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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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画像 この人形の間を見つけてからというもの、夫婦の周りで怪奇現象が起きるようになった。夜中には不気味な足音が聞こえ、壁からは妙な声が漏れてくる。それだけでなく、夫婦の身辺には奇妙な出来事が相次ぐようになった。


ある日、妻が台所で食器を洗っていると、突然に人形の間から異臭が漂ってきた。妻は鼻を押さえながら、その場を離れようとしたが、急に足元がすくんだ。何かが彼女の足を引っ張っているような感覚があった。恐怖に心臓が高鳴る中、彼女は必死に抵抗するが、何者かに引きずられるようにして人形の間に引き込まれてしまった。


夫は妻の悲鳴を聞きつけて駆け寄り、人形の間に入ったが、そこには妻の姿はなかった。ただ、人形だけが相変わらず不気味に置かれたまま。埃もかぶっている。夫は慌てて人形を一つ一つなぞりながら、妻を探し続けたが、どこにも彼女の姿はなかった。


絶望に打ちひしがれた夫は、泣きながら人形の間を出ようとした。しかし、ドアは閉まっており、どうやっても開かなかった。夫は必死に押し、引き、叩きつけるが、それでもドアは頑丈に閉ざされたままだった。


「助けてくれ!妻を返してくれ!」


夫の叫び声が響き渡る中、人形の間から奇妙な複数の人の笑い声が聞こえてきた。


「お前じゃない。」


と言う、その言葉と共に、夫は突如として意識を失った。


その後、この家には夫婦の姿はなくなった。彼らの失踪は、この地域の人々の間で噂になったが、真相は誰にもわからなかった。ただ、廃墟のような一戸建ての家一帯に変わらずの不気味な静けさだけが残る。


かつての主人は、この家に人形になって隠れ、次に人形になる人を探しているというのだ。その恐怖の伝承が、この家に住む夫婦に訪れた運命だったのだろうか。果たして、この武家屋敷に隠された真相は永遠に闇に葬られたままなのだろうか。




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