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エルナ
(ふふん、今日のランチは『とろ〜りチーズのオムレツ』にしようかな)
(上機嫌で歩くエルナの前に、見覚えのある黒い影)
???
「……相変わらず、卑しい女だな。厨房に入り浸って満足か? エルナ」
エルナ
(……っ!? この声……)
(振り返ると、そこには豪華な正装をした金髪の美男子――第一王子、エドワード)
エルナ
(前世で私に毒を盛った……張本人。どうして、ここに……!?)
エドワード
「顔色が悪いぞ? 役立たずの聖女。……公爵の呪いを解くために遣わしてやったというのに、遊んでいるようだな」
エルナ
「……エドワード様。……私はもう、あなたの婚約者ではありません。公爵閣下の『主治医』としてここにいます」
エドワード
「ふん。主治医だと? 笑わせるな。お前のような無能に何ができる」
(エドワードがエルナの腕を強く掴む)
エルナ
「痛っ……! 離してください!」
エドワード
「いいか。公爵の様子を密告しろ。さもなくば、お前の実家を潰してやる」
エルナ
(……まただ。前世と同じ。この人はいつも、私を道具としてしか見ていない……)
(エルナの目に涙が浮かぶ)
(その時――廊下の空気が一瞬で凍りつく)
(パキパキッ、と床が凍っていく音)
アルフレッド
「……私の屋敷で、何をしている」
アルフレッド
(冷徹な眼差しでエドワードを睨みつけ、エルナを自分の背後に引き寄せる)
エドワード
「……アルフレッド公爵。これは失礼。……少し、元婚約者と昔話をしていただけでして」
アルフレッド
「『元』だろう? 今の彼女は、私の所有物……いや、大切な専属医だ」
アルフレッド
「その汚い手で、二度と彼女に触れるな。……次があれば、王家との親交も『凍結』させるぞ」
エドワード
「……チッ。……エルナ、覚えておけよ」
(エドワードが立ち去る)
(静かになる廊下)
エルナ
「あ、あの……公爵様。助けていただいて、ありがとうございます……」
(エルナが顔を上げると、アルフレッドがまだ自分の腰を強く抱き寄せていることに気づく)
エルナ
「……公爵様? あの、近いです……」
アルフレッド
「…………。」
アルフレッド
(エルナの肩に顔を埋める。耳が真っ赤になっている)
アルフレッド
「……あんな男のどこが良かったんだ。……私の料理人にするには、勿体ないほど……」
エルナ
「え?(今、なんて言ったの!?)」
仙崎ひとみ/九龍
#異世界
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