私はある日見つけた小説アプリへの投稿を決めた。だけど、投稿するには名前を決めないといけないらしい。私は少し悩んだ。
「折角なんだから、自分の好きなものを名前に入れたい。」と思った私は、早速幾つか候補を挙げてみた。
『夜、空、月、星、海、猫、狐、狼』
候補を挙げたところで、私にもこんなに好きなものがあったんだと思った。私は更に候補を絞った。
『夜、空、月、星、海』
この候補から名前を考えないといけない。私はメモをしたスマホと数十分程睨み合うこととなった。空や海をそのまま名前にしても良いけど、折角自分で考える唯一の名前なんだから、少しは捻りなどがあるものがいい。私は良い名前はないかとスマホを手に取り出るかもわからない検索方法で数分程調べ続けた。
すると、一件の名前がヒットした。
『海月』
海に月を合わせた名前。調べると、『くらげ』と読み、クラゲが海中を漂う姿が、海に浮かぶ月や反射した月のように見えることから海月という漢字が当てられたのだそうだ。私はこの名前に何故か物凄く惹かれた。自分でもわからないくらいに。私は別にクラゲが特別好きなわけではない。実物を見たと言っても、水族館にいるような小さなクラゲだけだ。それでも、幼いながらに「クラゲは綺麗なものなんだ」と思った記憶はある。水の中で悠々と、何にも縛られず泳ぐ姿を羨ましく思ったのかも知れない。私は気づいたら、名前の欄に『海月(くらげ)』と打ち込んでいた。カッコは自分でも何故つけたのかは覚えていない。覚えやすいようにとかの意味だろう。アイコンは適当に作ることにする。名前と違ってそこまで悩む必要はないと思った。
さて、アイコンも名前もできた。あとは物語を投稿するだけ。だけど、何を投稿するか。小説なんか本でしか読んだことがない。このアプリは二次創作というものもできるらしい。二次創作について調べて見ると、アニメやゲームなどの既存の作品を利用して小説などの派生作品を創作することらしい。アニメの世界線を二次元というから、それを使用して自分なりに創作することから「二次創作」なのだろう。一次創作というものもあるそうだが、私には少し難しそうだ。だから二次創作に挑戦してみることにした。まず重要だと思うのは、書くにあたって、私はこのアプリの知識が皆無だ。だから他の人の色々な作品を見てそれを参考に書いていくことにした。だけど、知らない作品を二次創作で書ける自信なんかない。まずは何の作品で二次創作を書くか決めないといけない。いろんな人を見ていると、自分の好きなアニメやYouTubeを二次創作として書いている人が多い。私は余りアニメを見ないから、YouTubeにすることにした。好きなYouTubeは大量にあるが、中でも好きなものにした。
「えーと…タイトルも決めないとな」
タイトルはその物語を読んでもらう第一印象だ。アイコンのような適当なものは許されない。と言っても、私にそんな良いタイトルが思い浮かぶはずがない。だからパッと思い浮かんだものをタイトルにしようとした。
「一応これは好きだから、でも好きっていう単語をタイトルに入れるのは変になる…あ、そうだ」
考えていると、私は良いアイデアが浮かんだ。まあ、普通に考えていれば浮かんできそうなアイデアだったけど、私にすれば最高のアイデアだった。私は早速思いついたタイトルを入力した。
【推しの世界に転生していた?!】
ありきたりなタイトルだけど、見てもらうには十分だと思った。今思えば、もう少しいいタイトルはあったのかも知れないけど、私にとってはこれが最高のタイトルだと思った。
「よし!早速書いてみよ!」
そう思ったはいいものの、物語は主人公がいないと始まらない。主人公の名前はその時思いついた名前にした。
名前は『岩崎舞』。そして、二次創作をするYouTubeは、最近好きになった『憑かれた俺と黒神心霊相談所』だ。
きっとこの物語は面白くなる。だって、″私の始まりの物語″なんだから。
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