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皆様、こんにちは。芽花林檎です。今回も、続きを描いてまいりたいと思います。それでは、ご覧ください。
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あれって、どういう意味だったんだろう。僕は、四時間目の生物のため、生物室に向かいながら、昨日の少女が言ったことを思い返していた。今日も、一時間目から六時間目、おまけにテストの点がよろしくなかったので七時間目と八時間目がある……僕は、深くため息をついた。いつになったら帰れるんだろうなぁ。この学習地獄から抜け出せるんだろうか。はぁ。そう思うと、気が重くなってきた。
歩いていると、僕は、現代文の先生に呼び止められた。僕は、学習が嫌いとはいえ、現代文と古文だけは大好きだった。面白いんだ。作者の意図を見抜くとか、心のキャッチボールみたいで。古文なんか、昔の人とお話ししているみたいでワクワクする。そのおかげで、結構熱心に学習しているから、(その教科だけ)現代文は学年でもかなり優秀な成績をとっているし、古典に関してはこの前学年で一位になった。あの時は本当にうれしかったなぁ。(ほかの教科は赤点ばかりだけれど)そんなこんなで、現代文の先生といろいろとお話したことがあるのだ。
「ねぇ、ねぇ。貴方、この前この本ほしいなぁってずっと言っていたでしょう?図書室整頓していたら、この本が奥底から出てきたの。よかったら、読んでみて。」驚いた。本当に僕の好きな本ではないか!「先生、ありがとうございます!」僕は快活にお礼を言った。「勉強頑張りなさいね、」と先生に励まされたのもあって、僕はとてもうれしくなった。ふと、気が付いた。廊下の窓から、少女がこちらを見ていたのだ。あ、昨日の女の子だ。目が合うと、彼女は小さく手を振った。胸の奥が、少しだけ熱くなった。
お昼休み。生物の恐ろしいほど退屈な時間が過ぎ、(隣の席の子は目を輝かせていた。教科への感じ方って、こんなにも差があるのか……)僕は、勇気を出して、その女の子とお昼ご飯を食べようと、その子の席へと向かった。僕は、少しためらったけれど、その子へ話しかけた。
「ねぇ、貴方が昨日言っていた、今日の”いいこと”って、このことだったの?」すると、少女は微笑んだ。僕は、その笑顔を見て、少し胸が熱くなるような気がした。
「うん、そうだよ。よかったね。」少女は、うれしそうに笑った。その笑顔は、昨日よりも近く感じた。僕は、さらに聞いてみた。
「どうしてわかったの?」 僕がそう聞くと、少女は少しだけ視線を落とした。あれ、まずいことを聞いてしまったかな。僕が無神経すぎたな…..謝らないと……そう思っていると、少女はしばらく考えた後に、こう続けた。
「…….なんか、見えるんだよね。時々、頭の中に映像が浮かぶの。」
「映像?」
「うん。誰かの未来。ほんの少しだけね。何でだろうね。」そう言って、また笑った。でも、その笑顔の奥に、躊躇いと、少しの寂しさが入り混じっているのを、僕は見逃さなかった。ここまで踏み込むのはことさらに無神経な奴だと思われるに違いないとわかっていても、僕は思わず聞いてしまった。
「どういう感覚なの、未来が見えるとき。」少女は、一瞬だけ目を伏せて、こう答えた。
「なんだろう、少し、痛むかな。でも、大丈夫。慣れているから。そんなことより、お昼ご飯早くいただきましょ。昨日みたいにぎりぎりに解散なんてしたら、目立っちゃうでしょ。」僕は、それ以上は深堀しなかった。聞いてはいけない境界線を越えてしまった気がして、申し訳なくなった。
気のせいだろうか。そのあとも僕たちは会話を続けたが、教室の空気がわずかに揺れた気がした。教室は穏やかな光で包まれているのに、空が一瞬灰色に見えた。そして、昨日と同じ、閃光が目の前をよぎった気がした。でも、少女と話すことのほうが楽しくて、僕はあまり気にしなかった。なんだろう。しかも、これが起こるの少女と出会った昨日からなんだよな。なんかの前兆かな?いやいや、そんなことないよ。でも…….
「ねぇ。大丈夫?ぼーっとしていたけれど。どこか調子が悪いの?」少女に突然話しかけられた。えっ、あっ、僕、ぼーっとしていたのか。思考から引き戻され、我に返った。
「あっ、ううん、大丈夫だよ。ありがとう。さ、早くお昼ご飯食べよ。そうしないと、先生に遅刻で怒られちゃう。「遅刻は許しませんと、何回言ったらわかるんですか!」って言われちゃうよ、僕たち遅刻常習犯だからね……」
「あれっ、もうこんな時間なの?急がないと!」少女がといい、僕たちは必死にお昼ご飯を掻き込んだのち、急いでクラスに向かったのであった……
五時間目の休み時間。僕は、またしても少女のところへ行き、こんな言葉を発した。
「ねぇ、放課後、少し話さない?」
厚かましかったかな。昨日であったばかりだもの。でも、少女は、驚いたように目を丸くした後、ゆっくりとうなずいた。
「….うん、お話しよう。」
その返事が、なぜか胸の奥に深く響いた。
放課後、僕たちは校門の前で待ち合わせて、二人で一緒に帰り路についた。その時間が、とても楽しかった。たぶん、かけがえのない思い出の一つになるのだろう。そんな予感がした。偶然なことに、帰り道が似ていて、少し長くお話しすることができた。楽しかったなぁ。僕は家につき、こんなことを思っていた。また、明日も、お話しできるといいなぁ。それにしても、あの子の「未来視」が当たったのには驚いたな。僕も、未来視出来たら、どんなことがわかるのだろう。一度でいいから試してみたいな!そう小さな願いを、胸の中ではじけさせた。
…………..この時、僕は無邪気に喜んでいたんだ。少女とお話ができたこと、未来視が少女だけの特別な能力、当たってすごいなぁ、なんて。でも、僕はまだ知らなかった。少女の未来視が”当たる”というただ一つの冷酷な事実が、どれほど残酷な意味を持ち合わせているのかを…………………………………..
今回もお読みいただきありがとうございました。また、次のお話でお会いしましょう。コメント、感想、お待ちしております。(いつもありがとうございます。)
2026/03/13 芽花林檎