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36 - "I"の証明法《青桃》

♥

120

2023年02月14日

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sora

ぼーくらっこーいする♪

sora

なんじゅうねんなんびゃくねんでも〜♪

sora

ひーかーれーあーうんだよ〜♪

sora

まるで〜魔法のよにー♪

sora

....えっ、始まってる!?

sora

こんにちは!

sora

最近ハマってるのはノンファンタジー☆

sora

soraと申します!

sora

別に今回のお話に関係するわけではございません()

sora

バレンタインだね!!

sora

チョコちょうだい!!!

sora

....はいっ

sora

はよ始めましょか( ◜ω◝ )

sora

今回は〜、青桃!

sora

バレンタインだしね、推しペアでいこうぜ

sora

まぁ全ペア好きなんですけどね!!(By雑食)

sora

えーとですね

sora

ややこしいんだけどなんやかんや関係があるのよ

桃 水 紫 青 ↑ 同級生

水 紫 ↑ 双子

桃 黄 ↑ ↑ 弟 兄

桃達  赤  ↑  ↑ 先輩 後輩

sora

です!!分かりにくい!!!

sora

ややこしいけど頭の隅にでも置いといてくだせぇ

sora

めちゃ重要ってわけではない()

sora

それでは本編〜?

sora

(꜆ ˙-˙ )꜆メシアガレ☆

アテンションっ ٩( ᐛ )( ᐖ )۶

青桃

双子、兄弟、先輩後輩 関係あり (上記の通り)

ご本人様との関係は一切ございません 2次元作です

苦手な人は回れ右☆

他のメンバーも出てきます

「"I"の証明法」

はい、どうぞ

やったぁ!クッキー!!

おぉ...アイシングや...!

2人がクッキーを下から見たり上から見たり、近づけて匂いを嗅いでみたりする。

クッキーでこんなに喜んでくれるところが子供っぽくて可愛い。

チラッ(まろは....)

ほぇ〜っ、アイシングって凄いなぁ

ないこ、ありがとなっ

クッキーを大事そうに両手で包んで目を細める。

顔面がカンストしてんのよ...マジで!!

どういたしましてっ

ないこ、中3。男子中学生。

友達に恵まれて、勉強はそこそこだけど充実している。

あぁ〜、はよ食べたい!

そんな友達の1人に恋に落ちてしまった。

(「好き」なんて絶対言えねぇ!!)

元々ハイスペックで優等生でモッテモテの彼。

男の俺が隣に立つのはだいぶ難しい。

(せめて女の子なら......)

なんて夢も叶わない。

まぁ、「女の子っぽい」とは言われるけど。

ねぇっ!次は何作るの?

さぁ〜、なんだろ

今もらったのにもう次の話やんw

実は手作りお菓子配り常習犯の俺。(別に何かに引っかかってるわけじゃないけど)

なんでこんなに友達にお菓子を配っているかと言うと、少し秘密がある。

ガラッ

ただいま〜

どう?好評やった?

おかえり

「アイシング凄っ!」て言ってたよ

俺も食べたけど凄い美味しかった!

帰ってすぐさまスマホを触っていると、兄が高校から帰ってきた。

へぇ〜、アイシングって人気なんや!

手をパンっと合わして花が開いた様に笑うアニキ。

いや、ニヤッと笑うの方が正しいかもしれない。

...今更だけどさ

俺が作ってないのに作ったって事になってるの変じゃない?

ニヤッと笑っているに少しムッと来た俺は、話題を切り替えた。

最近の悩みの種をアニキにぶつける。

...ほんまに今更やな

少し深い息をはいて俺に言う。

そもそも原因はないこやん

う"っ....

投げた悩みの種を勢いを増して返ってきた。

そう言われれば何も言えない。

今更って...."今"悩んでんの!

そもそもの原因は中二の頃、バレンタインにアニキが作ったチョコを持って行ったときだ。

....やめときなよその髪の毛

同級生のイツメンと、1つ下の後輩りうらと喋る。

昼休みに廊下で立ち話をしていた。

かっこよくない?

