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続き見たいです!
1台の高級車は夜の明けきっていない薄暗い道を進む
真っ直ぐ、真っ直ぐ
その先にあるのは暗く冷たい闇ばかり
全てに蹴りをつけようとした少女は車の中でなにも気づかず眠っていた
そしてその彼女を愛おしそうな眼差しで見つめる1人の男
少女の敵は初めから鳳来ではなくこの男だった
謎の男が立ち去り倉庫には俺たちだけになった。
でも誰も何も言わない。 ただ1人佐伯先生が泣いているだけ
そんな俺たちでもわかるのは莉子が俺達が目を離した隙に何者かにさらわれて、先生はそこ人物を知っているということ
まさかこんなことになるなんて思ってもなかった鳳来の奴らも放心状態で
ただ1人だけ瞳が不安げに揺れていた
翔
優月
ひより
翔
優月
そう言ってるが相変わらず瞳は揺れていて、周りのみんなもその様子に気づいたようだった
春樹
優月
ひより
ひより
ひより
ひより
ひより
優月
河村優月は佐伯先生が怒鳴ったことにビビってしても口角を無理やりあげて反抗する
ひより
優月
健さん
健さん
優月
春樹
さすがにここで味方はしないらしい鳳来の総長は圧をかけるように名前を呼ぶ
それに耐えられなくなった河村優月は泣き出してせつめいしだした
優月
優月
『明日の交戦で成海莉子を1人になるように誘導してくれないか』
優月
優月
春樹
優月
優月
健さん
それを遮るように低く怒りの混ざったような感情を込める健さん
優月
健さん
健さん
健さん
健さん
健さん
健さんの言葉に悔しそうに唇をかんでしたを向く
雅人
蓮
蓮
ひより
ひより
1人の少女とその少女のにぎる真実をかけた戦いは一次休戦となった
そして何も知らない少女はまだ眠り続けている
目を覚ましてしまえば嫌でも気づくだろう
その静けさ、冷たさに
過去から逃げていては何も変わらない
しっかりと向き合わなければずっとその過去を背負い続けることになる
過去の傷
それに向き合う勇気
そして立ち向かう強さを……
私はどれくらい寝てしまったのだろうか
気がつくと真っ暗な所にいた
莉子
莉子
誰の返事もなくただただ冷たいなにかが私を覆う
この感覚は
そう。懐かしい私を縛る嫌いな部屋
やっとの思いでひより立ちに助け出してもらってもう来ることは無いと思っていたところ
戻ってきてしまったのか
何も変わってないけど違和感がある
…あ
莉子
窓があったはずのところはただの壁になっていて
とうとう太陽の光1つ差し込まない所になってしまった
とりあえずベットから起き部屋を見渡そうとした
ジャラ
莉子
さっきまで気づかなかったこの足の締めつけは…
莉子
暗くて見えないが触ればわかる
これは足枷だ…
私はとうとうこの部屋だけでの自由も奪われてしまった
キィ
?
?
莉子
成海昴。 私が引き取られたおじさん達の息子で今は20歳前後だった気がする
でも私がひよりちゃんのとこに行く直前に留学してたはずなのに
昴
昴
昴
莉子
昴
昴
昴
昴
そう。私がおじさん達に酷い扱いをされていても昴くんは私から離れなかった
だから最初は昴くんを本当のお兄ちゃんだとおもっていた
あの時までは
全ての始まり
あの日もおじさん達と色々あって自分の部屋に鍵をかけて泣いていた
莉子
コンコン
莉子
昴
昴
莉子
部屋の鍵を開けて扉を開けるといつもと同じ優しい表情の昴くんがいて部屋に通す
昴
莉子
昴
昴
そう言いながら私より大きな手で頭を撫でてくれる
でもこの少し前から昴くんからの視線が少し気持ち悪いと思ってしまうことがあった
でもそんなのは気のせい。そう言い聞かせて過ごしていた
莉子
莉子
昴
昴
莉子
莉子
昴
昴
莉子
昴
昴
莉子
昴
昴
莉子
そう。あの時感じていたのは気のせいではなかった
私は昴くんをお兄ちゃんだと思っていたけどそう思っていたのは私だけだったと思い知らされる
昴
昴
昴
そう言いながら私に1歩1歩近づく昴くんの目は私の知っているのではなくなっていた
莉子
莉子
昴
昴
そう。これが私と昴くんの人生が狂ってしまった最初の出来事だった