TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

じいちゃんのタイムマシーン

一覧ページ

「じいちゃんのタイムマシーン」のメインビジュアル

じいちゃんのタイムマシーン

22 - 第二十二話:久しぶりの病院

♥

48

2022年05月14日

シェアするシェアする
報告する

眠れなかった

頭の中をぐるぐると回る

母ちゃんの泣いていた顔

あんな悲しそうな顔

見ていられなかった

いったい何があったのか

聞く間もなく帰ってきてしまった

父ちゃんとどうやって出会うのかはわからないけど

二人は幸せそうだったっておばあちゃんが言ってた

おばあちゃん

明日夢ちゃんがお腹にいる時にね

おばあちゃん

いつも嬉しそうに笑って

明日夢

そうなの?

おばあちゃん

早く会いたいって話しかけてたのよ

明日夢

そうなんだ……

でも

母ちゃんにそれを証明することはできないし

母ちゃんの不安を取り除くこともできない

丈太郎

今日も行くのか

明日夢

うん……

明日夢

父ちゃんも……

丈太郎

俺はいい……

明日夢

わかった……

電車に乗るのは久しぶりだった

"こっちの母ちゃん"に会いに行くのは久しぶりだ

母ちゃんのところに行く日はなぜかいつも曇っていて

今日も空はどんよりとした雲に覆われていた

最寄りの駅から歩いて十五分

最近ずっと過去に飛んでいたから

ここに来るのは本当に久しぶりだった

沼田さん

明日夢君

明日夢

沼田さん

明日夢

こんにちは!

沼田さん

何かあったの?

明日夢

え?

沼田さん

最近、来ないから心配してたのよ

明日夢

ちょっと忙しくて……

沼田さん

そっか……

沼田さん

もう高校生だもんね

明日夢

しばらく来れてなかったから

明日夢

今日は絶対に来たくて

明日夢

また曇りですけど……

沼田さん

確かに……

沼田さん

なんだか雨が降りそうな天気よね……

沼田さん

でもお母さん喜ぶわ

明日夢

はい

明日夢

ありがとうございます

俺は母ちゃんが大好きだ

だからよくここに来ていた

でも最近は過去にばっかり行っていたから

久しぶりでちょっと照れくさいかも

明日夢

母ちゃん久しぶり

明日夢

最近、来れなくてごめんね

明日夢

タイムマシーンの話、覚えてる?

明日夢

俺、過去に飛んだんだ

明日夢

嘘みたいだけどさ……

明日夢

昔の母ちゃんに会ったんだよ

明日夢

それでね……

どれくらい話しただろうか

あっという間に時間が過ぎ

帰る時間になってしまった

明日夢

まだ帰りたくないな……

涙が溢れる

明日夢

母ちゃんごめんね……

明日夢

母ちゃん泣いてたからさ……

明日夢

俺も泣きそうになって……

明日夢

何も言えなかった……

明日夢

今からでも間に合うかな?

明日夢

母ちゃん笑ってくれるかな?

母ちゃんに会いに行こう

会いに行ってちゃんと伝えたい

証明できるものは何もないけど

それでも俺は

母ちゃんの息子だって

父ちゃんと出会って

必ず幸せになれるんだって

明日夢

もしもし

明日夢

じいちゃん?

じいちゃん

どうした?

じいちゃん

今日は"こっちの母ちゃん"のとこ行ってるんじゃないのか?

明日夢

今、帰りなんだけど

明日夢

今から"あっち"に行けないかな?

じいちゃん

今から?

じいちゃん

遅くなったら父ちゃん心配するぞ?

明日夢

でも……

明日夢

どうしても会って伝えたいことがあるんだ

じいちゃん

そうか……

じいちゃん

わかった

じいちゃん

待ってるから直ぐに来い!

明日夢

もう駅だから十分で着くよ

改札を抜けて走った

気がつくと空は晴れていた

歩いて十五分の道のりを駆け抜ける

もうすぐだ

もうすぐで母ちゃんに会える

早く会いたい

明日夢

おじゃましまーす!

階段をかけ下りて扉を開ける

明日夢

じいちゃんおまたせ!

じいちゃん

早かったな!

じいちゃん

準備できてるぞ

明日夢

ありがとう!

じいちゃん

ほれ、リモコン!

いつものようにリモコンを装着してヘルメットをかぶり

じいちゃん

じゃあいくぞ?

明日夢

はい!

じいちゃん

ポチっとな!

ギュィィィィィィン!!

二十四年前に飛んだ

じいちゃんのタイムマシーン

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