やっぱり僕ら大人なんで?

多分水道水でいじったであろう気取った髪をつまんで言う2人。

一方はセンター分けみたいだけど濡らしすぎてペタッとなっていて、

もう一方は髪わしゃわしゃしたんだろうなぁと誰もが思う感じのぼさぼさ感。

いや...双子なだけあって仲良さそうでいいと思うんだけど....。

........ダサい

その一言に尽きる。

ってりうら!?

(しかもタメ...!!)

ぐはッ

ふごッ

りうら...w

2人はそういうのがしたいお年頃なんよ....許してあげてやw

いや...江戸時代の武士の方がまだマシじゃないですか?

言い過ぎよりうら

といっても水道水で髪をいじっている男子も複数居る。

というか座り方も立ち方もなんか違う。

喋り方とか無駄にかっこつけてみんなおかしくなっている。

バレンタインパワー....恐るべし

ないこはなんもやらんの?

やったところでダサがられるのは目に見えてるし...ね

チラッと初兎ちゃん達の方を見ると、慌てて髪を直し出した。

やっぱりまだ子供だなぁと思う。

ないこ先輩がイメチェンするなら〜...

りうらが俺に近づいてくる。

心做しか目がギラギラしてるような....。

クイッ

わっ!

ここ上げればかわいいと思います!

りうらが俺の前髪の3分の1くらいを上げる。

と、前髪を抑えたまままろの方にぐるんっと向きを変えた。

よくない?めっちゃ

りうらそういう時だけ敬語くずれるよな....

...可愛いと思うけど

っ!!?///ボワッ

かわッ...可愛い!?まろから「可愛い」貰っちゃったよ!!?

りうらのピン貸しましょうか?

ニヤニヤしながら聞いてくる。

こいつ...俺が好きな相手知ってんな絶対。

はぁぁ.....っ///

ピンは要らない!

それよりさ、みんなチョコ貰ったの?

話題をなんとか変えたくて皆に振る。

髪をいじっていたいむしょーとか、特に聞きたい。

そう簡単に貰えるわけないやろぉ....

貰ってるなら自慢してるよ僕...

意外なようなそうでも無いような....

2人とも顔整ってるのに、モテないんだなぁ。

まぁまだ昼休みだもんね

で?顔面国宝さんはどんだけ貰ってるんや?

「俺らはいいからそいつに聞け」と言わんばかりにじとーっとした目でまろを向く。

まぁ、あの顔の良さでハイスペックで優等生だもんな。

聞きたくなるよね。

なんやその聞き方.....w

いいから!僕ら言ったからいふくんも言ってよ!!

....8個

...

モテてんなぁ。

相手が好きな俺からしたら少し寂しいけど。

聞かんかったよかったぁぁ....

イケメンはいいよね!!

嘆く初兎ちゃんと半ギレのほとけっち。

気持ちは分からなくもないけど完全に八つ当たりだ。

ほらこうなるから言いたくなかったねん!!

イケメンはええよな!

ね!

うぁあ"ッ!!りうら!りうらも貰っとるやろどうせ!!

え"っ

まろがりうらをガシッと掴んで自分の前に持ってくる。

人質みたいになってて少し笑える。

....りうちゃんは裏切らないよね?

こっち側よな、?

先輩2人からじりじり詰め寄られるりうら。

なんか、可哀想になってきた。

(まぁりうらも貰ってるんだろうなぁ)

自分もモテるわけでは無いので、助け舟は出さないんだけど。

チョコの数、何個?

.....5個..です......

っ!?

っ!?

(やっぱり)

全力で目逸らししながら言うりうら。

と思うと、目線がこちらに助けを求めてた。

「パワハラされてるんですけど!!」

とでも言いたげな目に俺も目線で返す。

「自分の顔を恨みな」

と。

りうちゃん裏切ったぁっ.....!!

まろちゃんと2人揃って....

