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そこには蒼がいた。
え,,,なんでどうしてここに蒼がいるの。謎すぎて私は固まってしまう。蒼はやっと来たかというような目でこちらを見てにこっと笑った。その笑顔に心をギュッと掴まれる。今朝のこともあってかいつも以上に。
「莉奈!!」
「え、あ蒼。」
お互いに名前を呼びあって沈黙。それが不思議で面白くて二人で見つめあって笑った。夏のひまわりのようにお互い花を咲かせ弾けさせるような笑顔を見せあった。今朝のことはまるでなかったかのように、止まった時間をまた動き出させるように私たちは話し出した。この屋上のことも。
「へえ、この屋上って、莉奈しか入れないんだ!」
「私と一緒に来れば入れるんだけどもね。まあ、ほとんどの人が屋上は入れないものだと思ってるから。」
「これからも俺もここでご飯食べていい?」
「もちろん!いつも一人で食べてたから嬉しい。」
そう考えれば私、蒼といる時間が増えたな。登下校も、移動教室も、お昼ご飯も、休憩時間も。,,,あれ、ほとんど一緒じゃない!?たった2日でこんなに馴染むことが出来るなんて、そんなこと考えもしなかった。でもこれが当たり前みたいで楽しくて、嬉しくて仕方がなかった。そろそろ休憩時間が終わるので、食べ終わった弁当箱を持って屋上を後にした。もう少しで休憩時間が終わるというのにどこの廊下も騒がしかった。次の授業なんだったけ?なんて他愛もない話をしながら3階へと戻った。
「皆が楽しみにしていた席替えするぞ。順々にくじ引いてけ〜。」
あ、そうだった。5時間目は席替えをするんだった。教室の中は席替えのことで騒がしくなった。私も蒼と隣になれたりしないかななんてソワソワして、ちらっと蒼を見る。と、バチッと目があって、蒼が少し恥ずかしそうににこっと笑った。