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#ライトノベル
umaimon
4,234
ライラック💜💫【🎨🫧】
50
総体、個人戦。
試合開始から、源中学校の2年生たちは次々と勝ち上がっていた。
しかも――圧倒的な強さで。
「女子個人戦、準々決勝! 源中学校、あや選手!」
審判の声が響く。
あやはラケットを持ち、コートに入った。
対戦相手は、別の学校の女子選手。
「よろしくお願いします」
「よろしく」
礼を交わす。
その瞬間、あやの表情が変わった。
(さて。どこまでやれるかな)
あやの瞳が、一瞬だけ赤く輝く。
未来視。
相手がどこへ打つのか、どんな回転をかけるのか、次にどう動くのか。
すべてが見えていた。
「プレー!」
相手が強烈なドライブを放つ。
カンッ!
あやは難なく打ち返した。
「えっ!?」
右へ打つ。
あやは追いつく。
左へ打つ。
あやはすでに待っている。
台の隅へ打つ。
あやはそこへ移動している。
「なんで全部返せるの!?」
相手の顔から余裕が消えていく。
あやは笑った。
「そっちのコース、もう見えてるよ」
そして――。
バァンッ!!
強烈なスマッシュが決まった。
試合終了。
あや、準々決勝突破。
その後も、あやは圧倒的な試合運びで決勝へ進出した。
一方、みくも負けていない。
「次、みく選手!」
みくの瞳がピンク色に輝く。
相手がボールを打ち返した瞬間、みくは球の軌道を操作した。
ボールが急激に曲がる。
「えっ、そっち!?」
相手が反応したときには、もう遅い。
ポイント。
またポイント。
さらにポイント。
「みく選手、勝利!」
みくは笑顔でラケットを掲げた。
「よしっ!」
まゆらも、黄色い瞳を一瞬だけ光らせながら勝ち進んでいく。
必中の能力で、狙った場所へ正確にボールを落とす。
台の角。
ネット際。
相手が動いた方向と反対側。
どこに打っても、まゆらのボールは狙いどおりに決まった。
そして、女子個人戦の決勝。
コートに立ったのは――あやとみくだった。
「……まさか決勝で当たるとはね」
みくが笑う。
「いや、分かってたけど」
「それ言うと思った!」
二人は笑いながらラケットを構えた。
審判の声が響く。
「プレー!」
みくがサーブを打つ。
あやは未来視でコースを読む。
だが、みくの球操作によってボールの軌道が変わる。
「おっ!」
あやは素早く対応し、打ち返した。
ラリーが続く。
速い。
あまりにも速い。
観客席の選手たちが、息をのんだ。
「何あれ……!」
「二人とも反応速度がおかしいだろ!」
みくがボールを曲げる。
あやが先回りする。
あやがスマッシュを放つ。
みくが軌道を変えて返す。
一進一退の攻防。
しかし、最後は――。
「もらった!」
あやのスマッシュが決まった。
試合終了。
みくは悔しそうに笑い、あやに手を差し出した。
「おめでとう、部長」
「ありがと、副部長」
二人は握手を交わした。
女子個人戦の結果は、こうなった。
順位
選手
学年・クラス
🥇 1位
あや
2年A組
🥈 2位
みく
2年A組
🥉 3位
まゆら
2年A組
女子個人戦、表彰台を源中学校が独占。
しかも、1位から3位まで全員が同じ学校だった。
2.男子個人戦――青い瞳の時間支配者
一方、男子個人戦も異常な展開になっていた。
「男子個人戦、準々決勝!」
はるやがコートに入る。
相手は強豪校の選手だった。
「よろしくお願いします」
「よろしく」
はるやは笑顔でラケットを構えた。
(さて、さっさと終わらせるか)
瞳が一瞬、青く輝く。
時間操作。
はるやは自分の反応や動きに使う時間を自在に操り、相手の高速サーブにも余裕を持って対応できる。
「プレー!」
相手のサーブ。
はるやは一歩動く。
カンッ!
返球。
相手がスマッシュを打つ。
はるやはすでにその位置にいた。
カンッ!
また返球。
「なんで間に合うんだよ!?」
相手が叫ぶ。
はるやは肩をすくめた。
「さあ?」
そして、最後の一球。
バァンッ!!
