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#普通
野々さくら
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ありあ
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※怪異探求倶楽部63話
File2−ネメシスの影−39 より引用。
「そんな嘘で私を騙せると思ったの?」
鋭い視線を向ける銚子に、信愛は肩を震わせた。
「ご、ごめんなさい!
祓った筈だったんだけど・・・」
頭を下げか細い声で続けた信愛に、銚子はため息を漏らした。
「また佳苗ちゃんと同じになったって事?」
「は、はい・・・」
「はぁ~・・あんたってば本当にもう」
銚子は呆れたように額へ手を当てる。
「霊を祓うたびに特異な
存在を生み出してどうするのよ?」
「は、はい・・ごめんなさい・・・」
小さく縮こまる信愛を見かねたように、千歳がおずおずと口を開いた。
「あ、あの・・あまり信愛を
責めないであげてください
悪いのは私なんです」
銚子は静かに千歳を見据えた。
「あなたは確か・・古海商店街の交差点の霊よね?」
「は、はい・・・」
「悪いけどね、あなたみたいに
危害を加える可能性がゼロではない霊が
自由に行き来できる状況は非常にまずいの
私が言ってる言葉の意味、分かるわよね?」
千歳は唇を噛み締め、小さくうなずく。
「はい・・・」
「でも今のあなたからは怨念は感じられない」
銚子は一拍置いて続けた。
「おそらく信愛に救われた事が理由でしょうね」
その言葉に千歳は目を伏せた。
「けど、だからと言ってあなたが
危険な存在だという事実は変わらない」
部屋に重苦しい沈黙が落ちる。
「元は信愛の霊気が霊圧を拒否
するほどに強力な霊だった訳だしね」
「はい・・・」
「その事を肝に銘じて、もうこっちの
世界には来ないでちょうだい、いいわね?」
「はい・・・分かりました」
桃子は今度は信愛へ視線を移した。
◇ ◇ ◇
「あ!そっか!なるほど!」
何かに気づいた茜の声が上がる。
焔垂も、信愛の言葉の意味を理解したように表情を変えた。
「確かに・・それはおかしいよな」
「え?何がおかしいの?」
まだ理解できていないさくらが首を傾げる。
「交差点の霊って別に間違ってなくない?」
信愛は静かに首を振った。
銚子は今まで千歳を視る事が出来てなかった筈。
つまり、千歳のことを知られたあの瞬間は、母にとって千歳とのファーストコンタクトだったはずなのだ。
「ああ!そっか!」
さくらが声を上げる。
「初対面で千歳さんを交差点の霊だって
言い当てれたって事は、それよりも前に
交差点に居る千歳さんを視てた事になるのか!」
「ああ、なるほど!確かにそうだよね!」
ようやく茜も納得したように頷いた。
朝陽は少し考え込んでから口を開く。
「じゃあお母さんは、画像や動画に千歳さんが
映り込んでた事に気づいていたのに
視えないフリをしてたって事になりますね」
「そう・・だと思う」
信愛は静かに答えた。
そう考えなければ辻褄が合わないのだ。
「隠さなきゃいけない理由があるのかな?」
さくらが呟く。
「もしかしたら過去に、その力が原因でトラブルに
巻き込まれた経験があるのかもしれねぇよな」
焔垂の言葉に、信愛が顔を上げる。
「トラブル?」
「だってよ? 白縫さんだって
俺たちからしたらすげー力を持ってんだぞ?」
焔垂は腕を組みながら続けた。
「そんな白縫さんより霊気の量が多かったらさ
視なくてもいい、誰かにとって不都合
なものを視てた可能性だってあるだろ?
よくあるだろ?力が強すぎるがあまりにってヤツ」
「不都合なもの・・・」
信愛はその言葉を小さく繰り返した。
「何よ?その不都合なものって」
茜が尋ねると、焔垂は肩をすくめる。
「いや、それは分からねーけどさ」
「アンタね!確証もないのにテキトーな事言って
信愛を不安にさせてどーすんのよ!お前バカだろ?」
茜はものすごい剣幕で焔垂に詰め寄りる。
「いや、俺はあくまでも可能性のひとつを──」
「屁理屈いいから、さっさと
信愛に謝りなさいよ!ほら!早く!」
焔垂は茜の圧に圧倒される。
「わ、わかったから怖い顔すんなよ」
焔垂は茜の剣幕に圧倒されながらも、信愛の方向に向き直り、姿勢を正して頭を下げる。
「ごめん・・白縫さん・・テキトーな事言って」
「ううん・・気にしないで、大丈夫だから」
信愛は気丈に振る舞ってみせた。
そこで、さくらが何かを思いついたように口を開いた。
「あとさ、私思ったんだけど、馬場さんなら
ワンチャン何か知ってる可能性ないかな?」
「馬場さんが?」
「うん、ほらあの人、オカルト業界で
働いてんじゃん?何か知らないかな?」
「確かに・・・何かしら知ってるかもな」
焔垂も同意する。
だが、茜はすぐに疑問を口にした。
「でも馬場さんってまだ30代でしょ?」
もし銚子が過去に何らかのトラブルへ巻き込まれたとしても、それがの学生時代の出来事だったとならば、当時の馬場はまだ産まれてすらいないと言う可能性がある。
「いや、そうとも言い切れねーぞ?」
「なんで?」
信愛が焔垂を見る。
「オカルト業界って、そんなに
マーケットの規模はデカくないし」
焔垂は、自分の考えを整理するように言葉を続ける。
「馬場さん本人が知らなくても
知り合いに何か知ってる人が居るかも」
焔垂の言葉に、朝陽も納得したように頷いた。
「ああ、確かにそうですね」
信愛の中にも、わずかな希望が生まれる。
「それなら可能性あるかな・・・」
そんな信愛の様子を見て、焔垂が提案する。
「白縫さんがどうしても
知りたいって言うなら連絡してみようか?」
「え?馬場さんの連絡先知ってるの?」
「ああ、前に聞いたんだ
俺からしたら憧れのMWのライターさんだし
色々アドバイスもらえるかもしんねーだろ?だから
無理を承知でお願いしたら快く教えてくれたんだ」
「そっか・・・」
信愛は少し考え込んだ。
母がなぜ自分の力を隠しているのか。
過去に何があったのか。
知ることが正しいのかは分からない。
それでも、ここまで浮かび上がった疑問を、このまま見なかったことにはできなかった。
「どうする?」
茜に問われ、信愛は静かに顔を上げる。
「そうだね・・うん・・私、知りたい」
その言葉を聞いた焔垂は、迷いなく頷いた。
「分かった!なら連絡してみるわ」
「お願い」
信愛がそう頼むと、焔垂はすぐにスマホを取り出した。
画面を操作し、登録されている連絡先から龍河の名前を探す。
そして、そのまま通話ボタンを押した。
焔垂はスマホを耳に当て、龍河へ電話をかけた。
コメント
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みぅ🤍🥀です。 銚子さんの「視えるのに視えないフリ」、じわじわ来た…。あの視線の鋭さと、千歳さんへの警告の冷たさが、本当の怖さを隠してる感じがして。それに気づいた信愛ちゃんが「知りたい」って決意するシーン、すごく好き。焔垂くんたちが調べてくれるのも、仲間っていいなって思えた。過去に何があったのか、私も知りたい…。続き、すごく気になる。