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黒島刑事

また殺人事件か

上野刑事

黒島刑事!

黒島刑事

なんだ

上野刑事

…またもや、水仙中学生徒です

黒島刑事

なに?

上野刑事

被害者の名は波田 康二。
犯人は、これまでの事件の犯人と同一人物とみて間違いありません

黒島刑事

一刻も早く阻止しなければ、犠牲は増える一方だぞ

上野刑事

ええ。早く見つけ出しましょう

上野刑事

あ、あと

黒島刑事

ん?

上野刑事

玄関前で、被害者とは別の血痕がついています

黒島刑事

なんだと?

黒島刑事

犯人のものか?

上野刑事

分かりません

上野刑事

それよりも

上野刑事

彼が死ぬ直前まで、メールでやり取りをしていた人物がいまして

上野刑事

おそらく、同級生の健人という人物です

黒島刑事

なんのメールだ?

上野刑事

「俺が今からお前の家に迎えに行く。その後は水仙公園で蓮斗たちと合流する」
だそうです

上野刑事

憶測ですが、彼が玄関前で犯人と鉢合わせにして、巻き添えになった可能性があります

黒島刑事

ああ。だが、重要なのは

黒島刑事

今、その公園に手がかりがあるかもしれないということだ。

上野刑事

公園、ですか

黒島刑事

今すぐ向かうぞ

黒島刑事

蓮斗という人物も危険かもしれん

上野刑事

はい!

蓮斗

なんで……

蓮斗

まさか…お前が……

蓮斗

華澄が全部やったのか……!?

華澄

……

華澄

…無駄口を聞く必要は無い。

蓮斗

っ!!

華澄は、刺さっていた包丁を雄大から引き抜き、俺に向けた

華澄

これで、終わり

蓮斗

……っ

華澄は、俺に向かって突進した

蓮斗

……!?

どこにも痛みが走らない

目をやると、華澄は俺の腹部に包丁を突き立てたまま、踏みとどまっていた

華澄

……

華澄

…なんで、避けないの……

蓮斗

…!

蓮斗

…君こそ、なんで殺さないのさ……

華澄は、地面に崩れ落ちた

彼女は、黒いゴム手袋をつけ、いかにも殺人鬼の格好をしていた

華澄

他の奴らは…皆、私に命乞いをした…

華澄

でもあなたは、ずっと、運命を否定しなかった……

華澄

なんでなの…?

華澄

あなたは、いじめっ子たちを憎むわけでもなく、私から逃げるわけでも無かった……

蓮斗

……え

しばらく頭の回転が追いつかなかったが、ようやく事態を把握した

蓮斗

美琴を殺したのは、俺だからだ……

蓮斗

俺に与えられる死は、その報いだった

蓮斗

それが、罪の償いになるのなら、俺は否定しない…

蓮斗

……

蓮斗

…殺すなら、殺してくれ

蓮斗

俺が、憎いんだろ?

蓮斗

親友を見殺しにした俺が…!

華澄

……

華澄

これは、全て美琴のための復讐劇だと思ってた……

蓮斗

え?

華澄

事の全てを話すよ

あの日、美琴が死んだあの日

美琴は、私の元に訪れた

華澄

え?美琴?

華澄

どうしたの?

華澄

しかもその痣!

美琴

はは……ごめんね、急に

美琴

どうしても、華澄に伝えておきたいことがあるの。あと、伝えて欲しいこと

華澄

え?あ、うん
とりあえず、上がりなよ

私は無理矢理、美琴を家にあがらせた

美琴

私ね、もう疲れちゃったんだ……

美琴

今までは、自分が死んだら、周りに迷惑がかかるって思ってた

美琴

いや、蓮斗に

美琴

でも、その心配の必要はなくなった

美琴

私はもう、楽になりたい

華澄

……そっか

華澄

どうしても、駄目なの?

美琴

馬鹿だよね‪w

美琴

自分でも分かってる

美琴

でも毎日が辛くて、

美琴

心の支えだった、蓮斗との関係も断ち切られた

美琴

私は、愛美たちが憎い

美琴

…もっと、蓮斗と仲良く居たかった。

美琴

私は、蓮斗が大好きだった

華澄

……

美琴

だけど

美琴

もう、手遅れなの

美琴

……だから

美琴

私は、もう2度と、同じ運命を辿る人がいて欲しくない……

美琴は、自身のスマホを差し出した

美琴

これが、私からのお願い

華澄

ごめん、助けてあげられなくて…

美琴

……

美琴

私は、華澄や蓮斗が、私の分まで生きてくれたら、それでいいから

美琴

そして最後

美琴

私がどうしても、蓮斗に伝えたいことがある

華澄

…なに?

私は、美琴から、蓮斗への伝言を受け取った

華澄

…どこに行く気なの?