試合終了。
「勝者、はるや選手!」
はるやは軽く手を振ってコートを出た。
その先では、りゅうせいが試合を終えたところだった。
「お疲れ」
「そっちも勝った?」
「もちろん」
りゅうせいの瞳が、黄緑色から元の色へ戻る。
空間把握。
ボールの位置、速度、回転、落下地点。
すべてを正確に把握し、どんなボールにも最適な位置から対応する。
相手がどんなコースを狙っても、りゅうせいは追いついた。
「もう無理だ……」
対戦相手が肩を落とす。
「いや、いい試合だったよ」
りゅうせいは笑って答えた。
けいすけも順調だった。
紫色の瞳が一瞬光り、重力を操作する。
ボールが急激に沈み、相手のラケットに当たる直前で落下する。
「うそだろ!?」
相手が驚く。
けいすけは余裕の表情だった。
「まだまだいけるよ?」
さらに、れんと。
オレンジ色の瞳を輝かせ、反発力を自在に操作する。
強烈なスマッシュを打ったかと思えば、次の瞬間にはネット際にボールを落とす。
攻撃力と緩急の使い分け。
れんとも次々と勝ち上がった。
そして男子個人戦の結果は――。
順位
選手
学年・クラス
🥇 1位
はるや
2年A組
🥈 2位
りゅうせい
2年C組
🥉 3位
けいすけ
2年C組
4位
れんと
2年C組
男子も、上位4人のうち4人全員が源中学校。
女子も男子も、源中学校の2年生が圧倒的な成績を残した。
3.1年生、先輩たちの強さに絶句
試合を見守っていた1年生たちは、言葉を失っていた。
「……ねえ、さな」
「なに……?」
「うちの先輩たちって、こんなに強かったの?」
さきが震える声で尋ねる。
ここあも、ななも、なつきも、試合結果の掲示板を見つめていた。
こうしとこおしは、男子の結果を見て顔を見合わせる。
「はるや先輩が1位……」
「りゅうせい先輩が2位……」
「けいすけ先輩が3位……」
「れんと先輩が4位……」
「……え、強すぎない?」
誰もが同じことを思っていた。
しかも、女子はあや先輩が1位、みく先輩が2位、まゆら先輩が3位。
男女合わせて、源中学校の2年生が個人戦の上位をほぼ独占している。
「先輩たち、普段はあんなに普通なのに……」
なつきが呟いた。
そのとき、表彰を終えたあやたちが戻ってきた。
「おーい、1年!」
あやが手を振る。
「どうだった? 先輩たちの試合」
「す、すごかったです!!」
7人の1年生が一斉に答えた。
みくが笑う。
「でしょ?」
まゆらは表彰状を持ちながら、淡々と言った。
「まだ終わってないけどね」
「え?」
さなが目を丸くする。
あやはニヤッと笑った。
「次はダブルスだろ?」
はるやが大きくため息をつく。
「……ああ、そうだった」
「部長、まだやる気なの!?」
みくが突っ込む。
「当たり前だろ。個人戦だけで満足するわけないじゃん」
あやはラケットを肩に担いだ。
その瞳には、まだ闘志が燃えていた。
4.誰も知らない、本当の理由
選手控え場所から少し離れた廊下。
7人は周囲に誰もいないことを確認し、声を潜めた。
「全員、能力の調子は?」
あやが尋ねる。
「問題なし」
みくが答える。
「球操作も安定してる」
「必中も問題ない」
まゆらが続ける。
はるや、りゅうせい、けいすけ、れんとも頷いた。
今日の試合では、全員が能力をフル活用していた。
未来視。
球操作。
必中。
時間操作。
空間把握。
重力操作。
反発操作。
能力を使えば、相手の動きもボールの軌道も、普通では考えられないほど正確に把握できる。
ただし、能力を使うたびに目の色が変わる。
それだけは、絶対に見られてはいけない。
「次はダブルス。目の色、今まで以上に気をつけよう」
りゅうせいが言った。
「特に、観客が近い台は注意ね」
けいすけも頷く。
あやは7人を見渡した。
「大丈夫。俺たちは勝つ。でも、能力の秘密は守る」
「了解」
7人は拳を軽く合わせた。
そのとき、遠くから1年生たちの声が聞こえてきた。
「あや先輩ー! 次の試合も頑張ってください!」
「みく先輩も!」
「まゆら先輩、応援してます!」
「はるや先輩、りゅうせい先輩、けいすけ先輩、れんと先輩も頑張ってください!」
あやは振り返り、笑顔で手を振った。
「おう! 見てろよ!」
そして、仲間たちに向き直る。
「よし。次も全部取るぞ」
「はいはい」
はるやが呆れたように笑った。
「ほんと、去年の先輩そっくり」
「それ、褒めてる?」
「全然」
7人の笑い声が響く。
総体はまだ終わっていない。
個人戦を制した7人が、次に狙うのは――。
ダブルス優勝。
そして、その先には、1年生たちもまだ知らない、7人の本当の実力が待っていた。
コメント
1件
わあ、第5話読み終えたよ!個人戦で源中が表彰台独占って熱すぎる…!あや先輩の未来視とみく先輩の球操作の決勝戦、能力のぶつかり合いが本当に面白かった。「もらった!」の台詞がめっちゃかっこよかったな。 それにしても、7人の能力の秘密を抱えながら試合をこなす緊張感と、1年生たちの「先輩すごい」って崇拝モードのギャップがたまらない。次はダブルスか…どのペアが組むのか、もうワクワクが止まらないよ!続きが待ちきれない!