春は都 時は戦国。
可憐な華朽ち果てる時 男女の間に呪いがかかる。
『来世は必ず籍を入れよう。』
✿❀
恋はまだ訪れていない、時代は令和。
眠気覚ましにカーテンをカシャリと勢いよくあける。
見えて来たのは大きな白い雲が優雅に浮かぶ、青い空。鳥のさえずりや風に揺られて奏でる木の葉の音色。
平和な世の中に嬉々している様に見える景色に頬が緩む。
ふわふわとした不思議な気持ちで今日も今日とて心の中で願う。
「(今日は変な事が起きず1日過ごせますように)」
決して、聖女ぶっている訳では無い。
これには理由があるのだ。
「はーるなっ!!」
噂をすれば…。
ドンっと背中体当たりする様に抱きついて来たこいつ。
その名を「りょう」と言う。
前世の私と「籍を入れると約束した相手」
らしい。
「前世でなんとかかんとか〜」と言うのは信じ難く
「それ以外覚えてないの?」
前に聞いた時にケロッと言っていたのは
「戦国時代に籍を入れよう!って約束した事しか覚えてないんだ。ごめんね。」
と返された。
これだけ情報量の少ない奴の事を信用できるか?
私はできない。
朝から聖女の様な変なお願いをする様になったのもこいつのせいだ。
前世だとか、戦国時代だとか、籍を入れるだとか…
本当に意味が分からない。
しかも、最悪なのはこいつが私の暮らすシェアハウスの一員と言うこと。
こいつが来るまで感じていなかった、生暖かい視線をシェアハウスメンバーから感じるのも
どうしようも無いくらいに不快だ。
「ねぇ?はるな?おはようは?」
「あ〜…おはよう」
※「春は都」と言う言葉は存在しません
言葉にしたらかっこよくて使ってるだけなのでこれと言った意味もありません
コメント
8件
男子視点を妄想するのも良き ほんとにそれだけなのかあえて言ってないのかとか、それはなんで?とか この1話だけってのいいね!
こういうのめっちゃ好き とある出来事をキッカケに記憶が蘇って、女の子側がドギマギしてほしい
たまたま訪れた博物館に展示された刀と巻物を見て記憶が蘇るとこまで見えた