ちょっ、義理かもしれないじゃないですか!

義理!多分義理だから!!

いーや絶対嘘や!

どうせ「りうらくん好き♡」とか言われて渡されたんでしょ!

そんなキモイ渡され方されてませんって!

わーわーぎゃーぎゃー揉めていると、視線がこちらへ飛んできた。

.........

「なんとか収集つけて」と言う目線がまろから送られてくる。

確かにこのままじゃ他の人からの視線を浴びることになりそうだ。

目で訴えているまろが結構げんなりしてたので、今度は助け舟を出すことにする。

あっ、俺いいもの持ってきてるんだよなー

あからさまに棒読みだけど、一応反応してくれた。

ん、?なにあんの?

ふふっ、ちょっと待ってて!

自分の教室に一旦戻って、もう一度帰ってくる。

手に持っていた袋を背中に回した。

あっ!ないちゃん今隠した!!

なんだと思う〜?

なんやろ、、?

.....?

....あ、

皆んなの視線が俺の背中に集まる。

すると、りうらがひらめいたような声を出した。

クッキーの匂い!

りうら鋭い!正解っ!!

俺は背中にある袋をみんなの視界の中まで持っていって開く。

中には個包装された色んなクッキーが入っていた。

アニキがよく趣味でお菓子を作っているのを、「バレンタインやし持ってったら?」という提案の元持ってきた。

匂いがまだ香っていて美味しそうだ。

美味しそう、、、!

でもなんで?

ふふっ、ハッピーバレンタイン!

いむしょーに1個目のお菓子プレゼント!

袋から2つクッキーが入っている袋を取り出して、いむしょーに手渡す。

同時にもっと貰えますようにと願っておく。

ないちゃんっ....!

マイエンジェルっ!!

そう言いながら2人が同時に飛びついてくる。

急いで手にある袋を避けながら2人を支えた。

やっぱり双子だなぁと思う。

マイエンジェルは言い過ぎでしょw

本当のエンジェルから貰えないよ〜

そう言いながらぐいぐいと2人を押して離れるように促す。

ふと横を見ると、まろとりうらがお互いといむしょーと俺を順番に見て少しムスッとしていた。

多分クッキーが欲しいんだろうなぁ。

沢山貰ってるのにクッキーは欲しいところが少し可愛い。

んふっ....w

2人にもちゃんとあげるよ!

やったーっ!

ぴょこぴょ跳ねて喜ぶりうら。

後輩なだけあって可愛い。というかあざとい。

そこら辺がモテてんのかな...。

(ちゃんと計算されてそう...w)

袋をまろとりうらに渡すと、大事そうに受け取ってくれた。

ないこ先輩、あざすっ

ありがとな、ないこ

バレンタインチョコ5個以上貰ってる2人だけあって、受け取り方が丁寧だ。

というか受け取った時の顔が推せる。

目を細めても顔面偏差値が倍になるだけなんだよ!なんで!!!

あっ、言い忘れてたけどこれは俺の兄が作っt

なぁこれ今食べてええかなっ!

えぇ?帰った時に取っとこうよ

クッキー....んへへっ

形綺麗やなぁ...

ねっ、ねぇ!これ、本当は俺のアニキが....

今俺が食べて家帰っていむくんの分けたら完璧やん...!

計算おかしいでしょ!

....このクッキーさ、アニキが作ったやつ......

あっ、りうら手伝いあるんだった!

あ、俺も呼ばれてたっけ

.......

だめだ伝わらない。

どうしよう...絶対みんな俺が作ったと思ってるよね?

ごめん、俺用事あるから行ってくるわ!

クッキーは家で食べます!じゃ!

...あ、5時間目に提出する宿題忘れてる、!!

まじで?

俺の移したらええからノート持ってき〜

しょーさんマジ神!

ないちゃんクッキーありがとな!

食べた感想は明日言うね!

タッタッタッタッ

....

なんでみんなこういう時だけ多忙なの!?

