テラーノベル
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香波(こうは)——脂腺から発せられる微細な粒子が空気に触れ、香りと光の波となって広がる現象。色は淡い緑から濃い赤まで変化し、力の強さと精神状態を示す。街では香波を利用した生活が当たり前になったが、能力の強弱や匂いの性質で人を判断する偏見も根強い。春瀬拓真は弱い緑香波しか出せず、学校では「役立たず」とからかわれる日々を送っていた。唯一の友は、周囲の香波感知を狂わせる絶香者(ぜっこうしゃ)、ワキガの庭井蓮。匂いのせいで孤立しているが、力は最強だ。高校二年のある日、極限の集中状態で拓真の香波が赤へと変化し、緑から赤まで自在に操る異能が覚醒。蓮のジャミングと組み合わせれば、誰も止められない最強のコンビが誕生する——しかし、その力はやがて、社会の色と空気を大きく揺らすことになる。
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