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たたみ

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たたみ

1 - 第1話

♥

23

2024年02月08日

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友人・東の家に、遊びに行った時のこと。

「ちょっと、タバコ買ってくるから、待ってて」

そう言って、東はコンビニへと出向いて行った。

それから5分もたった頃だろうか。

ゴスッ!

締め切った隣の部屋から、異音がした。

(なんだ…?)

私が聞き耳を立てると、音は、はたと止む。

気のせいだと自分に言い聞かせ、テレビの画面に見入っていると、また…

ゴスッ!

いい加減、疎ましくなってきたので、隣の部屋へと続く、襖を開けてみた。

すると、すぐ目の前から

ゴスゴスッ!

これは、さすがに「うわ…」と声が出た。

一体何が鳴っているのかと、暗闇に向け、目を凝らしていると、今度は…

ズッズッズッ!

という重い音。

そして、その音の発信源も確認できた。

それは、目の前にある、畳からだった。

部屋のほぼ中心あたりに、10文字になっている、畳の合わせ目がある。

どうやら異音は、その辺から聞こえてくるようだ。

二、3歩近づいて、その合わせ目を足で踏んでみよう…そう考え、私が歩み寄ろうとした、その時。

ゴスッ!!

一段と大きな音がして、合わせ目にある1枚が、数センチほど、浮き上がった。

「うわわっ!! 」

そう叫んで、リビングへと後ずさる。

角が浮き上がった畳は、それ以降、そのまま静かになった。

ほどなく、玄関が開く音がして、東が帰ってきた。

「いやあ、悪い悪い…ってか、そこでなにしてんの?」

それには答えず、ただだまって、わたしは、浮き上がった畳を指さした。

「ああ、これな。たまあに、浮き上がってくるんだわ」

東はそういうなり、それを足でどずっと踏み込んだ。

それ以来、東の家には行かないことに決めた。

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