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#ライトノベル
umaimon
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ライラック💜💫【🎨🫧】
50
総体2日目。
この日は、いよいよダブルスの試合だった。
会場には昨日以上に多くの選手や観客が集まっている。
昨日の個人戦で、源中学校の2年生が男女ともに上位を独占したことは、すでに他校の間でも話題になっていた。
「今日こそ源中を倒すぞ!」
「昨日の借りを返す!」
各校の選手たちは気合十分。
一方、源中学校の卓球部はというと――。
「ねむ……」
あやが欠伸をしていた。
「部長! 今日も大会だよ!?」
みくが呆れる。
「分かってるって」
「絶対分かってないでしょ……」
まゆらがラケットケースを持ち上げる。
「まあ、あやはいつも通りだし」
はるやが笑った。
「昨日、あれだけ煽ったんだから、今日はもっと注目されるぞ」
「いいじゃん。見せつけてやろうぜ」
「はいはい……」
2年生たちは余裕だった。
しかし、1年生たちは違う。
「うぅ……緊張する……」
さながラケットを握りしめる。
「私たち、ダブルスなんだよね……」
さきも不安そうに呟いた。
「大丈夫! 昨日も勝てたんだから!」
ここあが二人を励ます。
なつきとなな、男子のこうしとそうしも、緊張しながら試合の準備を進めていた。
そんな1年生たちに、あやが声をかける。
「お前ら、いつも通りやればいい。変に緊張しなくていいから」
「は、はい! あや先輩!」
「負けても責めないから、思いっきりやってこい」
あやはそう言って、ニッと笑った。
その言葉に、1年生たちは少しだけ肩の力が抜けた。
1.ダブルス開幕!
組み合わせは次の通り。
女子ダブルス
ペア
メンバー
第1ペア
あや & みく
第2ペア
まゆら & ここあ
第3ペア
さな & さき
第4ペア
なつき & なな
男子ダブルス
ペア
メンバー
第1ペア
はるや & りゅうせい
第2ペア
けいすけ & れんと
第3ペア
こうし & そうし
「それでは、女子ダブルスの試合を開始します!」
審判の声が響いた。
各コートで試合が始まる。
最初に注目を集めたのは、まゆらとここあのペアだった。
「ここあ、右!」
「分かった!」
まゆらの瞳が一瞬、黄色に輝く。
必中。
狙った場所へ、正確にボールを落とす。
ここあも負けていない。
二人の息は、試合を重ねるごとに合っていった。
「ポイント!」
「やった!」
ここあが笑顔で拳を握る。
まゆらは小さく頷いた。
「いい感じ」
その近くのコートでは、さなとさきが試合をしていた。
「さな、次は私が打つ!」
「お願い!」
二人は必死にボールを追いかける。
初めての総体。
緊張はまだある。
それでも、昨日よりも確実に動けていた。
そして、二人が気づかないところで――。
まゆらが、少し離れた場所から試合を見ていた。
「……さき、あと少し」
まゆらの黄色い瞳が、一瞬だけ光る。
さきが打ち返したボール。
ほんのわずかに、軌道が変わる。
相手が予測した場所から外れ、台の隅に落ちた。
「えっ!?」
相手が驚く。
「ポイント、さき・さなペア!」
「やったぁ!」
さなが喜ぶ。
その隣で、みくもさりげなく試合を見ていた。
ピンク色の瞳が一瞬だけ輝く。
さなが次に打つボールの軌道を、ほんの少しだけ調整した。
もちろん、本人たちは気づいていない。
「さな、ナイス!」
「さきも!」
二人はハイタッチを交わす。
まゆらとみくは、何事もなかったように自分たちの試合へ戻った。
「……うまくいったね」
みくが小声で言う。
「うん。でも、やりすぎないように」
まゆらが答えた。
「分かってる」
二人は顔を見合わせ、何事もなかったように笑った。
2.男子ダブルスも快進撃!
男子のコートでも、源中学校の選手たちが勝ち進んでいた。
はるやとりゅうせいのペアは、まさに鉄壁。
はるやが時間操作で相手の動きに対応し、りゅうせいが空間把握でボールの位置を正確につかむ。
「右!」
「了解!」
カンッ!
「左!」
カンッ!
二人は声を掛け合い、完璧な連携でポイントを重ねていく。
「何なんだ、あのペア……!」
対戦相手が驚く。
はるやは笑った。
「まだまだいけるよ?」
一方、けいすけとれんとのペアも強かった。
けいすけが重力操作で相手の予測を崩し、れんとが反発操作で強烈な返球を決める。
「いくぞ、れんと!」
「任せろ!」
バァンッ!
