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──此処は万事屋「感露」
種族を問わない何人かが、協力して暮らしている。
彼女達は共通の信念を持つ。
彼女達は自分の為に動き、自分の為だけに働く。
これは今働いてる子達のプロフィールだよ、自由に役立てるといいさ。
月夜 星
能力:循環魔力 装備品:杖
狐笠 逢
能力:物体浮遊 装備品:ナイフ
陽真 闇
能力:黙秘 装備品:不明
この子達は少し人間を恨んでいるだろうね。
もし彼女達の自分の為が達成された、その時は──
第1話「感露の非日常」
某日、この場所に滞在して半年のこと。
半年間、ニンゲンの浮気などの相談ばかり来た。
その結果、私達が求めていた情報は何一つと入り込まない半年間が続いた。
星〉キツネチャーン、紫の本取ってネ。
それでも私達は、普段の生活を続けている
逢〉はい、これですか?
私は狐笠 逢、一緒に大切な人を探す仲間を探し出し、感露を設立した。
長いこと兄の痕跡を探した末、仲間がいた方が見つかりやすいだろうと考えた。
と言ってもこんな境遇の仲間なんて、2人見つかっていい方だとは思うけど。
闇〉2人とも、お客さん。
逢〉ほんとですか。
ここは万事屋とは言い、中々依頼も来ない。
この半年間はニンゲンからの依頼しか来ないし、日銭でやっとなくらいだ。
しかしそれでも私達がこれを続ける理由は、それほどのことをしてまでこの「人探し」を完遂したいから。
もう一度、その人と話したいから。
?〉……えっと…。
逢〉…まず、お名前など教えて頂けますか?
?〉あ…えっと、 コンと言います、糸編に甘いで──
そう言いかけた所で、星ちゃんが勢いよく席を立った。
闇〉……星。
星〉…すみません、続けてくださいネ。
…星ちゃんは、「懇」と言う女性を探しているらしい。
星ちゃんの魔法は文句無しにすごい、能力との相性もすこぶるいい。
何年も前、ニンゲンによりとある催事が行われた。
「魔女狩り」だ。
懇さんはその対象だったらしい。星ちゃんは当時懇さんに「魔女狩りの対象は魔法使いもいるかもしれない。また1年後にここで会おう」と言われて、星ちゃんは素直に従った。
1年後、懇さんが来ることは無かったという。
逢〉……本日はどのような依頼で?
紺〉…娘が何をしてるか、追って欲しいんです。 僕、妻が働いてくれてるので、娘の面倒を見てるのは僕なんですけど。最近帰ってくるのが遅くて、心配なんです。
闇〉…娘さんの素性調査ってことですか?
紺〉そういうことに、なります…。 あの!僕、すごく心配で、だからこそ、危険なことだったら対処できないから…。
あ、分かる。
辛いよね、それ。
でも嫌われるよりも居なくなっちゃう方が辛いもんね。
逢〉分かりました、お任せ下さい。
紺〉! ありがとう、ございます。
逢〉お写真など少し頂いてから、調査を始めます。
紺〉はい、お願いします。
星〉と言っても、ドコにいるかは分からないノ。
逢〉そのための気配感知でしょ。
星〉結局人任せネ。
闇〉できないもんは頼るしかないからね…。
星〉ハァ…もうちょっと何かできないノ。
闇〉どれかと言うと魔法が万能すぎるだけでしょ。
星〉……ボクが教わったのがたまたまそうだっただけネ。
逢〉たまぁに魔術の本見ますけど、文字が難しいんですよね。
星〉言語の壁ってヤツネ。
元々、それぞれの種族にはそれぞれの言語があった。
それが共生により1つの言葉に合わせられたが、魔術なんかの本は例外で。
例えば妖狐だと、それぞれが持ってる「妖力」の基礎が書かれてる本なんかも、妖の言語で書かれている。
星〉………あっちの学校が今下校時間ネ、そこにいるノ。
闇〉相変わらずすごいわねぇ。
星〉お姉さん譲りネ。
逢〉その人に会うためにも頑張らないとですね。
闇〉そうねぇ、生きてるといいなぁ。
闇〉家族写真も1枚あるけど、紫さんだっけ。 すっごい母親似ね、ホントに父親の血受け継いでんのかな。
逢〉あの人の口元のホクロは移ってますし、流石に。
星〉そもそもボクタチが気にすることじゃないネ。
闇〉や、そうなんだけどね。 首は突っ込むつもりないけどさ、気になるなぁくらいで。
道案内はいつも星ちゃんがやってくれてる。
気配が移動したりすると、私達は追えないからだ。
で、なんで今闇ちゃんは星ちゃんよりも前に出て別の方向に行こうとしてるのだろうか。
星〉で、なんで真っ直ぐ進もうとしてるネ。
闇〉へ? えっそこの路地入るの⁉
逢〉道案内役にしっかり着いていきましょうね。
星〉さっさと来るネ。 っと、やっぱストップネ。
闇〉わぷっ。
逢〉あばっ。
星〉対象いるから黙るノ。
逢〉なんで私まで…。
闇〉ごめんて。
彼女は紫髪の竜の女の子らしき人と会ってた。
こんな暗いとこで2人だけで話すのは結構怪しい、としか言いようがない。
闇〉…………ぁ。
星〉どうしたノ?
