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怪物
丁度午後三時の時計の鐘が鳴った時あの人は口を開いた。
「君たちには私と変わっていずれここを統一してもらう。」
人間だったころからそういうの苦手だった気がする。昔の思い出がすっぽり抜けてて変な気分だ。
「我が王国は晴組という平和組合に入っている。他の国もそうだ。あの国を除いて。」
「あの国って…?」
僕は思わず聞いてみた。
「モーナット王国だ。」
モーナット王国。そこは混沌の町だと教えてくれた。晴組と長い長い時間戦ってきた仲。モーナット王国はかつて僕らを怪物にした生物兵器を作り出した研究員と怪物が共存する国だ。どこからかの国から人や怪物を拐い、実験を繰り返ししているらしいが詳しくは分かっていない。僕たちは連れ去られた人や怪物の捜索と連れ去ろうとしている人物の特定をしている。
「さぁ、これが君たちの初仕事だ。」
と、言われある書類を見せられた。どうやらこの怪物が連れ去られたらしい。しばらく三人で書類とにらめっこしていると
「頼んだぞ。分からないことがあれば『スイ』に聞くと良いだろう。では失礼する。」
スイ…名前か…?そういえば他にも怪物の眷属がいると言っていたっけ?
扉がガタンとなって主は出ていってしまった。しばらくしたら誰かが入ってきた。
「よぉ。お前らが新米眷属か。藤さまに触れることのできたうらやましいやつめ…クソッ」
えっ…と僕が言うと、
「すまない。口が滑った。私は『水』(すい)。あの方の眷属の一人だ。ここでは情報共有担当係として活躍している。」
それにしても美人だな…可愛い…
「おいそこ、聞いてないだろ。」
近くに寄られて心臓がバクバクしているのが分かる。
ついてこいと言われたので付いていったら部屋のなかは薄暗くパソコンのような画面があちらこちらに取り付けられていた。
「とりあえず足取りは掴めたぞ」といわれ映像を見せられた。
(ちなみに『主』といわれている方はこの国をまとめる王で国民皆に厚く慕われているらしい。)またこの国は円形で北、南、西、東に大きな門が出入口としてある。そして中心に僕らの拠点があり、ここフリーデン王国を見渡すことが出来る。基本的に温暖で平和な国だがさっき言ったように行方不明事件が相次いでいる。資料の怪物も被害者の一人だ。
「お前らだけで行ったら雑魚すぎてもしかしたらぽっくり千年位眠っちゃうから助っ人を用意した。」と水さんが言った。
怪物はある程度ダメージを受けると瞳と同じ色をした結晶に包まれる。そして千年の間をかけ、ちょっとずつ回復していくのだ。つまり僕ら怪物は『ある手段』を除き無敵である。
「早く入ってこいチビすけ」
「そんなこと言わないでよこの根暗野郎っ!」
そこには医務室で会った黄さんが扉を開けて水さんをギロッと睨んでいた。
「なんだとぉ?藤さまに言いつけてやろうか?ああっ?」
「あーあ、そんなんだから藤先生あんたを避けてるのよ。あっ、まさか自覚ナシ?そうだったらゴメーンw」
「ふざけんなよ…」
「何よ…やる気?」
「やってやろうじゃねえかよ…」
「アンタがアタシに勝てるの~?」
『あの~すみません…さっきの話の続きは…?』
声の方を見ると葵が呆れた顔で二人を見ていた。若葉くんも苦笑いしている。
「おっと失礼。話を戻そう。」
とりあえずお前らはここに向かってもらう。この国の地図に指をさす。どうやら東地区を捜索するらしい。
「お前らには明日の朝7時に捜索を開始してもらう。今日中にこの国のエリアや歴史について丸暗記してこい。無理は無し。さっさと帰りやがれ。」口調が強い…ちょっぴり怖いなぁなんて思っていたら
「おい、赤い目玉のお前、」
「はっ、はい…?」
「『俺』は女じゃねぇからな。さっきからじろじろ見やがって腹立つんだよ。」
えっ…以外とショックなんだが…ちょっとしょんぼりした気持ちを切り替えつつ部屋を出ようとしたらこんなことを呟いていた。
「だから新人の世話なんて向いてないって言ったんだ。俺は話すの苦手なのに。『橙』のバカ。」外ではこんなことも知らないと言わんばかりに春風がそよそよと草木になびいていた。
こんにちは、こんばんは。ここまで読んでいただきありがとうございました。みどると申します。ストーリーが思ったようにまとまらず前編と分けさせていただきました。新米たちの初任務、成功するのでしょうか?お楽しみに。ちなみに登場人物の見た目は固定ではないので自由に想像しちゃって下さい。(そこら辺の設定はガバガバですw)