黄神
『さとみくん!』
きっと、初恋だったと思う。
子供がよくする、とても崩れやすい恋。
、、、甘く、すぐになくなってしまう苺のように。
__数年前
桃谷
『瑠斗、好きだ』
黄神
『、、、?僕も好きですよ?』
きっと彼にとってはLike。
「Love」を告げても「Like」が返ってくるだけの恋だった
桃谷
『、、、ありがとな』
あの時の俺はそういうしかなくて。
伝えただけ伝えたし、その恋はそれで終わりにした。
彼はちゃんとした親友であり幼馴染だ
桃谷
、、、叶わない恋って、汚いよな
そして今。
彼はLoveの相手を見つけている。
、、、無自覚だが。
その相手はきっとるぅとが俺を忘れる程に大事にしてくれるだろう。
そんな相手、青色のアイツは俺の大切な友達でもあるから言えることだけど
桃谷
『瑠斗、俺のそばから離れんなよ』
桃谷
『好きだよ、瑠斗』
桃谷
『__初恋だった』
、、、俺も前に進もう
赤崎
さとみくんは、綺麗だよ。すっごく
、、、今だけ、泣いたら
桃谷
莉犬、、、り、いぬ、、、
赤崎
、、、このまま、時間が止まればいいのに
歯が浮きそうな言葉を近くで聞いた気がした。
、、、本当にな
桃谷
、、、莉犬
赤崎
、、、何
すっかりもとに戻った彼の冷たい声に、はにかみながら彼に問う
桃谷
好きな人って誰?
赤崎
、、、、、、
はぁぁぁ!?
はぁぁぁ!?
割れるような声に耳をふさいだ。
今の発言にキレる要素無かったと思います、はい
桃谷
いやだって居るつったじゃん、、、自分で、、、
赤崎
いや察せよ!!お前ふざけんな!!
すっかり空になったコーラをそばのゴミ箱に投げ入れながら莉犬の言葉をはいはいと聞き流す
桃谷
誰かな、、、莉犬女友達とか居そうだしな、、、
あ、好きなやつ男だっけか←
赤崎
、、、ぁ
桃谷
ん?
赤崎
、、、
何故か黙り込む莉犬
桃谷
莉犬?
赤崎
、、、
桃谷
言わなきゃ分かんねーよ?
赤崎
、、、友達、、、なかった
俺が頭を撫でそういうと、ボソリと呟いた
桃谷
、、、?
赤崎
、、、俺、中学校時代友達なんていなかったよ
今度ははっきり聞こえた。その言葉に驚き、俺は目を大きく見開く
桃谷
、、、え?
赤崎
さとみくん。知りたい?、、、俺の事
薄暗い中、彼のオッドアイの瞳が揺らぐのが見えた