...まぁ、今弁解しなくてもいっか。

んで他の人にも配って誤解のまま広がってあれから1年でそのまま配ってたから俺イコールお菓子というイメージがぁぁ....

ないこが早めに誤解とかんからやん、、

だってアニキがさぁ

「ないこ顔どっちかというと可愛いしお菓子作りとかやってたら絶対モテる」

「というか女の子っぽくなりたいとか言ってたしそのままでもよくない?俺は全然ええけど」

って言うんじゃん!!

ないこがその発言を受け入れたからこうなっとんねん!

嫌なら受け入れんかったよかったやん?

痛いほどに正論だ。

せめて俺の嘆きを肯定して欲しかった。

...俺にも心情の変化ぐらいあるんだよ

あ、もしかして好きな人できたん?

ニヤニヤしながら聞いてくる。

妙にあの赤髪の後輩と重なった。

...恋の匂いを嗅ぎつけるのが上手なようで。

...ずっっと前から好きな人が居る

そうなん!?

どうやら中一の時点では気づいていなかったようだ。

まぁ、あの頃は隣に居るだけで満足だったしなんの変わりもなかったから気づかないのも当たり前だけど。

アニキに暴露してしまった以上、いっそのこと相談してみようと思う。

......ねぇアニキ

ん、?

カバンを起きながらアニキが応える。

実っちゃいけない恋って....ある?

きっとこの質問に答えは無いんだろうけど、誰かに聞きたかった。

自分じゃ分からないから。

俺はまろのことが好きで、想いを伝えれたらいいなと思ってるし願ってる。

けど、男と男だし。

本人と周りからどう見られるかが1番怖い。

「実っちゃいけない恋」....?

....ないこは恋しとんやろ?

うん

相手のことがほんとに好きなん?

うん

...じゃあなんで自分で止めるん?

俺が疑問の言葉を口にする前にアニキが続ける。

ないこが誰に恋したってええやん

それが「ないこ」やろ!

アニキ.......っ

「恋をしてる俺が俺」

なんだか恋している気持ちを認められたような気がした。

アニキが真っ直ぐこっちを見てくるのが、余計に涙を誘った。

よかった....俺っ、だめだとおもったから....グスッ

...

急に泣き出した俺をびっくりして見つめる。

が、突然こちらへと歩き出した。

はぁぁ.....

兄になんちゅうこと言わせんねん!恥ずいやろっ!!

アニキが俺の頭をくしゃくしゃする。

その目が優しく笑っていて、少しほっとした。

へへへ....ありがとうアニキ

どういたしまして

俺カバン片付けてくるな〜

うんっ

「ないこが誰に恋したってええやん」

「それが「ないこ」やろ!」

...

俺の頭に1つの疑問が浮かぶ。

「恋をしている俺」が俺なら「お菓子を配っている俺」は俺じゃない気がした。

あれは俺が作ったものじゃないし、アニキの得意分野だ。

でも、俺=お菓子になりつつあるということは俺の得意分野になっている。

俺の...アイデンティティって.....((ボソッ))

もしかして、"無い"?

ふぉぉ......ッッッ

休み時間、机につっぷしてため息をつく。

恋の悩みは解決したのに新たな悩みが!!

どうしたんよないちゃんw

顔を上げると、困ったようにふんわり笑っている初兎ちゃん。

昨日、去年のバレンタインを思い出していたからか、大人になったなぁと謎目線で思う。

...初兎ちゃんって顔かっこいいよね

......急になんや、?

一瞬固まって俺を見る。

いや、成長したなぁと

なんやwそんなこと?w

「そんなこと」って言っても俺はモテないんだよ!!

お菓子配り始めてから俺は「かっこいい」というより「可愛い」で通ってるんです!!!

みんなモテてんのに...

ないちゃんは男子にモテとるやんか

モテ....?いや、お菓子狙ってるだけでしょ

え?

え?

お互いはてなの顔になる。

え...違うの?お菓子狙ってるだけじゃないの?

