そこは、全国どこでも心霊スポットとしても有名な場所である。
先生
みんなー、席につけー。今日は転校生を紹介するぞー

拓人
え、誰々?女子?

先生
そーだ。女子だ。喜べ〜?

拓人
うぉっしゃぁぁぁぁぁ

咲綾
ほんと、拓人ったら。結衣の気持ちも知らないで。

結衣
いいのよ。そういう所も男の子なんじゃないかな。

咲綾
もう、結衣は優しすぎ〜

先生
おーい、入っていいぞ。

教室のドアが開いて、入ってきた女の子を見て、みんな唖然とした
美紅
如月、美紅です。よろしくお願いします。

先生
みんな、仲良くするように!

先生
じゃあ、席は…

拓人
はいはいはーい!ここ!俺の隣なんかどーですか!!

先生
お、拓人いい返事だ。じゃああそこでいいか?

美紅
はい。大丈夫です(((ニコッ

結衣
す、すごい…

咲綾
なんか、お人形さんみたいだね…

美紅
えっと…お隣ですね。

拓人
あ、うん。よろしくなっ!

美紅
はい、よろしくお願いします

結衣
えっと、美紅ちゃん。よろしく

美紅
こちらこそよろしく

モブ1
ねぇ、聞いた?あの噂

モブ2
あの噂って?

モブ1
西校舎の1階にある鏡を夜の12時に覗くと鏡に吸い込まれちゃって鏡の中の自分と入れ替わっちゃうんだってー

モブ2
えぇー、こわっ

結衣
怖いね、咲綾。

咲綾
そう?

結衣
逆になんで怖くないのよ

咲綾
確実じゃないじゃない。

結衣
まぁ、それもそうだけど…

拓人
なぁ、今日そこ行ってみねぇ?

結衣
え?何言ってるの!?

拓人
だーかーらー、俺たちで本当かどうか確かめようって。

咲綾
さんせー!!

結衣
だめだよ。夜だよ?

拓人
だから忍び込むんだ。裏に抜け道があるからさ。な?

結衣
えぇ…

美紅
辞めときなよ。

結衣
、如月さん?

美紅
美紅でいい。

結衣
あ、美紅ちゃん

咲綾
で?どういう事?

美紅
痛い目に逢うよ。

咲綾
まさか、今日入ってきたばっかりなのに信じるとか?笑わせないでよ。第一そんなのいないから

美紅
じゃあ好きにしてちょうだい。私は知らないから。

結衣
え!ちょ、美紅ちゃん!

咲綾
結衣、ほっときな、

咲綾
なんなのあいつ。転入早々。気持ち悪い

拓人
じゃあ、今夜10時に校門前な!

咲綾
ったく、言い出しっぺのあいつはいつ来るんだよ!

結衣
まぁまぁ、落ち着いて?

拓人
悪ぃ!遅れた!!

咲綾
おそい!

拓人
ごめんって。ほら、いこーぜ

結衣
あ、ちょ、まってよー

結衣
ねぇ、怖いね。

咲綾
そ、そういう事いわないで!

拓人
ははっ、咲綾は怖いのか

咲綾
んなわけないでしょ、馬鹿!

拓人
はいはい。

結衣
二人とも、着いたよ…。

咲綾
なんともないじゃない。

拓人
だな。

咲綾
ほら、ただの噂なのよ。じゃあ、帰りましょ。

拓人
あーあ、楽しみだったのになぁ

結衣
ちょ、まって…

結衣
きゃあっ!!

拓人
結衣!?どうした!?

結衣
いやっ、やめてっ

咲綾
結衣、結衣!!

咲綾
何これ…鏡、から…?

拓人
ちっ、こいつ離れねぇ。

拓人
おい!結衣から離れろ!!

結衣
いやぁっ!

咲綾
うるさっ、何これ!!

美紅
二人共離れてっ!!

拓人
っ、美紅!?

結衣
美紅ちゃんっ!?

美紅
臨兵闘者皆陣烈在前っ!!

美紅
そぉーれっ!

校長先生
いやぁ、如月さん、お手柄です

美紅
先生、ご無沙汰してます。

結衣
美紅ちゃん…?なぜここに…

校長先生
なぜって、私が呼んだんです

拓人
なぁ、今、何した?

美紅
何って、除霊…ですけど?

咲綾
何その当たり前みたいなの!?

結衣
あの、美紅ちゃんって、何者?

校長先生
あぁ、言ってなかったんですか

美紅
言ったら変人になるでしょう?

校長先生
まぁそうですね。

拓人
なぁ、教えてくれ。俺ら、今の見てるから変人とか思わねぇから

結衣
うん、教えてください…

結衣
私、美紅ちゃんのこと知りたい

美紅
はぁ、いいでしょう。

美紅
私の家、如月家は陰陽師です

結衣
…陰陽師……

拓人
で?

美紅
で?って、終わりですが?

咲綾
終わり!?これで!?

美紅
えぇ。

拓人
いや、もっとないの!?

美紅
もっとって言われても…

校長先生
皆さん仲良しですね。如月家は、とても強大な力をもった陰陽師なんですよ。

結衣
そんなに…?

校長先生
えぇ。最強クラスのね。

校長先生
で、最近この学校にも噂が出てきたので依頼したんです。

美紅
また余計な事までペラペラと…

拓人
す、すげぇよ!

美紅
、はい?

拓人
だって、まだ中学生なのにこんな得体の知れない奴らと戦ってるんだろ?すげぇよ!!

美紅
あのさ、感心してる場合?

結衣
え…?

美紅
今、自分たちの好奇心で命が脅かされる程危険な目にあったのわからないの?

結衣
ご、ごめんなさい…

咲綾
ねぇ、あんた。

咲綾
そんな言い方ないじゃない!!

校長先生
落ち着いて下さい。

校長先生
確かに言い方は悪かった。けど、それ程の事を君達はしたんです。先生達には、あなた方を守る使命があります。

咲綾
ま、まぁ…

校長先生
それなら、まず言う事があるでしょう?

拓人
助けてくれて、ありがとう

咲綾
あ、ありが、とう…

美紅
今後、こういう事がないように。私だって迂闊に手が出せない場合もあるから。

結衣
うん、わかった。ありがとう

彼女がいなかったら、私達は今頃鏡の中で誰にも気づかれず