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第30話、読み終わりました。千尋が夏樹に寄り添いたい気持ちを自覚するところ、すごく繊細で胸に響きました。でもその直後に白い影が現れて「死ぬ」「増やさないで」と語りかける場面、一気に不気味な空気に変わってゾッとしました。最後のニュースで両親の死が伝えられるところ、もう言葉が出ませんでした…。千尋の心の揺れと、事件の重みが同時に押し寄せてくる、密度の濃い回でした。
千尋は胸の熱が落ち着くと
また階段に腰を掛けて
スマートフォンをつついた
その中に答えはあろうはずもなく
ただ虚妄的な思索にくれるしかなかった
千尋
なぜ彼のことばかり気にかけるのだろう
頭ではわかっている
「奴は変人だ」
「ちょっとだけ頭が切れて行動力が高いだけだ」
だが
なぜ寄り添おうとしているのだろうか
簡単なことだ
千尋
千尋は
気がつくと彼のことばかり考えている
その意志を自ら妨げるようなことはしなかった
つまり
夏樹を慕っているのだ
千尋
千尋
千尋
夏樹に寄り添いたい
傍にいてほしい
けれどその依存するような気持ちは
どこにも吐露できず
彼女の中で少しずつ肥大しながら渦巻いている
千尋
千尋
千尋
それでも
次夏樹に会った時は
「ありがとう」の一言を
言ってみたい
そう思いながら
千尋は深いため息をつき
はっと我にかえって
あたりを見回す
そのとき千尋の視界に妙なものが入り込み
表情がこわばる
視線は部屋の隅に
一直線に伸びていた
その先端にあったのは
先ほど見たのと同じ
白い影だった
うずくまっている影
それは千尋に背中を向けている
千尋はゆっくり立ち上がり
影に一歩ずつ近づいていく
千尋
ごく小さな声で
背中に語りかける
影は声に反応しようとしない
こうべを垂れて
白い光を発しているだけである
千尋
中型犬ほどの大きさの影に
千尋は問いかけた
何ごとに対しても
簡単に動じなくなった彼女は
その白い影の背中を
じっと見つめた
影
影
影
高い、しかし掠れた声は
少女のもののようにも
老婆のもののようにも思えた
千尋
影はゆっくり縦に伸びた
頭部と思しき場所から
伸び切った白髪の輪郭が見えた
影
影
影
闇に溶けてしまいそうな細い声で
影は喋っている
影が誰かはわからない
だが
千尋は数日前に死んだ
友達の顔を思い浮かべた
一瞬
千尋の体に異物が這ったような 感触があった
あるいは
血の流れが一瞬逆になったような感触
影
影
千尋
千尋
千尋
影
影
影
千尋
苦しげな声は
一層か細くなっていく
影
影
影
影
影
影
千尋
影
影
影
千尋
千尋
千尋
千尋
千尋は半ば影を宥めるように言った
すると影の首がぐるりと千尋の方を向く
千尋
しかしその顔立ちをしたためる間も無く
影は突然ふと消えてしまった
千尋
千尋の頭の中には
いくつかの手がかりが散らばっていた
しかしその影がもたらした「鍵」が
点と点を線で繋いだ
そんな気がした
アナウンサー
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#衝撃のラスト
山根利広
1,633
24
重田💋(omoda)
459
#タグ?それならついさっきサイモンと一緒にたべたよ?
白嵐
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