中学一年生の春、私と花奏は同じクラスになった。
花奏は男子のように髪が短く、背が高かったせいか、少し浮いていた。
本人は自分の見た目を気に入っているようで、周りの目など気にしていなかった。
私は そんな花奏のことを友達として好きだった。
最初はクラス内に知り合いが少なく、気軽に 話せるのは花奏だけだった。それは花奏も
同じだったみたいだ。
だんだんクラスに馴染めるようになり、
お互い新しい友達ができ、毎日楽しかった。
そんな中私は、少しの違和感を覚えていた。
少しの違和感を残し 夏休みが終わり、新学期が始まった。
久しぶりに花奏に会って、心が高鳴った。
やっぱりおかしい。
花奏と同じくらい好きな 菜乃に会っても、
心が高鳴ることはない。
変だ。だが、この感覚はどこか懐かしい。
なんだったかな、この感じ。
あ、思い出した。恋だ。
恋をしている時と 感覚が似ている。
…え?恋?私が花奏に?ありえない….
そんな思いとは裏腹に、花奏への恋心は
大きくなっていった。