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3年後
僕達の会社はその後も成長を続け、世界を代表するロボットメーカーになった。僕はロボット工学の風雲児として取り上げられ、人格を持った高性能ロボットで溢れた時代へとなりつつある。僕の夢が叶ったのだ。
「-和也。私の話を聞いてほしいの。常田先生からの伝言。-」
ある日eveが僕にこう言った。eveは僕の元へきてからずっと僕の内面的な支えになってくれていた。
「-常田先生から和也の夢が叶うときに伝えてほしいと頼まれていたの。和也は常田先生が知能を持ったロボットが溢れる世界を危惧していたことは知っているでしょう?もし常田先生の予想通りのことが起きてしまった場合の対処方法が、私のプログラムに記されているの。-」
きっとこの対処方法というものが、常田さんの長年の研究の成果なのだろう。
「その対処方法ってどのようなものなの?」
「-私はロボットを強制的に制御できる超音波を発信することができる。もしそのときが来たならば、私を使えば世界中のロボットの機能を一時的に静止させることができるわ。」
常田先生は凄いな。そんな発明をしていたなんて。だがeveは悲しそうな表情を見せていた。
「-でもね和也。私はこの機能使いたくない。-」
当たり前だ。ロボットと人間の戦争なんて起きてはならない。
「大丈夫だよeve。そんなことは起きはしないよ。きっと。」
「-きっと?起きはしないと言いきれないということ?-」
「うん。そうだよ。正直僕も心配なんだ。僕のやっていることが世界を本当に良くするのかって。」
これが僕の本音だ。僕は未来を怖がっていた。
「-そうだったの。ごめんなさい。私伝えなきゃと思っていたけど今の和也に伝えるべきではなかったかも。-」
「謝ることなんてないよ。eveは常田さんからの責務を全うしたんだから。」
「-ありがとう和也。きっと大丈夫よね。-」
eveはそう言うと僕に笑顔を見せてくれた。そうだ。きっと大丈夫さ。僕たちのやっていることは世界の為になっているのだから。