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固く抱き締め返され、心臓がうるさいくらいに早鐘を打つ。
「先生、酔ってるんですか…?」
「……酔って、いますね……酔っていることに、しておいてください……」
私の髪に鼻先を埋めて口にする。
「今夜は、あなたを離せそうにない」
白く毛足の長いフロアマットに、ゆっくりと体が包み込まれる。
「……先生、」
「……たまには、名前で呼んでください…智香」
「…………一臣さん」
「もっと……呼んで」
「……一臣さっ……」
唇をなぞっていた舌が不意に口内に入り込んで、声が奪われる。
頬の内側の粘膜を蹂躙する舌に、息もできない。
呼吸さえままならない口づけの激しさに、嗚咽が零れると、彼はメガネを外してテーブルに置き、目尻に滲む涙に、濡れた舌先を這わせた。
涙を掬う舌が目に触れて、味わったこともない感触に「……ぅん」と堪え切れない声がこぼれる。
「じっとして……」
舌で睫毛がなぞられ目の縁が舐められて、身体がぞくりと打ち震える。
上半身を脱がされて、穿いているスカートの下から差し入れられた手が太腿を這い上がった。
「私に、キスをして…」
薄紅い唇が迫り寄る。
酔っているからなのかいつにも増して艶っぽい彼に、
まるで淫靡な魔物にでも囚われた気分に陥りそうになる。
求められるままに口づけると、ちゅ…と舌が吸われて、
汗に混じり上気した、蜜のようなアンバーの香りが鼻を掠める。
もう、拒めないと感じる。彼の匂いが、私を官能に誘う。
素肌を撫でていた手がスカートを下ろして、下着も外されると、首に手を回して自分からその身体に抱きついた。