テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第一話、スタート
鉄錆と火薬の匂いがこびりついた、地下倉庫の最奥
そこには、不釣り合いな美しい少年がいた
「、、、、あは、、、、綺麗。もっと赤、、、出さなきゃ 」
震える声で呟くのは、ボロボロのシャツをきた少年、すち
彼は、自らの細い手首にカッターの刃を沈ませていた。
そこから溢れ出す鮮やかな血を指先にからませ、冷たいコンクリートの壁に花をかいていく
「おい、、、嘘だろ、、」
倉庫の扉が開けられ、中からLANたちが入ってきた
すちは振り返らない
どうせまた、新しい「飼い主」が自分の才能を奪いにきただけだ。
そう思って、ただ次の花弁を血でなぞりつづける
だが、聞こえてきたのは罵声ではなかった。
「、、、何してるの?、、、それ、、」
泣きそうな震える声
驚いてすちが顔をあげると、黒いスーツをきた男たちがいた
「、、、あ、、えっと、、絵を描いているの、、、気に、、、しないで?」
すちが力なく、虚ろな目で笑うと、なつが迷わず血の海へ飛び込んだ
「汚れるよ」と、止める暇もなかった
なつは自分の黒いスーツのジャケットをすちに被せた
すちの小さな体を壊れ物のように慎重に扱い、抱き締めた
「遅くなって、、、ごめんな、、もう、、描かなくていい、、、」
耳元で響く、温かい低い声
隣では水色の髪の少年、こさめが手を握っている
そして、すちの手首の傷をみて、涙を溢れさせている
「痛かったよね、、、怖かったよね、、、
こさめ達が、、守ってあげるから、、」
今まで誰からもそんな言葉をかけられたことはなかった
すちの瞳から、自然と涙がこぼれ落ちていた
そして、5人の中心に立っているLAN が、こういった
「おまえ、いいセンスしてるな、、でも、その血でかくのはもうやめろ、、」
LAN は、すちの手からカッターを優しく取り上げた
「俺たちの家(アジト)にこい、そこで、色々なこと、、みつければいいんじゃない?」
あの夜から、すちは変わった
凍りついた心が5人の心で温められたのだ。
甘月 莉兎
79
94
コメント
2件
…すちくん!? それ、大丈夫やつ?