昔昔のお話し
人の命が永遠の頃の世界での話
リンゴのなる木の下
生まれつき
命が有限の少女の話。
人はその少女のことを
死の呪いがかけられた少女と軽蔑し
少女を空気のように見た。
待っててね。
今日こそ美味しいんだから!
イヴ
馴れた手つきでりんごパイを 作ってゆくのは、14歳の少女
イヴ
彼女はお菓子屋を この木の家で開くのが夢
イヴ
ぱくっ
イヴ
イヴ
イヴ
イヴ
少女はどこで生まれたのかも分からない
だが
幼い頃の微かな記憶はある。
母親
父親
母親
幼少期イヴ
そんな当たり前な日常も
幼少期イヴ
脆く、儚いものだった
街の狩人
街の狩人
街の狩人
壊れてしまったのだ。
正しくは
奪われたのだ
ごく普通な毎日を。
有限と永遠は、仲良くできないの?
街
イヴ
イヴ
街の人1
街の人2
街の人3
街の人4
街の人3
街の人3
イヴ
みんなと何も変わらないのに。
イヴ
今日もひとつも売れないのかしら。
それにみんな私の事見えてないみたい
まるで
透明人間になった気分だわ。
そして
誰もが知らん振りをした
理由は
少女が呪われているから。
冷めている死んだ世界でたった一人
暖かく生きていたのは
少女だけだった。