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少し愚痴れば病みアピと言われる此の時代

少し休めば勉強しろ働けと言われる此の時代

少し弱音を吐けば毒を吐かれる此の時代


蝉時雨の下、独りの青年が毒を吐く。



「 何奴も此奴も塵みてぇ、死ねよ 」



嗚呼、全く其の通り。


学校?

職場?

家庭?


何処で弱音を零しても

誰も相手にせず、

其れ処か嘲笑い、

弱っている人間に毒を吐き続ける。



「 サボり? 」


「 生憎、サボり癖が再発したもんで 」



舌打ちを虫の鳴き声で掻き消した。


‘ 再発 ’ と言う事は一時でも

学校に脚を運んでいたんだろうか。


少なくとも不登校では無さそうだった。



「 遅刻して行こうとしてた私が

馬鹿みたいじゃない 」


「 御前、偉いな 」



褒め言葉を浴びたのは何ヶ月ぶりか。

得意気に笑って魅せた。



「 クラスが嫌いじゃないの。

学校って言う監獄とか

終わってない夏休みの課題とか

水泳の授業とか

そういうのが只管に億劫で毎晩泣き喚いて

まで行く必要は無い気がするの 」



一息で弱音を吐いた。



「 すげーわかる。

何だろうな、此の嫌悪感。  」



解決策は無い。

誰も助けてはくれない。

自分で這い上がって、

学校に行く以外に、路は無い 。


こんなにも辛く、苦しい事が、

他に在るのでしょうか。



「 単位落としたら仲良く留年しよーぜ 」



余りにも軽快に笑うのだから驚く。

本当に悩んでいるのかすら疑う。


唯、ひとつ。

青年の瞳に光は無くて、


嗚呼、此処は現実で妄想を笑って語って

良い場所では無いんだと。


そう自覚させられる。



「 消えたすぎて吐きそう 」



頷くでも無く、

苦笑するでも無く、


只管、地面を見詰める青年は 私と同じ事を

考えているんだと勝手に解釈する。



 消 え た い

 死 に た い



そんな戯言は青年独りの耳にしか届かない。








夏 ノ 抜 殻

毒 吐 き 少 女


end






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