賀勲
都築慎一
古賀勲
勲は慎一に、図星を突かれていたのが悔しかったからか、咄嗟に慎一の胸ぐらを掴んだ
しかし、慎一はびくともせず、目を細めるだけだった
都築慎一
古賀勲
慎一が胸ぐらを掴む勲の手に向かって、指を差すと、勲はすぐに手を離した
その仕草はどこか弱々しく、まるで突然力が抜けたようだった
慎一は少しよろけたが、その後はすぐに、着崩れてしまった詰襟学ランを整える
古賀勲
都築慎一
都築慎一
気がつけば、空は茜色になっており、子供達の走る音が徐々に遠のいていった
古賀勲
都築慎一
慎一の目には、勲に赤いモヤモヤがあるのが見えた
しかし、以前見た志乃に現れたものとは、違う波動を感じていた
真っ赤というには赤黒く、形もモヤモヤというよりはドロドロといった方が正確だった
勲が家に帰りたくない理由は、あの男に殴られる恐怖なのか、慎一をまだ独り占めしたかったからなのか、どちらなのかは、慎一にしかわからない
慎一が困惑して何かを言いかけると、勲は言葉を遮るように、慎一に背を向ける
古賀勲
古賀勲
都築慎一
古賀勲
都築慎一
勲は慎一の方を見ると、ぶっきらぼうに手を振った
慎一は口元を緩めて手を振り返した
その瞬間、勲の赤黒いモヤモヤが、ほんの一瞬だけ、輝くように発光したのを、慎一は見た
その日の夜、勲は一人、抗道の中で立ち尽くしていた
聞こえるのは、彼が鳴らす下駄の足音のみだった
実は、勲は帰るふりをして、辺りが暗くなるまでこの抗道を徘徊していたのだった
暗い道を歩き続けていたが、勲は突然、ピタリと動きを止めた
勲は突然、膝が崩れ落ちると、
古賀勲
古賀勲
勲の細い目から、狂ったように涙が溢れ出てきた
咄嗟に「嫌だ」というが、何が嫌なのかは、勲自身もわからなかった
涙でぐしゃぐしゃになった顔を手荒に拭うが、次々と溢れ出る涙が、彼の視界を奪っていった
コメント
1件
うわ、これ…胸が締め付けられる話だなあ。勲が初めて自分の弱さを慎一に見せた場面、すごく印象に残った。「殴られる前に殴るしかわからなかった」って台詞が、家庭環境の辛さを物語ってて切なかった。慎一の「誰かに触ってほしかっただけ」って指摘、核心をついてるよね。最後の炭鉱での慟哭、声に出して泣くシーンで感情が一気に押し寄せてきた。この子の赤黒いモヤモヤが、これからどうなっていくのか気になる…。