なんとなく背筋がゾワッとしたとき、初兎ちゃんの後ろからほとけっちが出てきた。

みんながないちゃんを囲むのはお菓子もそうだけど、顔も可愛いからだよ?

ひゅぇっ....

喉の奥で息が詰まる。

叫びそうなところをなんとか飲み込む。

可愛いから囲んでるって...どういうこと?

ただお菓子を狙っているちょっと子供っぽいクラスメイト程度に思っていたのに。

流石に自分のアイデンティティの話は頭からすっとんだ。

いや...ちょっとまって?

流石にそんなこと.....

あるで?

というかないちゃん知らんかったん?

みんな目がらんらんやけど

うそだぁぁ....

知りたくなかった。切実に。

これからどう接しろと!?

窓に写る自分の顔を見てみる。

...俺ってそんなに顔良い?

同じ兄弟でもアニキの方が断然いいよ?かっこいいんよ??

※ないこさんは自分過小評価常習犯です

狙うならもっとイケメン狙えよクラスメイトぉぉ....。

見てる分には面白いよねw

特に遠くから見てイライラしてるいふくんとk....

やんね!ないちゃん取り返そうとうずうずしてるまろちゃんとk....

あっ、まろ!

よぉないこ

にこっと笑っていむしょーの後ろから現れるまろ。

まろから狙われてるんなら喜べるんだけどなぁとか考えていると、

ガシィッ

スッ....

オワタ....

んはは、随分楽しそうやな

まろがいむしょーの首根っこを掴む。

顔が黒い。オーラが出てる。

あ、こいつら借りてええか?

えっ?全然良いけど....

ないちゃん!?

あぁ、、殺される....

じゃ、また後でな〜

うん!

まろと話せてうきうきな俺とは裏腹に、いむしょーは死んだ目をして出ていった。

なにかそんなに嫌なことがあるのかな。

まぁがんば。

ないこないこ〜

っ!ビクッ

なぁっ、今日は菓子あるか?

えっと...あ、あるよ!

よくお菓子をねだってくるクラスメイト3人がやってきた。

さっきいむしょーから話を聞いたばっかりなので、変な反応をしてしまう。

(目がらんらん...らんらんか....?)

「らんらん」がよくわからないが、初兎ちゃんが言うならそうなのだろう。

袋から個包装されたお菓子を3つ取り出して相手に渡す前に聞く。

あっ、スコーンなんだけど、アレルギー大丈夫?

全然大丈夫!俺らアレルギー無いから!

ずっと聞いてくれるの優しいよな〜w

ありがと!

3人が机に置かれた袋を次々と取っていく。

俺は3人目の取ろうとした手を止めた。

あ、ごめん!これちょっとくずれてるから交換していい?

え?あぁ...これくらい全然いいんだけど、交換してくれるなら...

俺はすぐにもうひとつ取り出して相手に手渡した。

はい、どうぞ

ありがとう...!!

、?

渡す時に少し手が触れる。

相手は手を動かしているのになかなか袋を取ってくれない。

えっ...と.....?

少し気味が悪くて袋を半ば押し付けて手を離す。

あっ、ごめんごめんw

ガシッ

すると、離した手をいきなり握ってきた。

いきなりすぎて声が出てしまう。

ひっ!?((ボソッ))

後で食べるわ!ありがとう!

ど、どういたしまして....

....

さっき握られた手をもう片方の手で握る。

毎日あって挨拶もして、お菓子だって普通に渡していたのに

はぁ....

狙われているって、こういうことなのかな...?

(今日の昼休み、気味悪かったなぁ)

(急に手握るのは流石に怖い...)

靴箱でぼーっとしていると、後ろから声をかけられる。

あっ!ないこ先輩っ!

りうら...

2年の靴箱からこちらへ駆け寄ってくるりうら。

昼休みのことを思い出していたので、少しほっとする。

やっぱりうらが1番落ち着くよね

うん.....?

ないこ先輩帰らないんですか?

