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私に黒板の粉をかけるとか、殺人と一緒だよ←まぁ死にかけるのは事実だな…w
バシャン
水を掛けられた。
「あーあ!ずぶ濡れー!」
お前が掛けたんだろ。
「後で片付けろよー!」
お前がやった癖に。
私は虐められていた。
理由は引っ込み思案だから。
この年代の子供は憂さ晴らしに人をいじめようとする。
そんなの馬鹿馬鹿しい。
私は私らしく生きていただけなのにどうして虐められなきゃいけないんだか。
『あーあ、死にたいな』
これが口癖だった。
ほんとに死にたいと思った訳では無い。
辛すぎてそう錯覚してしまっているだけだ。
「し、死んだら悲しいよ…」
そういうのは私の年上の幼馴染、来栖零夜。
『あはは、だよね』
「でも、気持ちは分かるな…」
「僕も、やりたいことをやりたいのに、親には認めて貰えなくて…」
『いつか2人で死んじゃう?』
「でも、そしたら楽しいことできなくなっちゃうよ…」
『あはは、冗談だよ』
「…そっか……」
いつもいつも、門限まで2人きりで喋っていた。
ほんの少ししかできない現実逃避。
でも、今まで保っていられた“平穏”はちょっとのきっかけで一気に崩れ出す。
「やーい陰キャー!」
バフッ
今日は黒板消しを落とされた。
『チッ』
思わず舌打ちをした。
「なんだよその態度は!!」
カッとなった男子に私は殴られた。
『っ……つ』
「陰キャの癖に舌打ちなんかしてんじゃねーよ!!」
殴られた、殴られ続けた。
痛い、痛い、痛い。
とても痛かった。
でも、そのうち…
痛みを感じなくなった
痛みを感じなくなった私は、ゆらゆらと立ち上がり、その男子の頬をできる限りの力で殴った。
「っ……!!」
「お前……!!!」
さすがに身の危険を感じた私は逃げた。
上手く動かない足を引きずりながら。
身体中に感じる痛みを堪えながら。
『あはは…やっちゃった…』
いつも以上に長い長い道のりを経て家に来た。
するとボロボロになった私を見て母親はこう言った。
「あんた、学校は?」
私の中に募っていた母への信頼が一気に壊れた。
私は話した。
『虐められてるの』
『行きたくない』
『今日だって殴られたの』
「そんなの知らないわよ。」
「学校休むなんて許さないわよ」
涙を流した。
信じていた母親に裏切られた気分だった。
『…わかったよ』
『“いってきます”』
そのいってきますは、私にとって“逝ってきます”だった。
もう、辛かったから。