淡い夢を見ていた
ヒロム
ヒロム
ヒロム
ヒロム
バサァッ
ヒロム
ヒロム
僕の帽子は 風にすくわれ
僕の頭から離れていった
帽子を取ろうと手を伸ばしても
僕の手はあまりにも小さく
強い風には勝つことができなかった
しかし どうしても帽子を手放したくなかった
僕は身を乗り出し 手を伸ばした
ヒロム
帽子には届いた
が 僕の命は儚く散るみたいだ
グシャァ
ヒロム
ヒロム
ヒロム
プップー!
ヒロム
ヒロム
ヒロム
キキー!
ガンッ
ヒロム
どうやら僕は まだ生きているみたいだ
…というのも 繰り返されていることだ
だから辛いんだ
死ぬことが出来ないから
男性
ヒロム
声をかけてくれた…?
こんなこと はじめてだ
しかし 嬉しさを感じる暇もなく
僕の意識は どんどん遠ざかっていく
男性
男性
懸命に 僕に声をかける人
その人が 何を話していたのかは分からない
しかし 僕には
その声が、ひどく優しく響いた
黒腹 みかげ @創作コンクール 様主催
創作コンクール お題② 参加作品
コメント
2件
もしかしたらヒロムは孤独だったのかな...そんな人が話しかけられたらきっと心に響くんでしょうね