よかったら帰りません?

ほんと?助かる!

1人で帰るのは気味悪いなぁと思っていたところなので、ありがたい。

助かる...?

う〜ん.....まぁ帰りましょ!

帰ろ〜

ねぇ〜、本命って渡す?

えー!どうしよう?

渡しちゃえばいいのに!

放課後に遊んでいる小学生達の声が響く。

そういえば、もうすぐバレンタインですね

2人でとぼとぼ歩いていると、りうらが話をふってきた。

あ〜、確かに

りうらは沢山貰うんでしょ?

...どうでしょう

多分去年に先輩2人(いむしょー)に詰め寄られたことを思い出しているのだろう。

下を向いて苦笑いをしている。

俺は詰め寄らないよ?w

ないこ先輩は渡す側ですもんねw

...うん、渡す側だし

今年のバレンタインも誤解のまま渡すのかと思うと、少し気が沈む。

俺もモテたいんだけどなぁ。

そういえば、告白とかされないの?

え?そりゃチョコの半分くらいが告白ですけど...

さらっと言えるところが怖い。

全部OKなわけないでしょ?どうやって断るのとか、気になる

ははは、今そのテンプレ作ってるんですよ

今度は目が笑っていない。

テンプレ...テンプレかぁ....。

俺の住む世界とは違うんだな、絶対。

これ以上は企業秘密です♡

口に人差し指を当ててウィンクするりうら。

このあざとさにはいろんな努力が詰まっていることがよくわかった。

うん、こちらもこれ以上は聞かないでおくよ...

ないこ先輩は告らないの?

...本命の人、居ましたよね

う"ッ....

「よね」と言われると誤魔化せない。

いっそのこと隠したい気持ちは捨てようと思う。

勇気なんて無いよぉぉ....

...ヘタレですよね

やめて!?

「ヘタレ」という言葉がグサッと鈍い音を立てて心に刺さる。

だって男同士なんだもん!!と言い訳しておくが、ヘタレなのは事実だ。

バレンタインなんてすっごいチャンスじゃないですか!

ないこ先輩の場合「余った」とでも言って渡したらいいじゃん

...それ普段通りよ

あ.....

この運命を恨みたい!!!

真正面から渡すのが1番いいんだけど......

俺にそんな勇気は無いと.....

はぁ...

はぁ...

2人のため息が重なる。

本命チョコが難しいことを更に自覚した放課後だった。

てれてってって♪てれてってって♪

てれてってってってっ♪ててててて⤵

ごめん今のテンションどこ?

ないこが元気無いからやん

逆に乗りにくいよ....

まぁまぁ、はよ作ろうや

「ドーナツ」!

作れるかなぁ....

今日はバレンタイン前日。

女の子同士が友チョコをわいわいと渡し合っているのを横目で見ていた。

当日には本命に渡すから1日前にわいわいしてるのかな〜とか考えてたけど、

自分も他人事では無いことをアニキのテンションから気付かされる。

ないこ不器用やからなぁ

...まぁ俺居るしいけるやろ

自分に自信があるっていいよね

そう、実はこのないこ料理は"めっぽう無理"なのだ。

不器用すぎて裁縫とか料理とかは出来ない。

絡まりすぎた糸と黒焦げの何かを生み出すことはできても、常識的な家庭科はできないのである。

それにドーナツってあれやろ?

意味が貴方のことがだいすk

作ろう!!!!

ぜぇっはぁっ.....

料理でこんな疲れる人初めて見たで?

まじで....油怖ぇ....

ドーナツはレベル高かったか.....

でも一応ラッピングまで終わったんだよね。

味見した時は美味しかったし。

でも問題は渡すのなんだよなぁぁぁ...

気合いや!!

...まぁ、練習あるのみだよね

.....

ちらっとアニキの方を向く。

アニキの顔が何かを察したようにひくっと引きつった。

....俺お菓子作らな

練習、付き合ってくれるよね

ドーナツ作れたんだもん

渡すまで、付き合ってくれるよね?

