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「知らない人に、恥ずかしい写真なんて送っちゃいけないよ」
そして一緒に写真が送られてきた。それは、あの胸をはだけた写真に、私の顔が写ったものだった。どういうこと? こんな写真、とってない。……そうか、偽物だ!
「こんなの偽物よ!」
「そうだね。だけど、クラスの男子に見せてあげたら、本物だと思っちゃうかもよ? 君が僕を同じ年頃の女の子だと信じたようにね。そうしたら大変だよ」
どうしよう、偽物だって言っても信じてもらえないかもしれない。このままじゃ大変なことになっちゃう。
「どうしようかな。この写真、また掲示板に貼っちゃうかなぁ」
「待って! お願いだからそれだけはやめて!」
私は泣きながら懇願した。これ以上ひどいことをされたらもう生きていけない。
「わかったよ。その代わり、今度は全身の写真がほしいな」
「うん、約束する。なんでも言うとおりにするから」
私は泣きながら自分の写真を撮ると、すぐに送った。でも……
「おいおいふざけちゃいけないよ。こういうときは、はだかの写真だろ? 服を全部脱いで写真を撮るんだ」
はだかの写真を送るの? 恥ずかしい。だけど、そんなこと言ってる場合じゃない。私は泣く泣く服を脱いだ。下着まで脱ぐのはさすがに抵抗があったけど、仕方がない。……そうか、最初の女の子の写真も、同じようにして送らせた別の女の子の写真なんだ。
写真を送ったあと、私は布団の中に隠れた。顔から火が出そうなほど恥ずかしかった。それから数日は何事もなく過ぎた。
だけど、またある日、掲示板に男の子たちが集まっていた。もしかして……。
ちらっと掲示板を見ると、そこにはまっぱだかの女の子が写っていた。顔のところは真っ黒に塗りつぶしているけれど、間違いなく私が写した写真だ。
「どうしてあんなことするの!?」
「だから言ったろ? 知らない人に、恥ずかしい写真なんて送っちゃいけないよ、ってね。君は最初に脅されたときに、親か、警察に言うべきだった。でも、もうだめだよ。もし今君が誰かにこのことを話したら、今度は顔が写った裸の写真をばらまくからね。これはその警告だよ。その代り、黙っていれば何もしないから」
幸い、本当にその後、何かを要求されることはなかった。だけど、自分の裸の写真を誰かが持っていることを、私はずっと不安に思って生きていかなければいけない。
あんな写真、渡すんじゃなかった……。(終り)
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