「俺がどうかじゃなく、人前でそう晒すなと……」
ナチスの顔を覗き込めば既に目は閉じられていて、穏やかな寝息が聞こえた。
起こすのは忍びない、大人しくシャワーを浴びに行こう。服の変えは無いが、汗を流すだけでもある程度落ち着けるだろう。
濡れないよう脱いだ服をドアの前に置き、浴室に入る。間取りはそこまで広くなくて、浴槽や洗面台など、必要最低限のものだけがある。
「ん? この石鹸、もしかして」
石鹸置きにあったのは、淡い紫色でラベンダーの香り、間違いなく俺が前に送ったものだった。
「まさか、ここまで気を許してくれていたなんてな……」
プレゼントをその場で開けてくれたり、その予兆はあったが……ああ言われると、自然と頬が緩んでしまう。
フックに掛けられたバスタオルを少々拝借し、体を拭いて服を着る。なんだか申し訳ないので石鹸は使わなかったが、それでもさっぱりした気分だ。
寝室のドアを開けると、月の光に照らされている毛布の塊がもそもそ動き、ナチスが顔を出した。
「すまん、起こしたか?」
「いや、俺もシャワーを浴びてくる。お前はそこで寝ていいからな」
ナチスはそういいながら、さっきまで寝ていたベッドの方を指さした。
「なら、お前はどこで寝る? 床か?」
「俺もそのベッドで寝る」
つまり……添い寝するってことか!? いや、俺は別にいい、全然いい。でもナチスは嫌じゃないのだろうか? ベッドだって絶対狭くなるだろうに。
「それは……その、いいのか?」
「いい」
彼はそれ以上の言葉を残さず、浴室に行った。
早速ベッドに横たわってみると、思っていたより快適だった。
布団についたナチスの残熱が眠気を促進させている。俺は誰かと寝るのが好きなのかもしれない……相手が彼なら特に。
──
今の所、二十話前後で完結させるつもりなんですが、大体十五話とかで終わらせた方がいいでしょうか?
コメント
3件
何話でも全然読みます!!
大変かもしれないのですが長めに書いてほしいです!
ソナチたくさん読みたいです✨️