魔法使いから女勇者になりました

そう言うとアースは頭上を見る

そこにはマリンから私たちに迫る闇がある

そうして力いっぱい剣を握る

そして様子を見るために魔剣で闇に対抗する

カキン

その音が耳をくすぶる

相対せぬとも近い魔法を使ってマリンに攻撃を続ける

さっきからずっと攻撃を避け続けている私にマリンはカッとなる

私はぼうっとその光景を見ながら考える

私がもっと前に来ていれば何か変えられただろうか

私が魔法を自分のために隠したりなんてしなければもっと良くなっていただろうか

私が…私が━━━━

━━━━━━私に

ちゃんとした感情があれば

正義を崇められたら

どうなっていただろう？

私がそう言い、更に力を込めた瞬間だった

私たちは誰も予想だにしなかった光景を見た

それはたった一瞬だった

あたりが眩い光に囲まれ、思わず目を逸らす

視界が全て光に埋め尽くされ

どこにいるのかも分からなくなる

そう呟いたマリンは少し後ずさる

そう、考えは皆同じだった

そんなマリンを見ながらも私はふわりと浮く

私の背でバサリと音を立てた何かは

私を光に包み込む

そしてなりふり構わず感情的に闇を蔓延させ、この地と

私たちを染め上げ苦しませようとするマリンに

私は美しくまた儚そうな光を

されど膨大で強固なパワーと共に振りかざした