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アルヴィアン侯爵邸にある招待状が王宮から届いた。毎年9月になると王宮は貴族や裕福な商人を招いた舞踏会を開催する。今までは王宮からのこの招待状を使うことを回避してきたが、今年は王宮の舞踏会に出ることにした。長い空白期間が終わって、ジョー・アルヴィアンが表舞台に戻ってくる。問題はいかにしてそれを派手に明確に示すかだろう。
「これだけは俺を言わせてくれ。君たちに俺はいつも感謝しているって。」
俺は馬車に乗る前にマークとアッシュにそう心から伝える。そして後ろを振り返る。
「ヘイリー、留守番よろしく。次回は公的な会合に君を連れて行こうかなと考えている。アルヴィアンの新しい商品を売り込むには君が必要だから。」
そうヘイリーに告げる。彼女はアルヴィアンのために働く上級使用人の1人ではあるが、むしろアルヴィアンと関係がある商人や事業者との関係性の構築を担当している。いわば彼女はアルヴィアン版の通商大臣だ。アルヴィアンの繁栄は優秀な人材なくして実現しなかった。マークやアッシュ、ヘイリーも間違いなくその一員で、彼らのおかげで今のアルヴィアンがあるのだ。