はじめに
御本人様には関係ありません
出てくる人に偏りがあるかもしれません
不思議系の話です
人外?パロ 軍パロ注意
この話はフィクションです
早速、Uの本棚に行く
Tのときと同じようにすぐ見つかるといいが
今度は注意深く手に取らないと、本をまた落とす事態になりそうだ
しかし、あのメモはなぜあそこに落ちていたのだろうか
俺に見つけてほしいかのように、あいつは間違って落とすようなことようなやつとは思えない
あと、わざわざ細工を仕込んだのも謎だ
自分のメモならそんなことをする必要もない
一つずつ思考をまとめていると、もうUの本棚についてしまった
まあ、Tの本棚が多かったがアルファベット的には隣の本棚だからな
さて、探そうと意気込み、他と違う装飾が施された本を探す
Tは赤色だったが次は何色だろうか
しかし、装飾が同じとも限らないのが嫌なところだ
もし見つけられなかったらどうしようか
そうすると、アルベルトに会える確率が減ってしまう
なんとしてでも見つけないと
今度ははっきりと嫌な予感がずる
Uの本棚を探しまくる
未だ、めぼしい本は見つけられてはおらず、焦りを感じながらも見逃さないように探す
3つ目の本棚にうつると真ん中あたりに、赤い表紙のあの本と同じような装飾の目を引く本を見つけた
表紙は青だ
さて、落とさないようにしっかり持たないとな
その幹部は総統の左腕だったこと
その幹部は紛うことなき悪魔だった
その幹部は…
「そういえば」
そうやって私の生徒は話を切り出した
「鬱さんってなんで右目を隠してるんですか?」
そんなこと私が知っているわけがない
そう言うと彼女は今度機会があれば聞いてくれと、言ってきた
駄目なわけではないが、地雷だったらどうするつもりなのだろう
まあ、生徒の『質問』なのだから『教授』が答えるのは当然だろう
そんな話を彼とタバコを軽く吸いながら喫煙所で話す
彼は適当に相槌を打っているような様子で聞いていた
そして、返ってきた言葉は最も意外な一言だった
「あれ?話してなかったっけ」
へ?そんな声が思わず口から漏れる
「ほい」
そう言い、彼は俺の手を持ち上げて、俺の手で髪をどかす
そこには、沢山傷が付きすぎて何がどうなっったかもわからないまでに付いている古傷と
瞳があるはずの穴には空洞が広がっていた
「しんぺいさんに傷これ以上悪化せんように眼帯つけんなって言われとんのよね〜」
俺の手をパッと離し、彼は言う
俺はやっとのことで喉から言葉を絞り出し、質問を投げかける
どうして、そんな事になってるんですか?
なんとなく確認できた傷でも2つ
大きななにかに爪で引っかかれたような傷と、何かが這いずり回ったような傷
前者は爪だとすると、あまりにも爪が大きい
だがしかし、あのような跡が付く傷を俺は他に見たことがない
2つ目はなんとなく視認できたのはそこの異常な肌の色だろう
古傷は普通茶色などで色が残るが、これは違う
少し腐ったような色と幽かな緑色
これに至っては意味がわからない
大きさや形からして、いや、大きさは普通と比べたら大きいがナメクジのようなものが這いずり回ったように見える
ナメクジごときでこんなに悲惨な傷跡ができるとは思えないが
そんな心を見透かすように彼は謂う
「これはな、悪魔に右目売った証や」
嘲笑いながらそう彼は謂うのだ
自虐的に、のらりくらりと質問をかわすかのように
俺が少しの間、その笑みに縫い留められたかのようになった時
彼はいたずらっ子のような笑みを浮かべる
「なーんちゃって」
「ちゃうちゃう、傷受けて目玉腐ったからくり抜いてん」
さらっと結構えげつないことを言う
まあそれでも壮絶な過去なので俺は聞かないことにして、喫煙所をあとにする
本当かどうかはわからない
いや、わかるわけがないのだ
俺なんかが詐欺師とよばれるほどのあの人の嘘を見抜けるわけがないのだから
ただ、そこにある事実は、
俺が出たあと、ふと気配を感じて振り向くと
夕方になり伸びた影の中に赤い双眸が覗いていたことと
喫煙所の中の彼を守るように触手のようなものを持った何かが絡みついていたことだ
彼はじっと獲物を待つ捕食者を飼う
自分がもはや人間でないことを知っていながら
彼の瞳に深淵の中には…
??side
Uの本棚の前に静かに佇む彼
その手にはしっかりと青の本が握られている
時が止まったような本棚の中、彼は生きているのか心配になるほど動かない
顔はうつむいているがゆえにさらりとした金糸のような髪に隠されて見えない
そして、長いとも、短いとも取れる時が過ぎた後
彼が顔を上げる
もう、顔は『ここ』の彼ではなく『あの頃』の彼になっていた
彼は、瞳にアンダルサイトのような多色性を秘める
彼が光であることを示唆するような金色
彼が今までに失った部下の哀しみの青色
戦争で荒廃した大地や街を表すような灰色
そして…
強い反逆と挑戦の意思を示す赤色
嗚呼!これを皆、待っていた
だから、
早く帰ってきてくれ
その声が聞こえたかのように彼は挑戦的に笑う
あとがき
次最終話です。頑張ります
難しい…
それでは