日向
ネットはここに片付けたら大丈夫!

ユナ
…………………

日向
…大丈夫? なんか、具合悪い?

ユナ
触んな。

酷く、冷たい声が倉庫に響く。
途端に嫌な予感がした。
菅原
なんだべ!?

澤村
大丈夫か!?

ユナ
うっ……………ぐ す。

清水
落ち着いて、何があったの。

ユナ
日向くんに………

そう言って、袖をめくった。
青が色濃く残っている。
日向
何それ…大丈夫、!?

ユナ
このアザはそこにいる、日向くんにされました。

日向
…………………………

日向
…………………………………はい?

血の気が引いてくのが、感じる。
そこにあるのは恐怖と困惑、
それだけだ。
日向
違う、本当に違います!

清水
じゃ、なんでユナちゃんは泣いてる訳?

日向
そんなの………わかんない……、です。

日向
俺は………俺は、ユナさんに頼まれて、

日向
ネットの片付けをしてただけです。

澤村
ネットの片付けを頼んだのは本当か?

ユナ
それは本当です。

菅原
それは俺も聞いてた。

場には重い空気、それだけが漂っている。
両の視界が滲んできてる。
こんな雰囲気、耐えられない。
ユナ
ただ、ネットの片付け方を教えてくれた後…

ユナ
急に……さっきの痣の部分を掴んできて。

ユナ
私を触ってきました。

清水
その触ってきた部分……って?

ユナ
……………………

清水
…言いたくないなら、大丈夫。

澤村
………そうだな。

澤村
日向。

多分、大地さんの中で結論が
出たんだろう。
怖い、やめて、聞きたくない。
澤村
お前は最低だ。

澤村
まず、なんで人を泣かせた。

澤村
なぜ人を傷物にした。

澤村
なぜ人の心を踏みにじった。

澤村
なぜ、性○力をしようとした。

日向
(人を泣かせたって……そんなの、知る由もない。)

日向
(傷物にも、してない。 心を踏みにじってない。)

日向
(性○力だと思ったのはそっちの妄想。)

澤村
お前のせいで、烏野は終わりだな。

菅原
ちょ……何言って……

澤村
これから責任は監督や学校が持つ。

澤村
それが何を意味するか、分かるか?

澤村
問題を起こした学校、周りからのイメージが下がる。

澤村
そのせいで、無罪な在校生は傷つき、苦しむ。

澤村
お前のせいで、軽はずみな行動のせいでな。

痛い、なんで痛い、
辛い、なんで辛い。
息が詰まる、 なぜ息が詰まる?
澤村
俺達も、顧問も責任をとる事になる。

澤村
そうなったら伝統あるバレー部は終わりだ。

清水
…これ以上はやめて。

また、静かな空間が生まれる。
心に刺さった矢は深く、歪に刺さってる。
菅原
日向、今日の所はもう帰りな?

菅原
まだ、日向の状況も、ユナの状況も真実か知れてない。

菅原
それに、大地も今、興奮してる。

菅原
そんな状態の大地なんて話しても信じないだろ?

日向
………………はい。

ユナ
………