美琴

水仙公園の近くの、廃墟ビル

美琴

そこで、独りになりたい。

美琴

ありがとう

美琴

華澄

華澄

私は、美琴が死ぬのを知っていながら、それを止めなかった

華澄

そのくせ、自分の代わりに蓮斗君に全てを任せて……

華澄

美琴は、救えなかった……。

華澄

だから、美琴を殺したのは、私なの

華澄は泣き崩れていた

俺もだった

華澄

それから私は

華澄

…殺戮を始めた

華澄

初めに伊織と愛美。その次に教師

華澄

そして、康二を殺して、鉢合わせした健人も殺して

華澄

死体を公園に放置した後、健人のメールで2人を公園に呼んだ。

華澄

それから、雄大を、殺した。

華澄

美琴の復讐だとか言って…

華澄

本当は、私の復讐だったのに…

蓮斗

華澄

だから、蓮斗くんまで殺したら、私は…

華澄

美琴まで裏切ったことになる。

華澄

美琴はこんな事、望んでいないのに……

蓮斗

……そうか

華澄

ごめん……

華澄

ごめんなさい、美琴。

華澄

ごめん……

華澄は、手のポケットから何かを取り出した

華澄

これ…

四葉のクローバーのストラップだった

華澄

美琴と仲良くなったきっかけなの

華澄

もう、私が持っていいものじゃない…

華澄は、俺の手に、このストラップを差し出した

華澄

これで、いいのよ

蓮斗

……華澄さん

蓮斗

これから、どうする気なんですか?

華澄

……

華澄

…警察は、もうすぐそこまで来てる

華澄

私は、償いきれないことをした

華澄

美琴にとっても、酷いことをした…

華澄

だから…見過ごして欲しい

蓮斗

…っ

蓮斗

何を……?

華澄

……

華澄

ごめん

華澄

もう、私に残されたことはない

華澄

わがままなのは分かってるけど…

華澄

こうするしかないの…!

蓮斗

っ!!

蓮斗

華澄っ!

華澄は、公園を出て、どこかへ走っていった

蓮斗

……まさか

そこには、美琴が自殺した、あの廃墟ビルが立っていた

蓮斗

待てっ!!

蓮斗

はぁ…、はぁ

蓮斗

行くな…

蓮斗

美琴は…こんなこと、望んでいないだろ…!!

華澄

……

蓮斗

なぁっ!?

華澄

お願い

華澄

……もう、放っといて。

華澄

…私はただ、もう一度美琴に会いたいだけ

華澄

会って、謝りたい

蓮斗

美琴は許すに決まってる!

蓮斗

だからっ!

華澄

華澄

ごめん、なさい

華澄は、フェンスを乗り越えた

蓮斗

やめろぉぉぉぉぉぉっ!!!

俺は走って、華澄の後を追う

精一杯、手を伸ばした

蓮斗

ああああああああっ!!!

華澄

確かに、華澄の手を掴んだ

蓮斗

っ!!

しかし、それは一瞬だった。

蓮斗

華澄っ!!!

華澄は、真っ逆さまに落ちていった

俺は頭が真っ白になった

蓮斗

……あ、あ…

また、何も救えなかったのだ

俺は、ずっと傍観者のままだった

蓮斗

うあああああああああああっ!!!

黒島刑事

動くなっ!!

蓮斗

っ!!

上野刑事

手を挙げろ!

黒島刑事

お前が殺したのか!?

蓮斗

……い、いや

黒島刑事

とにかくこいつを保護する!

黒島刑事

着いてきてもらうぞ

蓮斗

……はい

俺はありのままのことを話した

初めこそ、俺も疑われていたが

次第に証拠も掴め、俺の証言も認められた

黒島刑事

…いじめにこの騒動と

黒島刑事

ご苦労だったな

蓮斗

いえ…

黒島刑事

ひとまず事件は収まった

黒島刑事

あとはゆっくりと休んで、無事卒業に向かってくれ

蓮斗

……はい

俺は、無事高校に進学し、

中学を卒業した

蓮斗

……美琴

蓮斗

やっぱり、自分を許すことなんてできない

蓮斗

もう一度、君に逢いたい……

蓮斗

……

蓮斗

いや

蓮斗

もう決めたんだ

蓮斗

俺に出会ってくれて、ありがとう

蓮斗

美琴。

そして、俺は大学にへと進学し

今日、大学を卒業した。

俺は、俺が決めた道を往く

俺は、手にクローバーのストラップを握りしめて、

校門を出た。

クローバーの唄 ー完ー

彼岸花編に続く

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コメント

7

ユーザー

いじめの話は沢山見たことがあるのですが、話が分かりやすいのに展開が面白くて、凄く心に響きました。。。 続編、待機しておきます…!!

ユーザー
ユーザー

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