テラーノベル
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俺の名前は阿部亮平。高校3年生で、特技は勉強。業間は友達に話し掛けられる時以外、常に本を読んでいて、如何にも真面目って感じの人です。
…そんな俺には、秘密がある。それは、俺がゲイである事。それのせいで今まで恋なんて出来なくて、でも誰かに愛されたくて、実を言うと、誰かに触れられたい。友達に貸してもらって恋愛小説を読んだ事があるんだけど、女の子の方にしか同情できなかった。有難い事に女子に告白も何回かされた事があるんだけど、全く興味が持てなくて、俺はこっち側なんだな、って気付いた。
そんな秘密を、俺は誰にも言えていない。
佐「阿部ちゃん、おっち〜!」
阿「おはよう、佐久間。今日も元気だね笑。」
佐「今日も朝から嫁を拝んできたの!」
阿「毎日じゃん笑。嫁何人いるの笑?」
佐「皆可愛いんだよ〜!」
毎日元気なこの人は佐久間大介。生粋のアニメオタクで、よく分からないけど家には嫁が沢山居るらしい。
渡「おはよ、」
宮「おはよう。」
阿「ゆり組!おはよう!」
俺がゆり組と呼んでいるこの2人は渡辺翔太と宮舘涼太。この2人は幼馴染で、なんと生まれた病院から一緒なんだって。
ラ「おはよう!みんな!」
向「おはようさん!!」
阿「おはよう!康二はいつもに増して元気だね笑!」
今来たのが村上真都ラウールことラウールと向井康二。この2人は中学校から同じらしい。
学校ではこの5人と一緒に居ることが多い。俺は一応この学校の生徒会長をしていて、頭が良いラウが生徒会副会長をしている。
阿「てか康二、何があったの?テンション高くない笑?」
向「聞いてくれるか笑?」
佐「気になる〜!」
向「実はな…、彼女出来たねん!」
ラ「え〜!康二くんに彼女!?」
渡「…まじ?」
向「ほんまやで!」
宮「部活のマネージャーとか?」
向「何で分かんねん笑!せや、部活のマネージャーの後輩!」
ラ「ずっとあの子、康二くんの事好きって言ってたもんね!折れたんだ笑!」
向「猛アプローチの末にな笑!」
ラ「良いなあ、僕も告白されたかったぁ!」
渡「そんな事言ってもお前は彼女居るんだから良いだろ。」
ラ「まぁそうだね〜笑!」
ラウは1年程前から同級生の彼女が居る。康二にも彼女出来たんだ…!佐久間には嫁が居るし、やっぱり皆恋愛とかするんだな、
向「さっくんとかどうなん!?好きな人とかおらへんの?」
佐「俺っちには可愛い嫁が沢山居るからね!」
ラ「ゆり組は?」
渡「居ねぇけど…、」
宮「俺も同じく…、」
ラ「ふーん…、阿部ちゃんは!?」
阿「えっ、俺…?」
正直ゲイってバレるのが怖くて恋愛なんて考えないようにしてきた。恋愛…か…。今更だよね、
阿「俺は、別に興味無いかな、」
ラ「えぇ!阿部ちゃん可愛いからモテそうなのに!?」
阿「俺男だよ?可愛くないよ!」
向「いーや、阿部ちゃんは可愛いよな!」
佐「あざといもんね!」
阿「えぇ…、」
可愛い…?普通の男の人なら嫌がるのかな?…でも俺は満更でもないかも?
