テラーノベル
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颯介がマンションを出ていくと、室内はしんと静まり返った。
先ほどまでは、きらびやかな夜景が凛の心を弾ませていたのに、今はその景色すら目に入らない。
颯介の母のことが心配で、凛は気が気でなかった。
(どうしてそこまで執着するの? いくらお金持ちの男性を狙っているからって、度が過ぎてる……)
優しくて親切で、人を疑うことを知らない颯介の母を思うと、凛の胸に怒りが込み上げてきた。
(それに、西岡さんも……。二人は深い関係なのに、どうして別の人に執着するの?)
二人の気持ちがまったく理解できず、考えれば考えるほどイライラが募っていく。
このまま考え続けていると頭が変になりそうだったので、凛は気分転換に入浴することにした。
バスルームへ向かうと、その豪華さに思わず息をのむ。
まるで高級ホテルのようだ。
(テレビもジャグジーもついてる……だったら、お湯をためてゆっくり入ろうかな)
入浴が好きな凛は、ゆっくり湯船に浸かることにした。
体を洗って湯に身を沈めると、次第に心がほぐれていく。
(いろいろあった一日だったけど、あのレストランは最高だったな~)
その瞬間、颯介と交わしたキスのことを思い出し、凛の顔が赤くなった。
(あのキスは、相当女慣れしてるわね……)
そう思いながらも、気分はどんどん上向いていく。
自分は今、都心の高級タワーマンションの最上階にいる。
窓からの景色はホテルのように素晴らしく、この豪華な部屋には自分一人しかいない。
わくわくしないほうが不自然だ。
すっかり気分が明るくなった凛は、風呂を出たらもう一度夜景を楽しもうと思った。
バスルームを出ると、タオルのそばに男物のスウェットの上下が置かれていた。
颯介が気を利かせて用意してくれたのだろう。
(わぁ……気が利く……)
密かに感動しながら、凛は洗い立てのスウェットをありがたく借りることにした。
着てみると案の定かなり大きかったので、袖と裾を何度も折り返した。
リビングに戻った凛は、ふと思い出したようにバッグから携帯を取り出した。
画面を見ると、颯介からメッセージが届いている。
【冷蔵庫の中のものはご自由に! ビールもあるから風呂上がりにどうぞ】
凛は思わずクスッと笑い、「ありがとう」と返信した。
(本当に気が利くわ……夫にしたら満点じゃないの?)
そう思いながらキッチンへ向かい、冷蔵庫を開ける。
中にはビールや水、つまみになりそうなチーズなどが常備されていたが、料理に使うような食材はほとんどない。
(ここでは料理はしないんだ)
キッチンは驚くほどきれいに片付いていて、使われた形跡がほとんどない。
凛はペットボトルの水を一本取り、窓辺のソファに座って飲み始めた。
目の前に広がる摩天楼のような夜景に見とれているうちに、次第に眠気が襲ってくる。
今日は本当にいろいろあった一日で、思った以上に体が疲れているようだ。
(そろそろ寝ようかな……)
そう思い、颯介に教えてもらった寝室へ向かった。
寝室には、窓際にクイーンサイズのベッドが置かれていた。
ほかにはナイトテーブル、そして椅子が一脚あるだけのシンプルな部屋だ。
どう見ても、主寝室にしか見えない。
大きなベッドを前にした凛は、本当にここで寝ていいのだろうかとためらう。
(でも、たしかにこの部屋って言ってたし……)
そう自分に言い聞かせ、そっとベッドに身を横たえた。
(わあ、このマットレス最高! 本当にホテルみたいに寝心地がいい……)
上質な寝具に包まれながら、凛は窓の外に広がる夜景へ視線を向けた。
(寝転がったまま夜景が見えるなんて、最高だわ!)
きらめく街の光にしばらく心を奪われていたが、やがて凛は静かに寝息を立て始めた。
眠りに落ちた凛は、こんな夢を見た。
朝、目を覚ますと、隣には颯介がいる。
夢の中で、二人はどうやら夫婦という設定らしい。
凛は、隣で眠る『夫』の端正な横顔に思わず見とれてしまう。そして、なぜか急に体が熱くなるのを感じた。
(朝から体が火照るなんて……)
凛はそう思いながら、あることを思いついた。
(彼にちょっかいを出したら、どんな反応をするかな?)
いたずら心がむくむくと湧き上がり、凛はそっと上半身を起こす。
そして、ぐっすり眠る『夢の中の夫』の顔を覗き込み、優しく唇を重ねる。
「うんっ……」
目を閉じたまま、颯介が軽く顔をしかめたので、凛はドキッとする。
しかし、まだ完全には目覚めていないようだ。
(ふふっ、もっと刺激しちゃおう)
そう思った凛は、自分の柔らかな体を押し付けながら、今度は彼の首筋に唇を這わせた。
男らしい喉ぼとけに唇が触れた瞬間、凛の体はさらに火照っていった。
(あんっ、何だろう、体がむずむずする……もう我慢できない……)
そう思った凛は、体を起こして両足を大きく開き、颯介の上に勢いよく跨った。
その瞬間、凛の敏感な部分に颯介の硬いものが当たった。
(やんっ……)
突然、強烈な刺激に襲われた凛は、慌てて腰を浮かせると、上半身裸の颯介の胸に唇を這わせた。
そこで颯介が再度「ううんっ」と声を出しながら、体を動かした。
(ああっ、動いちゃだめっ、当たっちゃう……だめよ、だめったら……)
想像を絶する快感が凛を襲う。
夢の中でもこんなにリアルに感じてしまうのかと、凛は驚いていた。
しかし、次の瞬間、凛の腰ががっしりとした大きな手に掴まれた。
「わっ」
突然、意識が現実へと引き戻され、凛は今この状況が夢でないことを悟る。
そして、自分が組み伏している相手の顔を見た瞬間、頬がカァッと熱くなった。
「あっ、えっ? どうして真壁さんがここに……?」
動揺する凛を下から見上げながら、颯介は大きくあくびをひとつし、穏やかな声で答えた。
「昨日の深夜に戻ってきたんだ。君はぐっすり寝ていたから、起こさなかった。そしたら今朝、いきなり襲われて目が覚めたよ」
そう言って、颯介はニヤッと口元をゆるめる。
「わわっ! 私、てっきり夢だと……」
慌てふためいた凛は、動揺しながら颯介の上から降りようとしたが、腰をがっちりと掴まれていて身動きが取れなかった。
コメント
19件
あらまあ〜!😁颯介さん…🤭💕💕 ストーカー奈美を外につまみ出し、お母様を無事救出して戻って来たようですね…!?😎👍 仲良く一緒のお布団で、甘〜く素敵な夢を見られたかな❓🌃👩❤️💋👨💋 凛ちゃんのお誘いに応えて、ぜひぜひ続きを…ウフフ😘💕
ええええ、どこから夢でどこから現実⁉️😆 一緒に寝たのね〜💓💓💓
夢だと思って大胆な凛ちゃん💛颯介さんは不意打ちで嬉しかったかしら🤭 せっかくだから是非続きを((*´艸`))💕💕