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テラーノベル(Teller Novel)
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「見ろよー、またあいつ化学の教科書なんか読んでるぜ?」

「ほんと、気持ち悪ぃよなー」

僕は、その声を聞いてそっと教科書を閉じた。

教科書を読むことの何が悪いんだろう。

少なくとも校則違反して学校で漫画を読む君達よりはマシだと思うけどね。

僕は教科書を持ってトイレへ行った。

個室で教科書を読んでいると、またもや声が聞こえた。

「やーい、ガリ勉陰キャくーん」

「化学より他の勉強したらー?w」

「そうそう、君化学満点なんでしょー?」

「この前回答用紙見ちゃった✩」

勝手に見んなよ。

(でも、明日は休校だから、ゆっくり化学の勉強でもしようかな。)

そう思っていた


「あんたいつまで化学の教科書見てんのよ」

「化学そんなにやりたいんだったら他の科目も化学くらいまで上げなさい!」

『……』

別に何しようが僕の自由じゃん。

平均は取ってるんだからいいじゃん。

「とりあえず化学関連の本は禁止!」

『あっ……』

教科書や資料集などの学校で必要な教材から僕が趣味で集めた本までも没収された。

『か、返して…!』

「嫌よ」

「返して欲しければ全教科満点取りなさい」

『そ、そんな…』

「何よ、文句あるの?」

『だ、だって、そんないきなり……』

「はぁ……」

「もういいわよ、出ていきなさい」

『……え?』

「出ていきなさいって言ったのよ。」

「あんた馬鹿なの?」

馬鹿はどっちだよ。

『……もういいよ』

僕はそっと呟いて家を出た。

「……」

お母さんはそのうち戻ってくると思ったのかもしれないが、僕に戻る気はもうなかった。


「あ、零夜……」

町を歩いていると、幼馴染の香羅さんに会った。

『あ、か、香羅さん……』

「どうしたの?元気ないね」

『か、香羅さんこそ…』


お互いに、自分の状況を話し合った。

「あはは、お互い人生詰んでるね…」

『そ、そうだね……』

「そうだ、もう2人で死んじゃわない?」

『そ、それがいいのかもしれないね…』


そう言って2人でひたすら歩いた。

すると……

「ね、ねぇ…なんか変な神社に来ちゃった…」

『そ、そうだね…』

『な、なんか怖いな…』

「私も……」

「あれ?」

すると、声が聞こえた。

「こんな時間に来るなんて珍しいね」

『だ、誰…?』

「私は未彩、君達は?」

「私は…餘埜瀬香羅…」

『ぼ、僕は来栖零夜…』

「へぇ…」

「ここは麗流楼水。」

「居場所のない者が集まるところ。」

「あなたたちは何があってここに来た?」

「この世界で何を望む?」

「……私は、コミュ障で引っ込み思案なのが原因で虐められた。」

「親に言っても学校に行きなさいって言われて、死ぬ気で歩いてたら零夜と合流した。」

『ぼ、僕も、化学ヲタクってからかわれてて、家でも化学のこと調べたりしてたら親に呆れられて……』

『家を出て歩いてたら香羅さんと合流して……』

「それで、2人で死ぬつもりで歩いてたら…」

『こ、ここに…』

「…なるほどね」

「餘埜瀬香羅、来栖零夜。」

「君達を麗流楼水に歓迎します!」


「あら?」

「香羅が帰ってこないわね?」

「そうだな」

「もしもし、餘埜瀬ですけれども」

「はい、はい、香羅が帰ってこないんです」

「え?そもそも登校してきていない?」

「そんなはずは…はい、はい」

「とりあえず警察に……」

「どうだった?」

「そもそも学校に来ていないらしいわ」

「なんだと?!」

「警察に通報だ…」


「零夜遅いわね」

「どこ行ったんだ?」

「今日は休校のはずだろ」

「ちょっと喧嘩したのよ」

「すぐ帰ってくると思ったのだけど…」

「それは心配だな。」

「もしかしたら餘埜瀬さん家にいるのかもしれない」

「それもそうね、もしもし」

「……え?来ていない?」

「しかも餘埜瀬さんの子もいない…?」

「……はい、こちらも警察に通報してみますわね…」

「来てないってか?」

「えぇ、どうしたのかしら……」

「まあなんとかなるだろう」

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コメント

9

ユーザー

許さないぞ…!!

ユーザー

零夜マッマたち許さねぇ… なんとかなるだろってwww

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