10タップじゃないアホ美ちゃん

奈穂美ちゃん

アホ美からのメッセに心が躍る

アホ美と言う強い味方ができたことが本当に嬉しかった

しばらく一緒に行けなくなると言う言葉が気になったが

アホ美のことは信じられる

友美の心は嬉しい気持ちでいっぱいになっていた

翌日

日を追う毎にエスカレートしていた黒板の落書き

そこに第三者の名前まで書き込まれるようになり

友美は全身を震わせながらも必死にスマホを取り出した

本当は余裕なんて全然なかった

怖くて怖くてたまらない気持ちをなんとか抑え

震える手で必死に落書きを撮影した

友美の行動に幸枝は怒り

その後、教室に現れたアホ美も落書きを撮影

怒る幸枝達に取り押さえられアホ美の画像は消されてしまった

そして幸枝の命令に従い画像と黒板の落書きを消した友美

その様子をじっと見つめるアホ美の視線が怖くて

目を合わせることができなくなってしまった

ホームルーム終了直後

友美はトイレに駆け込みチョークの着いた手を洗い流す

鏡に映るのは涙に濡れる酷い顔

幸枝に対する恐怖があったとは言え

アホ美を裏切るようなことをしてしまった

強い絶望感に襲われる

ホームルームの後

授業が始まるまでの十分と授業の合間の十分間

友美はずっとトイレに逃げていたのだが

四時間目の授業開始直後

机の中に入れられたメモの存在に気づいた

言われた通り校舎裏に向かうと

昨日と同じ優しいアホ美の眼差しに涙が溢れる

アホ美は友美がしてしまったことを咎めることはなく

友美のことを優しく抱き締めた

涙ながらに幸枝に従った悔しさをにじませる友美に

アホ美はスマホの画面を見せる

そこには消されたはずの写真が表示されていた