阿「とにかく!俺は恋愛とかしてないから!ほら、HR始まるよ!」
渡「へいへーい、」
ラ「絶対彼女できたら報告してね!」
阿「はいはい、分かったから!」
いつも恋愛の話になるとこう。毎回いい感じに誤魔化すけど、いつまで耐えれるかな…。
…
昼休み。いつも通りあの5人と俺でご飯を食べようと教室の一角に集まった。さっきの恋愛の話の続きが始まる。
ラ「で?彼女いない組は良い感じの人とか居ないの?」
渡「だから、居ねえって!」
宮「居ないんだよね〜、」
阿「俺もかなぁ、」
ラ「そっかぁ、」
向「そういえばさ、噂で聞いたんやけど、先輩の中に、男同士のカップルがおるらしいで!」
俺の他にもゲイ…、
佐「えぇ〜!男同士?」
ラ「あぁ〜!聞いたことある!2年前に卒業した何だっけ?岩本…先輩と、深澤、先輩?」
向「多分それや!」
佐「ゲイって本当に居るんだね!」
渡「正直、気持ち悪くね笑?」
向「まぁ普通ではないよな笑!」
ラ「まぁ有り得ないよね笑、」
ズキッ
宮「翔太、康二、ラウ、人それぞれなんだから、そんな事言わないの。」
渡「へーい、」
向「せやな、」
ラ「言い過ぎちゃった…、」
佐「阿部ちゃん?」
阿「…、」
佐「…阿部ちゃん?」
阿「…えっ?ごめん、ぼーっとしてた!」
佐「体調悪い?大丈夫?」
阿「いやいや、大丈夫!てか、先生から仕事頼まれてるんだった!…行ってくるね!」
ラ「僕も行こうか?生徒会でしょ?」
阿「んーん、少しだけだから、大丈夫!行ってくるね!」
ラ「行ってらっしゃい…?」
阿「…行ってきます、」
…
気まづくて咄嗟に嘘ついて出てきちゃった…。皆俺の事ゲイだって思ってないんだから別に気にしなくて良いのに。
渡«正直、気持ち悪くね笑?»
向«まぁ普通ではないよな笑!»
ラ«まぁ有り得ないよね笑、»
阿「やっぱり、そうだよね…、」
昔よりかは同性の恋愛も抵抗は減ってきている。でも依然として同性婚などは認められていないし、そう思われるのも仕方がない。
阿「この後…、どうしよ。」
仕事があると言って出てきてしまったが故にすぐに教室には帰れない。行く宛てもない俺は取り敢えず屋上に行ってみる事にした。
…
ガチャ
今日の空は澄んだ青で、とても綺麗。ゲイってバレるのではないかと不安になる度俺の気持ちは曇っていた。俺の心も、澄んでくれれば良いのに。どうして隠さないといけないんだろう。
阿「初めて来たけど、結構良いな。」
実は屋上に来たのは今日が初めて。空気も美味しいし、誰も居ない。
誰も居な…、居たわ。
見覚えのあるヘッドホン、高身長で綺麗な横顔。誰が見てもイケメンで、校内にファンクラブがある。あれは同じクラスの目黒くん…だよね。
目黒くんは奇跡的に俺と3年連続クラスが一緒だった。でもあまり話した事は無い。だって目黒くんはずっとヘッドホンで音楽聞きながら外を眺めているから。凄い仲良さそうな人も見た事ないし。昼休み見かけないと思ってたけど、ずっとここに居たのかな。
目黒くんの邪魔にならないように、目黒くんとは反対側に歩いて運動場を眺めてみる。風が心地良くて、嫌な事とか全部忘れられそうだった。
目「…あの、」
阿「…?」
後ろから声がして振り返る。そこにはさっきまで音楽を聞いていた目黒くん。
阿「目黒くん?あ、ごめん邪魔だった?」
目「いや、そうじゃなくて。」
阿「…?」
目「珍しいよね。屋上来るの。」
阿「珍しいっていうか、初めて来た笑。」
目「俺以外来る人居ないからさ、声掛けちゃった笑。」
阿「ここ、良いね。」
目「でしょ。俺の穴場笑。」
目黒くんの目は優しくて、暖かくて。普段ずっと外を眺めて1人で居る目黒くんからは想像できない。
阿「目黒くん、笑うんだね笑。」
目「俺の事何だと思ってるの笑?」
阿「ずっと1人で居るじゃん。外眺めてるし。」
目「運動場眺めてるの。部活、出来ないからさ。」
目黒くんはサッカー部のエースだった。引退試合前に退部したって聞いたけど。
目「何気に初絡みだよね笑。」
阿「そうだね笑。」
目黒くんと初めて話したけど、思っていたよりもずっと優しくて、暖かい人だった。
コメント
2件
続きが楽しみです🤭🤭🖤💚
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