テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,468
「次の土曜日、空いてますか?」
そのメッセージが届いたのは、連絡先を交換してから三日後だった。
藤澤はスマホの画面を見て、思わず固まる。
「……ええ」
小さく声が漏れる。
(もう誘ってくるの…?)
距離感、ちょっとおかしくないか。
そんなことを思いながら、眉をひそめる。
少し考えてから、短く打つ。
「どうしましたか?」
送ってすぐ、既読がついた。
(はや…)
数秒も経たないうちに、返信がくる。
「僕ら、近くの公民館で部屋借りてて、音楽仲間で集まって話したりしてるんですけど」
少し間があって、
「よかったら、藤澤さんにも来てほしいなって」
丁寧な文章。
でもどこか、少しだけ砕けた温度もある。
藤澤は画面を見つめたまま、少し黙る。
(……どうする)
知らない人の集まり。
でも、“音楽仲間”という言葉が引っかかる。
断る理由もある。
けど、完全に無視するほどでもない。
少しだけ息を吐いて、打ち込む。
「了解です。ちょっと予定確認してみますね」
送信。
少しだけ迷ってから、
最後に、軽く絵文字をひとつ添えた。
普段はあまり使わない、少しだけ柔らかいもの。
送ったあと、自分で少しだけ不思議に思う。
(……なんで絵文字なんか)
でも、もう取り消す気にもならなくて。
藤澤はそのままスマホを伏せた。
次回500
もし良ければ新作も見てください
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!