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亮
亮は夕暮れに染まる坂道をため息をつきながら早足でのぼっていた
ロッカーに白衣を忘れてしまったのだ
警備員さんに教室の鍵を借りた亮はグランドを横切りながら校舎を見上げて、ふと足を止めた
自分が向かおうとしている教室の窓に人影がうつったような気がしたのだ
亮
亮
教室の鍵を開けた亮の目に真っ先に飛び込んできたのは
今日学校を休んでた、クラスメイトの環だった
亮
亮
亮
環
環は照れ笑いを浮かべて頭をかいた
環
亮
環
亮
亮
環
環
亮
環
亮
もうすっかり夜の色に染まった窓をバックにしながら環はゆっくり語り出した
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環が女の子に会ったのは昨日のこと
亮と同じく夕暮れどきに忘れ物を取りにきた時
教室の窓から上半身を乗り出してる女の子を見つけた
環
髪が長いから女の子らしいということはわかるが誰なのかは分からない
教室まで来た環は急に怖くなってきた
環
だけど、忘れ物を持って帰らなければいけない
環は大きく深呼吸して一気にドアを開けた
窓際に立っていた女の子がこちらを振り返る
女の子にはちゃんと足がついていた
環
暗くてよく見えないが少なくともクラスの女子ではなさそうだ
環
環
環
女の子
女の子は泣きそうな声で言った
環
この時間になると校舎の中、出入り口は裏口を残して全てかぎがかかる
女の子は転校して来たばっかりでそのことが分からずに閉じ込められてしまったのかもしれない
環
環はそう言いながら女の子の方に手を伸ばした
女の子
女の子はパッと笑顔になって環の手をしっかりと握りしめた
その手がビックリする程冷たかったので環はとっさに振りほどこうとした
しかし、女の子の力はあまりにも強く、環がいくら引っ叩いてもビクともしなかった
女の子
女の子はぐいっと顔を近づけてニヤリと笑った
女の子
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環
環は唐突に話を締めくくると寂しそうに笑って亮を見つめた
亮
亮
そう言って笑いながら環の肩を叩いた
環
環
環
環
亮
環
亮
亮
亮
亮
亮
環
環
環
環は動けなくなった亮の手をしっかりと掴み顔をぐいっと近づけてニヤリと笑った
環