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104号室
ヴェッ…
独特な奇声と鼻をすする音が響く
フェリシアーノ
その音の主は参加者の1人、フェリシアーノだった
巡音ルカ
フェリシアーノ
ゲームマスターに呼び出されたため後から部屋に入ってきたルカを見ると、フェリシアーノは泣きやんだ
そしてルカの元へ駆け寄り、手を取って声をかけた
巡音ルカ
巡音ルカ
健気に声をかけるフェリシアーノの頭をルカが撫でると、フェリシアーノは一瞬酷く赤面した
巡音ルカ
フェリシアーノ
実は扉の隙間からフェリシアーノの様子が少し見えていたルカは豹変ぶりに思わず笑みをこぼした
巡音ルカ
巡音ルカ
無意識のうちに目の前で背伸びする我が子を見るような目になっていた
少し癒された後、ルカは再び不安な気持ちと過度な緊張を取り戻してしまった
巡音ルカ
巡音ルカ
フェリシアーノ
巡音ルカ
指差した向こう側には確かにカウントダウンをしているタイマーが設置されていた
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
巡音ルカ
ルカが申し訳なさそうにそう言うと、向かいの部屋から微かに銃声が聞こえてきた
乾いた、冷たい、全てを奪うような音が、確かに向かいの部屋から微かに……
巡音ルカ
フェリシアーノ
巡音ルカ
巡音ルカ
巡音ルカ
二人の顔から一気に血の気が引いた
沈黙の時間が流れている間にも叫び声や悲鳴、銃声はほんの僅かだが耳へと入ってくる
耳を塞ごうにも、そうしているわけにもいかない理由があった
残り5分です
─────ルカが呼び出されていたため、とにかく時間が無いのだ
本来タイマーは30分に設定されているのだが、ルカが来たときには既に10分を切っていた
それがゲームマスターの狙いだったのか、はたまたただの偶然なのか真相は闇の中だが、とにかく二人には残りわずかな人生を楽しむ時間も悲しむ時間も、話し合う時間さえも十分に残されてはいない
巡音ルカ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
巡音ルカ
その後、ドアを蹴ったり壁をハンマーで叩いたり、銃弾を壁に打ち込んだりしたが、鍵が開くことは無かった
ただただ時間が過ぎ、刻限が迫ってきた
フェリシアーノ
フェリシアーノ
残り2分だが、フェリシアーノは諦めなかった
ただひたすらにどちらも死なずに出られる方法を求めた
巡音ルカ
巡音ルカ
ルカは懸命に扉を殴るフェリシアーノを遠くからただ見ていたが、同時にタイマーが視界に入ると机の方へと音も立てずに向かった
巡音ルカ
巡音ルカ
巡音ルカ
巡音ルカ
再度タイマーに目をやると残り時間は20秒
それでも尚、フェリシアーノは足掻いている
巡音ルカ
残り10秒
9
8
フェリシアーノ
フェリシアーノが言いかけた途端、銃声が部屋にこだました
それと同時に、目の前から鍵の開く音がした
フェリシアーノ
恐る恐る振り返ると、そこには心臓から血を流して倒れているルカの姿があった
フェリシアーノ
咄嗟にルカのもとへと足を踏み出したが、タイマーが時間切れになっておりそれ以上進めなかった
フェリシアーノ
ゲームマスター
硬直するフェリシアーノの後ろからゲームマスターの声がした
ゲームマスター
フェリシアーノ
ゲームマスターに背中を押され部屋の外に出ると、扉はすぐに閉まり、鍵もかかってしまった