テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ゆのでい🍄🩵

3,365
「……なんでこうなるんだよ」
朝6時。
長男・涼介はソファで遠い目をしていた。
その腕には――
康二。
膝には――
慎太郎。
背中には――
ジェシー。
完全に人間ジャングルジムだった。
☆
普段の涼介は超キラキラ系モデル。
歩けば振り返られ、
笑えばファンが倒れる。
なのに家では。
「りょーしゅけ にぃ〜」
「じぇしーも〜」
「だっこぉ…」
弟たちの大型クッション扱い。
「重っっっ……」
「涼介にぃ筋肉あるから平気!」
双子の大我が適当を言う。
「そういう問題じゃない」
☆
そこへ樹が眠そうに登場。
髪ボサボサ。
ジャージ。
完全に治安悪い。
「……うるせぇ」
「おまえ昼まで寝てただろ」
「高校生は忙しいんだよ」
「何が」
「青春?」
「黙れヤンキー」
だがその時。
ジェシーが突然ぐずった。
「やだぁぁ……」
「あ、来た」
風磨が察する。
ジェシーは朝が弱い。
眠いと情緒が終わる。
「いやぁぁぁ!! りょーしゅけにぃがいいぃぃ!!」
涼介にしがみつく。
「えぇ!? オレ!?」
「今日は涼介指定か」
優吾が笑う。
☆
涼介は弟の扱いが、実はかなり上手い。
本人は認めないけど。
「はいはい、どした」
抱き上げると、ジェシーは涙目のまま服をぎゅっと掴んだ。
「……ゆめ こわかった」
その瞬間。
涼介の顔がふっと優しくなる。
「そっか」
「かいじゅう きた…」
「倒しといたから大丈夫」
「ほんと…?」
「うん。ボコボコにした」
ジェシー、安心。
単純だった。
☆
すると今度は康二が不安そうに近づいてくる。
「……こうじも こわいゆめ みた」
「マジ?」
「……さめしゃん」
「サメ?」
「おっきい…」
涼介は少し考えて。
スマホを取り出した。
「ほら」
画面には、変な顔のサメのキャラ動画。
康二、真顔。
数秒後。
「……ぷふっ」
笑った。
「涼介にぃ天才じゃん」
優吾が感心する。
樹はソファで爆笑していた。
「サメでサメ倒してる」
☆
その頃。
拓也は出勤準備をしながら、その光景を見ていた。
涼介は昔から“完璧な長男”だった。
弟たちの前では弱音を吐かない。
自分より弟優先。
気づけば自然と面倒を見ている。
だからこそ、拓也は時々心配になる。
「涼介」
「ん?」
「たまには兄ちゃん休めよ」
涼介は少し驚いて――
それから笑った。
「無理じゃね?」
周りを見る。
樹が北斗と変なプロレスしてる。
風磨が慎太郎にご飯食べさせてる。
ジェシーがまだ腕にくっついてる。
康二が隣で動画見て笑ってる。
騒がしくて、
うるさくて、
めちゃくちゃ。
でも。
涼介は弟たちの頭をわしゃわしゃ撫でた。
「……まあ、嫌いじゃねぇし」
その瞬間。
ジェシーが眠そうに呟く。
「りょーしゅけにぃ だいしゅき…」
康二もこくんと頷く。
「すき」
涼介、固まる。
樹「顔赤」
優吾「赤いね」
風磨「ニヤけすぎ」
「うるせぇぇぇ!!!」
コメント
1件
うわ〜、今回めっちゃほっこりした🥺💕 モデルの涼介が家では完全に弟たちの大型クッションになってるの、ギャップ萌えすぎる。ジェシーの「だいしゅき」で固まって、兄弟に赤面バレするところ、思わずにやけたよ…。 それに、拓也パパが「たまには兄ちゃん休めよ」って言うシーン、じんわりきた。涼介が「嫌いじゃねぇし」って呟くところ、すごく優しくて、この家族の空気感が本当に好き。 次も読ませてください🌙