誕生日って、大人になると子供の頃よりもワクワクしなくなる。昔は誕生日にあれが食べたい、なにが欲しいとか色々あったのに、今はそこまで思い浮かばない。
去年の誕生日はうっかり忘れていて、仕事帰りにあいちゃんがディナーを奢ってくれて、ワインが美味しくて飲み過ぎてしまい、そのまま帰ってきて死んだように寝て、次の日も出勤した。
誕生日って、特別な日のはずなのに、当たり前に過ぎていく毎日にまぎれて流れていた。なのに今回は……。
「どこに行きたい?」
「……えーっと」
「なにが欲しい」
「ま、待って大和さん」
「待たない。早く教えろ」
私よりも私の誕生日を心待ちにしている人が約一名。
夕食を終え、ソファーに座る私を抱きかかえるように座ると、耳元で質問責めを開始する。
一気に聞かれても、考えが追いつかない。その意味を込めて、振り返り大和さんの頰を引っ張る。
「うっ……なにすんだよ」 **********************
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