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怪物
また眠っていたのか?まだ頭がボーッとする。
「・・・・・ぶ?」
ん…?
「・う・・・ぶ?」
えっ…なんて?
「大丈夫かって聞いてんのよ!さっさと起きなさい!この寝坊助!!」
びっくりして思わず飛び起きてしまったが誰だこの人?
「あっ…ごめんね…ついついぶちギレちゃって…えへへ…」
よく見ると背が小さく幼げのある向日葵の髪飾りをつけた女の子が横に座っていた。
「あっ、私『黄』って名前。貴方と同じ自我を持つ怪物。人だった記憶はゼロ。宜しく~」
いやいや待ってくれ脳の処理が追い付かない。
「私の呪いの類いは『光』で主に…」
「話を遮るようですみませんがここは一体…?」
彼女はあーと言って説明してくれた。
昔生物兵器が降ってきて人類はほとんど絶滅したこと、今は生き残った人類が怪物と共存して細かい国に別れてしまったこと。ここはフリーデン王国という名前で僕たちは「主」という人の眷属になった。ということ。ますます処理が追い付かない。
「こらこら黄、また一人で喋って…」
声のした方を見ると落ち着いた雰囲気の神秘さを秘めた女性が立っていた。すると扉をノックした音がして誰かが入ってきた。
「私の名前は『藤』ここで黄と治療医をしています。」
聞きたいことは山々だが僕は率先して聞いた。
「あのっ、僕と捕まった二人はっ?」
藤さんは外に向かって手招きをした。
「前はありがとう。」
そこには牢獄で見たような姿より何倍も美しい彼が立っていた。あまりにも嬉しくて思わず抱きついてしまった。
「ははっ、苦しいよ。」
場を切り替えるため藤さんがパンパンと手を叩く。
「さぁ、着替えて。貴方はこれから『あの方』に『名前をいただく』のだから。」
どうやら『主』という人の眷属は名前をいただくらしい。
着替えたあと黄さんがついてきて!というので着いていってみた。途中で青い瞳をもつ子の弟君と再会して黄さんと一緒に向かった。
向かった先には優しい瞳をもつ老人が窓辺に佇んでいた。
「私の可愛い子たちは目が覚めたようだね。」
さぁ座ってとお茶菓子を進めてきた。
僕らはオークションに出品され売買されていたこと。黄さんや藤さんの他にも眷属として従えている怪物がいること。ここの怪物は呪いを使い戦うこと。何と戦うのかを聞いたら目を細めて「じきに分かるさ。」と笑った。それからケープという魔法の樹の葉の繊維から作られた動きやすくなおかつ空気抵抗を軽減する羽織るものを貰った。そして…
「さぁて名前を授けようか…」
一気に空気が変わった。ピリピリとした空気は緊張感をよりいっそう高めた。
「君は…葵。あおい だ。」青い瞳をもつ彼は名前を一番に貰った。
「葵の隣にくっついている君は…若葉。わかばだ。」恐怖の色の消えた彼の若草色の瞳はよりいっそう美しくなった。
さて最後に…と僕と目があった。
「君は…紅。こう だ。」
紅…か…。なんだかもったいないな。こんな僕に素晴らしい名前なんて。そんなことを思っていたら
「紅、君の名前はもったいなくないよ。」
ビクッとした。なんていったって思っていたことを言われたからだ。
「ははっ、主なら当然のこと。君たちの些細な変化には気を配っているよ。」
「これから大事な話をしよう。」
僕と葵と若葉は耳を傾けた。
ちょうど三時の時計の鐘が鳴った。
あとがき
一話に詰めすぎました。みどるです。今回はものすごく濃厚だったんじゃないでしょうか。主、眷属、名前、呪い、王国、戦い…一体何が始まるのでしょうか。ご期待下さい。
・誤字、脱字等あればコメントしてお知らせ下さい。
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怪物さんの裏話
私、黄(こう)!今この人の手当てをしてるんだけど…
「おそーい!!!」何日待たせんのよ!すぐに目が覚めた青い瞳の子にこの人の目がめっちゃキレイだっていうから待ってんのにずーっと眠ってる。もう3日だよ?あぁぁぁぁぁぁ…
「まあまあ」と藤がなだめる。いやいや待てないって。
そこにううん…と唸り声。よしきたぁぁぁぁ!!!
「大丈夫?」
「…」
「大丈夫?」
「…」
もう…いい加減に我慢の限界…
「大丈夫かって聞いてんのよ!この寝坊助っ!」
あっ…やっちゃった…飛び起きちゃった…
あぁぁぁぁぁぁ嫌われた…あぁぁぁぁぁぁ…
とまぁこんな感じだったそうです。黄ちゃん、以外と乙女!?気に入ったらハードよろしくお願いします!(する人多分いない)