スマッシュが決まる。
「ポイント!」
二人は拳を合わせた。
そして、1年生のこうしとそうし。
こちらも、必死に戦っていた。
「そうし、次!」
「分かってる!」
二人はまだ2年生ほどの余裕はない。
それでも、昨日よりも落ち着いてプレーできていた。
その様子を見ていたはるやが、青い瞳を一瞬だけ輝かせる。
時間操作。
りゅうせいも、黄緑色の瞳を一瞬だけ光らせた。
二人は遠くから、こうしとそうしのボールの軌道や落下地点をほんの少しだけ調整する。
さらに、けいすけも紫色の瞳を光らせた。
三人の能力が重なり、こうしとそうしの返球は、ほんのわずかに相手の予測を外れる。
「えっ、なんで!?」
相手が慌てて動く。
その隙に、こうしがスマッシュを決めた。
「ポイント、こうし・そうしペア!」
「よっしゃあ!」
こうしが叫ぶ。
そうしも嬉しそうに笑った。
「今の、めっちゃよかった!」
「だろ!?」
三人の先輩たちは、少し離れたところで顔を見合わせた。
「……うまくいったな」
けいすけが小声で言う。
「うん。あの二人、ちゃんと自分たちで決められるようになってる」
りゅうせいが頷いた。
もちろん、三人が能力を使ったことを、こうしとそうしは知らない。
二人は、自分たちの力で勝ち進んでいると思っていた。
それでよかった。
先輩たちは、後輩たちの成長を邪魔しない程度に、さりげなく手助けしていたのだ。
3.観客席がざわついた理由
次々と試合を勝ち進んだ源中学校。
まゆらとここあ、さなとさき、なつきとななの試合はひと段落し、男子のペアも次の試合まで時間が空いた。
「ふぅ……」
なつきが椅子に座る。
「疲れたぁ……!」
ななも隣に座った。
「でも、勝てたね!」
「うん!」
こうしとそうしも、飲み物を飲みながら休憩している。
まゆらはタオルで汗を拭き、けいすけとれんとは試合結果を確認していた。
そのときだった。
ざわ……。
会場の一角から、妙なざわめきが広がった。
「え、何?」
ここあが顔を上げる。
ざわざわざわ……!
今度は、さらに大きな声が聞こえてきた。
「うそだろ!?」
「今の、見たか!?」
「人間ってあんなに跳べるの!?」
「ボール、届くわけないだろ!」
休憩していたメンバーが一斉に顔を上げた。
「……何事?」
れんとが立ち上がる。
「なんかあったみたいだね」
りゅうせいが会場を見渡した。
ざわめきの中心は、女子ダブルスのコート。
そして、そこにいたのは――。
あやとみくのペアだった。
「……あいつらか」
はるやが額を押さえる。
「また何かやってるよ」
まゆらが立ち上がった。
1年生たちも慌ててコートへ向かう。
「何があったんですか!?」
さなが尋ねる。
しかし、コートを見た瞬間、全員が言葉を失った。
4.規格外のジャンプ
試合は、あやとみくのペアが相手を追い詰めているところだった。
相手が放ったボールは、台の外側へ大きく飛び出していた。
普通なら、もう届かない。
観客の誰もがそう思った。
ところが――。
「みく!」
あやが叫ぶ。
「オッケー!」
みくが素早く移動し、相手の返球を打ち返す。
ボールは台の外へ飛び出し、ネットの横を通り抜けた。
「もう無理だろ!」
観客の一人が声を上げる。
だが、あやは止まらなかった。
床を蹴る。
ドンッ!!
あやの身体が高く舞い上がった。
「えっ!?」
観客席が一瞬で静まり返る。
あやは、みくの身長よりもはるかに高い位置までジャンプしていた。
そのまま空中で身体をひねり、ラケットを振り抜く。
カァンッ!!
