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「先生も冬のキャンプはやるつもりのようですね。本格系でいこうか、アウトドア系でいこうか、考えているみたいですけれど」
「本格系とアウトドア系って、どんな違いなの?」
「雪山登山の初歩的な山にするか、こういうキャンプ場にするか。そういう感じなのですよ。先生が前に言っていたのですが、ちゃんとした雪山での雰囲気は、スキー場やキャンプ場とは、また違うらしいのです。ただ、費用の算段とか、色々考えて悩んでいたようなのです」
なるほど。
僕や彩香さんのような奨学金生活者でも、何とかなるよう考えているんだろう。
なにせ中学生ではバイトも出来ない。
うちの学校は高等部もバイト禁止だし。
「ところで、ちょっとだけ話題を変えたいのだ」
亜里砂さんが、そんな事を言う。
何だろう。
「枕を並べての夜話は、恋バナと決まっているような気がするのだ」
なぬ?
「面白いけれど、うちの学校では対象不足なのです。先生まで含めて、女子率が高すぎるのです」
未亜さんが言っているのは正論だ。
うちの学校は、女系の狐さん系統の学校だけに、職員も女性ばかり。
先生では、技術家庭担当の権堂先生50歳くらい。
事務員から用務員さんまで女性だ。
「例えば1年男子10人中、7人は美洋を狙っているのだ。ついでに言うと、そのうち4人は悠の存在を危険視していて、うち2人は、あわよくば術で悠を再起不能にしてやろうとまで考えていたのだ。
更に言うと6人は、この野遊び部に美洋を狙うためだけに入部しようとして、何か障害があって諦めたのだ」
どういう事だろう。
でも美洋さんは何か気づいたらしい。
「未亜!」
「全部が未亜のせいではないのだ。呪符5枚まで用意して悠を狙った1人は、七橋先生に捕まって、それはそれは怖いご指導をされたようなのだ。あの先生は、おっとりしているようで洒落にならないのだ。凄腕の魔女並みに、洒落にならないのだ」
「七橋先生は元術士なのです。今でも現役並か、それ以上に力を持っているのです」
さらっと、未亜さんが説明。
そうなのか。
全然そういった雰囲気はないのだけれど。
でも同居している柾さんが元術士筆頭候補で、未亜さんの先輩って言っていたしな。
とりあえず、そういう状況に僕自身が置かれているのに気づかなかった。
「美洋の家は、うちの社会の中では、それなりの権力なり権限なりを持っているのです。呪符を5枚も用意するという事は、恐らく、親ぐるみで美洋を狙おうとしたのです」
うわあ。
そんな、とんでもない事になっているのか。
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