......

アニキの目が宙をさまよう。

「Yes」と答えても「Now」と答えても、連れていくんだけどね。

ふふ、よろしくねアニキ

スッ....

ないこ先輩!べりーぐっど!

ほ、ほんとに大丈夫だよね、?

可愛いさ増えたよまじで

...りうらがそう言うならいいか

ただいま午後7時。

俺の前髪の一部がいつもと違う。

なんとりうらに髪をセットしてもらった。

アニキが頼んだらしい。告白することを言いふらしてる自覚はないっぽいが。

まぁりうらにしか言ってないしいっか。

去年りうらが試しで上げた時先輩(青)も可愛いって言ってたし、、

絶対成功します!!

そ、そう?

なんかりうらに言われると自信出るなぁ...w

ちょっと自分が変わったことで、アイデンティティが増えた気がした。

....?

......!

...........はぁ

ないちゃんソワソワしすぎw

もしかしてチョコ狙ってる〜っ?

髪型キマっとるし一理ある

朝のガヤガヤしたクラス。

忘れかけてたアイデンティティのことと、

気味悪いクラスメイトのことと、

まろのこととで頭がパンクしそうになっていると

いむしょーが声をかけてきた。

去年のバレンタインと違って変なことはしていないが、身なりがぴしっとしている気がする。

やっぱりバレンタインを意識しているのかな?

チョコは狙ってないよw

あ、お菓子いる?

もちろん!

今年も最初はないちゃんやなw

はい、どーぞ!

これは俺が作ったやつでは無い。

アニキに「ドーナツ教えたから!今年も持ってって!!」と頼み込まれた。

正直まろだけに渡すつもりだったんだけど、

アニキが作ったのはクッキーだしいっかという理由で持ってきた。

トンッ

わっ!

おっと

あ、俺らも欲しい!

クッキーだ〜

ないこの周りいっつもお菓子のいい匂いしてるよなw

うぇっ?そ、そうかな?

例の3人組がいむしょーに割り込むように入ってきた。

...やっぱりまだ怖い。

一人一つね、どうぞ

やった〜!

ありがとう、ないこ!!

早く食べてぇ〜っ

机に並べた個包装されたクッキーを取っていく。

ちょっと体が屈まれて、いむしょーの顔が見えた。

割り込まれたことが頭にきているようだ。顔が死んでる。

ちょ、割り込まないでよ!

ほんま!喋っとったのn

ないこ、じゃあな!

とんっと肩をつつかれた。

なんかこの前からスキンシップ多めじゃないか?

う、うん

またね....!

3人組が遠くに去っていったのを確認して初兎ちゃんが言う。

...ないちゃんこれでも狙われてないって思っとん?

.....自覚しました

気をつけなよ、ないちゃん可愛いし弱いんだから!!

俺強いと思うんだけどなぁ...

前腕相撲ぼろ負けやったけどな?

まっ、まろ!?

急に後ろから手を回された。

なんかホールドされている。

腕相撲は...腕じゃん.....?

なんか迷言言うとる

ないちゃんは弱いけどお菓子作れるじゃん!

あぁ...おかし......確かに

ほとけっちの言葉でひとつの悩みを思い出す。

「アイデンティティ」のこと。

お菓子作りはアニキのアイデンティティだ。

俺のアイデンティティは見つかってない。

作ったドーナツは、アイデンティティになるかな?

まろには伝わるかな...。

.....

っし....「俺と付き合ってください」「俺と付き合ってください」.....((ボソボソ))

無理!!!!

カーッカーッ

カラスが励ましなのか逆なのか、よく分からない声をくれた。

カラスに励まされたとしても変わんないんだよ!!!

(まろ部活遅いし!こんなドキドキの時間続くの地獄なんですけど!!)

あ〜っ、もう家帰ってからまろん家突撃するとか.....っ

....なにしとんの?

ッッッ!?!?

