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ちいさな手の、まほうの道

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ちいさな手の、まほうの道

22 - 第22話 ひかりの花さがし

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2025年08月20日

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森の中は、夜になるとぜんぜんちがう顔をしていた。昼間は小鳥の声でにぎやかな道も、

今はしんと静まりかえっていて、

葉っぱがひとつ落ちただけでも、胸がどきんとする。


でも、足もとは小さな光の粒がぽつぽつと続いていて、

まるで「こっちへおいで」と道を作ってくれているみたいだった。


「ひかりの花さん、どこですか」

小さな声でつぶやきながら歩く。

ときどき、木の根っこにけつまずいたり、

ふくろうの声にびくっとしたりしたけれど、

わたしは立ち止まらなかった。


やがて、大きな切り株の広場に出た。

そこには、つぼみが三つ並んで光っていた。

でも、どれもまだ固く閉じていて、咲く気配がない。


「うーん、どれを選べばいいのかな…」

迷っていると、風がふわっと吹いて、

つぼみのひとつが、かすかに震えた。


近づいて手をかざすと、

その花の光が少し強くなって、

わたしの手をあたためてくれた。


「……あなたなんだね」


そう言ってつぼみを見守っていると、

その奥の森から、もっと強い光が一瞬だけひらめいた。

星が落ちたみたいに、ぱっとまぶしい光。


「まだ、もっと奥に…!」


胸が高鳴って、わたしはもう一度歩き出した。

──お兄ちゃんのために。


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