闇〉いや…あの……。
様子が妙だ。
そうと言えば、気になることがある。
闇ちゃんは紫髪の竜の女の子を探しているらしい。
異様に特徴が合いすぎる。
にしてもこんなとこで一体何しているのだろう。
そんなことを思っていたら、不意に視界を黒が覆う。
闇〉あっ。
星〉なんなのコレ!!
突然暗闇が現れた。
本当にその表現があってる。すぐそこにいた星ちゃんや闇ちゃんも見えないような暗闇。
目の前に出したはずの自分の手も肩も見えない。
次第に暗闇が晴れてって、辺りを見渡した。
星〉ンモウっ、ホントになんなのネ。
逢〉…ねぇ星ちゃん。
逢〉闇ちゃんは?
星〉ヘッ?ぇ…。
さっき竜の子がいたところには、もう紫さんと思わしき子しかいない。
通りの方を覗いても、多くの人が行き交っているだけ。
星〉逢ちゃんはあの子お願いネ!
逢〉分かりました。
◆◆◆
こんなので再会とかホントにやめて欲しい。
あんたの能力だと対象のすぐそこにしか出来ないから、上に逃げれればイチコロだもんね。
本当に何も変わらない。
飛んだままの勢いで結に覆いかぶさっても、結は何もせず真っ直ぐに見てくるだけ。
何も変わらないといいな。
闇〉……今まで、何してたの。
結〉……………………。
闇〉なんとか言ってよ結、どうしてあんたは──。
不意にすごい勢いで鳩尾を殴られた。
そのまま結は暗闇に向かってしまう。
こんな再開本当にやだ。
折角会えたのにあの子はなんにも言わなかった。
悪い冗談もいい加減やめてほしい。
なんであの体制から正確に鳩尾狙えんのよ。
動けよ私、もうこんなチャンス無いかもしれねぇんだぞ。
鳩尾殴られてすげぇいてぇからなんだよ、くそが。
星〉ユーレー!
くそが、くそが。
なんでいつも1枚上手なのよ
闇〉嘘つき…。
◆◆◆
逢〉あの、紫さんで合ってますか?
紫〉へ?あぁ、はい。
逢〉お父さんから相談を受けて、少々失礼な真似をしました、申し訳ございません。
私にも星ちゃんの意図は分かる。
だからと言ってこういう対話は苦手だ。
そもそも人と喋るのがあまり好きではない。
仲良くない限り、私にとってそういうのはあまり意味が無い。
紫〉お父さん、ですか?
彼女は目を丸くして聞いてきた。
逢〉ええ、はい。何か不思議なことでも。
紫〉名前聞き間違えたりしてませんか⁉本当に糸編に甘いの紺ですか⁉
逢〉はい、同じ説明もされて…。 何かあったのですか?
そう聞くと、彼女は大きめの瞳を少し小さくして答えた。
紫〉その、喧嘩中だったので、 気にかけてくれてたんだ、って…。
逢〉……………。
温かい親子だ。
少し懐かしくて、羨ましい。
逢〉…あ、あの人とは何を話してたんですか?
紫〉あっ、えっと…。 ……私、最近学校で孤立しちゃってる感じがして。 それで、それを解決したくて、あの人から少し物を買ってました。
なるほど、つまり闇取引みたいなものだ。
この年の少女となれば、揺さぶるのは簡単だろう。
人間であれば尚更、格好の的だ。
逢〉学校の友達とか、見てくれてないようで結構見てくれてますよ。
紫〉…そう、ですか…。
逢〉それに、温かいご家族もいますし。 何方もしっかり、大切にして下さいね。
紫〉……はい!
星〉キツネチャーン。
逢〉あっ、闇ちゃん!
闇〉鳩尾ぶん殴られただけだから大丈夫、もう痛くなくなってきたし。
といいながら鳩尾部分をさすっている。中々安心はできない。
逢〉そうだ紫さん、1回事務所まで一緒に来て貰ってもいいですか?
紫〉あ、はい…。
事務所に戻ると、ずっと待っていたのか依頼人がいた。
紺〉紫!!
紫〉お父さん⁉
依頼時のおどおどした様子からは想像出来ないような父親がそこにいた。
まぁまぁな勢いで駆け寄って、そのまま紫さんを抱き締めた。
紺〉よかった…紫…よかった…。
紫〉ちょ、お父さん、苦しいって。
少し嬉しそうな顔で背中をさする。
懐かしい。
闇〉…………。
星〉ユーレー?
闇〉あっ、ごめん、
紫〉…あの。 紫髪のあの人、隣の街で基本の活動をしてるって言ってました。
闇〉へっ…?
紫〉その、何かあるなら頑張ってください。 こんな万事屋中々ありませんもん、ワケアリなのは分かります。
紺〉え?え?
紫〉お父さんは疎すぎ。
紫さんはきっと察しがいいんだな。
闇〉……ありがとう。
紫〉はい!
紺〉あ、これ、まだ依頼料払ってなくてすみません。
逢〉はい、しっかり受け取りました。
紺〉それでは、僕達これで。
紫〉ありがとうございました!
2人で事務所を出て行った。
星〉…進展ありネ。
闇〉本当、よかった。
逢〉漸くですね。
半年間動かなかったのが動き始めた。
私達はまた漸く、新たな一歩を踏み締めたのだ。