声にならない声が出る。

急に後ろからまろが視界に入ってきた。

カバンを肩にかけて不思議そうに俺を見ている。

気づかなかった...!!

あッ、ぇ....っと...

誰か待っとんの?

う...〜っ......

(おれとつきあってくださいっ、オレトツキアッテクダサイ....っ?)

さっきまで練習しまくっていた言葉が音だけになる。

言葉がぐるぐる回りすぎて意味がわからなくなってきた。

頭の中が真っ白に等しい状態にさらにパニックになる。

な、ないこ...?

こっ、これ!余ったから!!!

まろにあげるッ!!

じゃあね!!俺帰るから!

ごめんアニキとりうら!告れねぇ!!

えっ...?.....??

校門で棒立ちになっているまろを視界の端に見ながら突っ走る。

凄いくやしいけど、もっと落ち着いた状態で告るなら告りたい。

やってしまったぁぁ....((ボソッ))

いろんな人を振り回した俺のバレンタインは、失敗で終わってしまった。

はぁ、、、

部屋にひとつ、深いため息が落ちる。

これ、食べてええんかな、?

ないこが俺に押し付けるようにして渡してきた袋。

多分お菓子だと思うけど...

...なんで俺だけあまり?

いむしょーは貰っとたよな?

しかもいろんなひとに配ってたよな?

....

とりあえず開けよ

カサッ...

ないこにしては珍しく中身が見えない袋の中からいい匂いが広がる。

中には、ピンクのドーナツが2つ入っていた。

美味そ....

ん、?ドーナツ?

ないこが今日持ってきていたのは確かクッキーだ。

ドーナツは誰にも渡してなかった気がする。

そのときふと、今日ちらっと聞いた言葉を思い出す。

バレンタインのプレゼントには意味がある.....やっけ

同じクラスの女子が言ってた。

いままで気にしたことなかったけど、なんとなく調べてみたくなったのでスマホを手に取る。

バレンタイン...ドーナツ...っと

...

...

スマホをスクロールしてみる。

サイトの文には...

......っ!?///

「あなたの事が大好き」

だいすッ...へっ?まじで.....っ?//

ないこが?俺に?

もう一度袋をまじまじと見てみる。

そこにはちゃんと「まろへ」とないこの字で書かれていた。

俺や....余りなんかやない.....

しばらく袋とにらめっこをした後、呟く。

さっきのため息とはまた違う響き方で。

ホワイトデー...なにしよ.....//((ボソッ))

sora

うぇい☆

sora

あッッッまいね!!

sora

もう甘い...胃もたれ.....(は?)

sora

ホワイトデーに続くんですわこれが

sora

お楽しみに〜

sora

そういえばみんなチョコ貰ってるのかなぁ

sora

渡せた?貰えた?

sora

僕はタケノコなんで自分で作って自分で食います(寂しすぎん?)

sora

日本ってバレンタインにさ、

sora

「女子から男子に渡す」みたいなイメージあるよね

sora

でも男子から女子に渡してもいいし!

sora

女子が女子に渡してもいいし!

sora

男子が男子に渡してもいいんだよ!!!

sora

ハッ...!タケノコがタケノコに渡してもいいのか...!

sora

...ちょっと竹林行ってきます

sora

それでは〜

(っ'ヮ'c)<バァァァァァァイィィィィィィバァァァァァァイ

709タップお疲れ様でした!ᐠ( ᐛ )ᐟ (意外と長かった!!)

iris 読み切り集☆

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時差コメ失礼します! 自分のアイデンティティか、なんか難しいね☆自分はきづいてなくても、人から見ると才能って分かりやすいらしいよ!(?) 「実っちゃいけない恋なんて無い」名言だなぁ、やっぱり名言集作る? soraくんのお話はいつも心が軽くなるんだよねぇ!ありがとう! あ、私はあげる側で、昨日チョコ交換の旅に出てたし、男子たちに、「チョコ欲しい?ねぇ、欲しいの?」っておちょくって遊んでた!(?)

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