ボールが相手コートへ飛んでいく。
しかも、台の隅へ。
「ポイント、あや・みくペア!」
審判の声が響いた。
――沈黙。
次の瞬間。
「うおおおおおお!?」
会場中が沸いた。
「今の何!?」
「跳びすぎだろ!!」
「バレーボールじゃないんだぞ!?」
「いや、そもそも卓球であんなプレーする!?」
観客たちは大騒ぎだった。
1年生たちも、目を丸くしていた。
「……あや先輩?」
さなが呆然と呟く。
「今、どこまで跳んだの……?」
さきは口を開けたまま固まっている。
ここあは両手で口を押さえた。
なつきとななも、信じられないという顔でコートを見ていた。
男子のこうしとそうしも、完全に固まっている。
「……俺たち、あんな先輩と同じ部活なの?」
「そうらしい……」
一方、2年生たちは――。
「やったわ」
はるやが顔を覆った。
「絶対目立つなって話だったのに」
みくはラケットを構え直しながら、あやに小声で言った。
「ちょっと! あや、跳びすぎ!」
「届いたからいいだろ?」
「そういう問題じゃない!」
「でも、ポイント取れたじゃん」
「そうだけど!」
あやは楽しそうに笑った。
実際、あのジャンプには超能力を使っていない。
あやの身体能力だけで跳んだのだ。
ただし、異常な高さだった。
もともと身体能力が人間離れしている7人にとっては、十分に可能な動きだった。
だが、普通の中学生から見れば、ありえない光景だった。
観客席から、再び声が上がる。
「源中の部長、化け物かよ……!」
あやは聞こえていたのか、ニヤッと笑った。
「褒め言葉として受け取っとくわ」
「聞こえてるんかい!」
みくのツッコミがコートに響いた。
5.ダブルス決勝――源中の頂点
その後も、あやとみくは圧倒的な強さを見せた。
あやの未来視。
みくの球操作。
二人の能力が組み合わさることで、相手の返球はほとんど通用しなくなっていた。
相手がどこへ打っても、あやは先回りする。
あやが返したボールを、みくが自在に変化させる。
さらに、二人の反射神経と瞬発力は常識外れ。
ラリーが長くなるほど、相手は追い詰められていった。
そして、最後の一点。
「これで終わり!」
あやがスマッシュを放つ。
みくがすかさず次のコースをカバーする。
相手の返球が浮いた。
バァンッ!!
試合終了。
「勝者、源中学校! あや・みくペア!」
二人はハイタッチした。
「優勝!」
「やったね、あや!」
「当然!」
その後、まゆらとここあも勝ち進み、女子ダブルス3位決定戦を制したさなとさきも表彰台へ。
なつきとななも、最後まで諦めずに戦い抜いた。
男子も、はるやとりゅうせいが決勝を制し、けいすけとれんとが2位、こうしとそうしが3位に入った。
最終結果は――。
女子ダブルス
順位
ペア
🥇 1位
あや & みく
🥈 2位
まゆら & ここあ
🥉 3位
さき & さな
男子ダブルス
順位
ペア
🥇 1位
はるや & りゅうせい
🥈 2位
けいすけ & れんと
🥉 3位
こうし & そうし
女子も男子も、源中学校が表彰台を独占した。
6.優勝の裏で
表彰式が終わり、選手たちが帰り支度を始めた頃。
あやたちは、会場の隅に集まっていた。
「……とりあえず、全員優勝おめでとう」
りゅうせいが言う。
「いや、俺たちは2位と3位だろ」
けいすけが苦笑する。
「でも、源中で表彰台独占だよ?」
みくが笑った。
「それはそう」
まゆらも頷く。
1年生たちは、まだ興奮が冷めていない様子だった。
「あや先輩、さっきのジャンプ、どうやったんですか!?」
さなが身を乗り出す。
「秘密」
あやは即答した。
「えええ!?」
「身体能力を鍛えればできるんじゃね?」
「絶対無理です!!」
こうしとそうしが同時に叫ぶ。
その様子を見て、はるやが笑った。
「まあ、あやは昔からあんな感じだから」
「昔から!?」
1年生全員が驚く。
みくは、あやの肩を軽く叩いた。
「次はもうちょっと普通にプレーしてね。目立ちすぎ」
「善処する」
「絶対しないやつ!」
笑い声が響く。
しかし、笑っている7人には、誰にも言えない秘密があった。
今日の試合で、7人は能力をフル活用していた。
その事実を知っているのは、7人だけ。
そして、観客たちが目撃したあやの異常なジャンプは、能力ですらなかった。
あれが、あや本来の身体能力。
もし、7人が能力を使っていることまで知られてしまったら。
いったい、どれほどの騒ぎになるのだろう。
あやはそんなことを考えながら、ラケットケースを肩にかけた。
「さて。帰るか」
「そうだね」
みくが頷く。
7人は1年生たちを連れて、会場を後にした。
その背中を、他校の選手たちが見送っていた。
「……来年こそ、絶対に勝つ」
その声を聞いて、あやは振り返る。
そして、いつもの不敵な笑みを浮かべた。
「来年も待ってるぜ」
――総体2日目。
源中学校卓球部は、圧倒的な結果を残した。
だが、7人の本当の力は、まだ誰にも知られていない。
この総体は、7人にとって単なる通過点にすぎなかった。
コメント
1件
いやぁ〜、今回もアツかったわ!🔥 ダブルス戦って個々の能力に加えてコンビネーションが試されるから最高だよね。特にあやの規格外ジャンプは震えたわ!まさかの超能力じゃなくて純粋な身体能力ってのがまたカッコいいし。先輩たちが陰で後輩をサポートしてるのもホッコリした。表彰台総取りはもうお約束って感じで嬉しかったし、1年たちの成長もじわじわ見えてくスタイル良いわね。次も楽しみにしてる!