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私は嫌われ者だった。
人里に生まれ、人間にしては珍しい魔法使いになる素質があった。
少し前までは、友達も、親も、先生も、みんなが褒めてくれた。
だから嬉しくて、みんなに褒めてもらいたくて、頑張って魔法の勉強をした。
気づけば、”みんなに褒めてもらいたい”という理由ではなく、”魔法が好き”だから魔法を勉強するようになった。
特に攻撃魔法が好きで、人間に悪さをする妖怪を見つけては攻撃した。
毎日が楽しかった。
ずっとこんな日常が続けばいいと思っていた。
__あの日までは。
ある日、里の村長に呼ばれた。
「この里の魔法使いを集めてイベントをするからぜひ来てほしい」
って。
みんなに私の魔法が見てもらえると思って、2つ返事で了解した。
そして、イベント当日。
指定された場所に行くと、そこには___
__誰も、いなかった。
誰もいないどころか、あたりを見渡しても何もなくて、場所を間違えちゃったのかな、?って。
その日は一旦帰った。
次の日、私は村長に昨日のことを伝えた。そしたら村長は馬鹿にしたように嗤って言った。
「あんなの嘘に決まってるだろ?お前みたいなやつの魔法見たって誰も喜ばないんだから」
………………
「ねえねえ。知ってる?あの魔法使いの子、村長の嘘本当だって信じた話」
「知ってる〜!あの村長ってよく嘘つくことで有名なのに信じるとか…あたまわる〜い」
「だよねぇ。それにさあ、勉強とか全然できないくせに、魔法がちょっぴりできるからってぇ、調子乗ってるよねぇ」
………………………………
「そちらのお子さん、魔法が使えるんでしょう?」
「そうなんですよ〜。でもぉ、自分の子なのになぜか愛せないっていうか」
「なんか独特の雰囲気で話しかけづらいですしねえ」
………………………………………………………………………
これが、私が誰も信じないと決めた日。
前回のお話、37♡ありがとうございます……!
今回は「ある少女の過去」というエピソードタイトルで書かせてもらったんですが、「ある少女」が誰かわかりましたか?
わかったらぜひ、コメントしてくださいね…!