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明花永(あかな)
12
#普通
野々さくら
202
ドラゴン店長
30
茜が部屋へ上がると、ほどなくして多摩雄が冷たい麦茶をもって部屋に入ってきた。
「まあ、とりあえずコレでも飲んで落ち着いてくれ」
「あ、ありがとうございます・・」
麦茶受け取った茜に、多摩雄は穏やかな笑みを向ける。
「にしても大変だったね」
「いえ、とんでもないです」
茜は首を横に振ると、少し俯いた。
「というか元はと言えば、私が悪いんで」
「君が悪いって? どういう事だい?」
茜は小さく息を吸い、意を決して口を開く。
「実は・・・」
そして、今回の偽心霊スポット作戦について、包み隠さず全てを打ち明けた。
「信愛の霊感を信じられなかった
私が悪いんです、本当にすいません!」
そう言って茜は深々と頭を下げる。
当然怒られるものだと思っていた。
しかし、多摩雄の返事は茜の予想とはまるで違っていた。
「わはは、そんな気に病む事無いよ」
「え?」
思わず顔を上げる茜に、多摩雄は優しく微笑む。
「霊感があって、霊が視えるなんて言われても
誰だって最初は信用できないもんだよ
実際、私も昔はそうだったからね」
「お、お父さんも?」
「妻に初めて霊感があるって知った時にね」
「あれ?お父さんは霊感ないんですか?」
「あはは! 私は無いよ!
霊を見た事もない」
「え? でも信愛、言ってましたよ?
ウチは代々霊力が強い家系だって」
「ああ! それは妻の家系の話だね。義理のお母さん
つまり信愛のおばあちゃんは霊媒師だったからね」
「あ、それも本当の話だったんだ
あ、すいません。この期に及んで・・・」
茜は申し訳なさそうに視線を落とす。
そんな彼女を見て、多摩雄は声を上げて笑った。
「あはは! 気にしてないよ」
その時だった。
「待たせたわ!」
部屋の扉が勢いよく開き、両手いっぱいに大きなバッグを抱えた銚子が慌ただしく入ってくる。
その荷物の多さに、茜は思わず目を丸くした。
「か、かなり多いんですね。除霊に必要な道具って・・
何が入ってるんですか?」
「こんな感じかしら?」
靭子はバッグを床へ置くと、ファスナーを開いて中身を見せる。
そこには水晶、お経本、清めの塩など、除霊に使う様々な道具がぎっしりと詰め込まれていた。
「これでさくらを救えるんですね?」
その問いに銚子は力強く頷く。
「さあ! 急ごう!」
すると多摩雄も立ち上がり、二人の背中を押すように言った。
「こうしてる間も、そのさくらって子には
霊が取り憑いてるんだろ?早く行ってあげないと!」
「そうね!」
靭子はすぐに玄関へ向かいながら振り返る。
「あなた?車出してくれる?」
「ああ! わかった!」
多摩雄は力強く頷くと、すぐに茜へ視線を向けた。
「茜さんも乗って! 道案内お願いできるかな?」
「はい! わかりました!」
茜は勢いよく返事をすると、胸の前でぎゅっと拳を握る。
(待っててね・・・)
脳裏に浮かぶのは信愛の顔。
そして、今この瞬間も、霊に苦しめられているさくらの姿だった。
コメント
1件
茜さん、ついに全部打ち明けたんですね。多摩雄さんが「気にしないよ」って笑ってくれたのがすごく救いでした。お父さん自身は霊感ないってオチも面白いし、信愛ちゃんの霊感は母親譲りだったんだなって納得。銚子さんの道具がぎっしり詰まったバッグ、除霊準備が本格的でワクワクしました。さくらちゃんを救うために家族総出で動き出す感じ、いいチームワークですね。次は実際の除霊シーン、どう描かれるのか楽しみです!